間違えやすい発音
ある日、私は久矢君とのレッスンで、発音を間違えている単語があることが気になりました。
例を挙げると、彼はアボカドを「アボガド」と言っていました。
そのため、私は“Wait a minute.”(ちょっと待って。)と言って、会話を一旦止めました。
そして“That one is spelled a-v-o-c-a-d-o. Therefore, we pronounce avoCAdo, not avoGAdo.”
(それはa-v-o-c-a-d-oというつづりなの。だからアボ「カ」ドであって、アボ「ガ」ドではないわよ。)
と説明しました。
“Oh, sorry. Avocado, right?”
(あっ、ごめん。アボカド、だよね。)
“That's right.”
(そのとおり。)
このようなやり取りの後、再び本題に戻り、会話を続けました。
その後、久矢君はcalendarやcareerの発音を間違えており、私としてはそのことが気になりました。
そしてレッスンの最後に
“Hisaya-kun, calendar is pronounced「キャレンダー」, career is「カリア」.”
(久矢君、カレンダーは「キャレンダー」、キャリアは「カリア」と発音するわよ。)
とアドバイスしました。
彼はこれまでずっと間違えていたらしく、かなり驚いていました。
レッスン後、久矢君は渋い顔をしながら
「いやー、caの発音って難しいもんだな。」
と言っていました。
「まあ、caは大抵の場合「キャ」と発音するので、日本人からすればややこしいでしょうね。ただし、avocadoのcaは『カ』だけれどね。」
「えっ?そうなのか?でもcareerのcaは「カ」なのに?」
「確か、caの後にrが続くと、「カ」または「ケ」の発音になることが多いわね。例としてはcar, careerはそれぞれ「カー」、「カリア」となるし、care, carefulは「ケア」、「ケアフル」になるわね。」
(※carrot, carryなど、例外もあります。)
「ああ、なるほど。」
「このcaの発音は間違えやすいので、辞書の発音記号にも注目してみるといいと思うわよ。」
「OK。分かった。」
このcaはcar, career以外にも「カ」と発音することがありますし、他にも「コー」や「ケイ」と発音することもあります。
例
・casino(カジノ)、cassette(カセット)
・caution(コーション)、because(ビコーズ)
・cave(ケイヴ)
でも、大抵の場合は「キャ」と発音しますので、ぜひ気をつけてください。
その後、私は久矢君と発音について色々と話をする機会がありました。
「サキ、他にも発音を間違えやすい単語って何かある?」
「色々あるわよ。例えばoasisって書いて、何て発音すると思う?」
「えっと、『オアシス』じゃないの?」
「残念。『オウエイシス』って言うの。」
「ええっ?まじで?」
「私も父から聞いて最初は驚いたけれど、確かにそう発音するの。他にも何か驚くような発音をする単語について知りたい?」
「うん、ぜひ。」
久矢君の発言を受けて、私は紙を取り出し、次の単語を書きました。
・genre(ジャンル)
・zero(数字の0)
・orion(オリオン座)
・titanium(金属のチタン)
・Russia(ロシア)
・Siberia(シベリア)
「これらの単語は、どれも私が最初聞いてビックリした単語なの。正しく発音できる?」
「これは分かる。zeroは『ズィロ』だろ?」
「惜しいっ!」
「えっ?このzeは『ゼ』じゃなくて『ズィ』と発音するんだろ?」
「そこはあっているけれど、oは『オウ』と発音するから『ズィロウ』が正解なの。」
「そっちかーーー!!」
その後、彼は何かひねりがあると見込んで、titaniumを「ティタニウム」、Russia を「ルシア」、Siberiaを「シビリア」と発音しました。
ちなみにそれ以外の2つはひねりが浮かばなかったのかどちらもカタカナどおりの発音をしました。
「どう?1個くらいは正解があると思うんだけれど。」
「残念だけれど、全滅よ。」
「まじかよーー!?一体どう発音するんだよーー!!」
「正解を順番に言うと『ジョンラ』、『ズィロウ』、『オウライオン』、『タイテイニウム』、『ラシャ』、『サイビリア』になるの。」
「うわあーーっ、何てややこしい単語なんだ。」
「私としてはぜひとも引っ掛け問題として取り上げてみたいけれどね。」
「……。」
というわけで、今回は間違えやすい発音について取り上げてみました。
また、久矢君がすでに正しく発音できることを知っているのですが、smoothは「スムーズ」となります。
他にもsayの過去形、過去分詞のsaidは「セドゥ」という発音ですが、payの過去形、過去分詞のpaidは「ペイドゥ」となります。
ややこしいですが、私が出題する立場だったらぜひとも問題にしてみたいところなので、ここで得点アップにつなげることもできると思いますよ。
今回は以上です。それでは皆さん、See you.




