Qの後にUが来る理由
先日、弥富伊予子さんから私宛にメールが届きました。
タイトルが「Qの後にUが来る理由」だったので、内容はすぐに察しがつきましたが、メールは次のように書かれていました。
先生、こんにちは。弥富伊予子です。
いつも色々な質問に答えていただき、本当にありがとうございます。
さて、また先生に質問したいことができましたので、このメールを送りました。
英語ではQの後には必ずという程Uが続きますよね。
例えばQueen、Quick、Squareなど。
英和辞典で調べても、Qの後がUでないものはQantasやQatar、QWERTYくらいしかありませんでした。
なぜ英語ではQの後はUなのでしょうか?
私はこれまで疑問が浮かぶ度に先生によく質問をしていましたが、自分で調べもせずに聞いてばかりではいけないと思ったので、今回は色々と調べました。
しかしネットの日本語サイトをいくら調べても納得できる理由にありつけませんでした。
そこで、最後の手段という形でメールで聞いてみることにしました。
すごく雑学的なことですが、先生はご存知なのでしょうか?
先生も忙しいと思いますので、無理にとまでは言いませんが、もしも知っていたら教えてください。
もし知らないで済まされても、私としてはかまわないです。
弥富さんが書いていたとおり、確かに英語ではQの後には必ずという程Uが来ます。
(例外としては弥富さんがメールで書いた単語の他に「イラクの、イラク人の」という意味のIraqiがあります。)
これは英語に限らず、他の欧米の言語においても当てはまります。
ちなみにフランス語では単語の最後にQが来ることもあるので、これはある意味例外と言えるかもしれません。
例:cinq(数字の5。発音はサンク)
では、なぜ欧米の言語ではQの後にUが来るのでしょうか?
これについては私も知りませんでした。
そこで、父にメールで質問したり、英語のサイトを見るなどして、一生懸命情報を集めました。
(弥富さんがこれを知ったら「わざわざそこまでしていただかなくても良かったのに。」と言われそうですが、私自身、疑問に思ったことは調べないと気がすまない性格なので、頑張ってしまいました。)
ただ、これに関する情報は少なく、100%間違いないという確信までは持てませんでしたが、何とか作品にできるメドが立ちましたので、書ける範囲で説明をしていきます。
遠い昔、初期のラテン語(欧米の言語の祖先)ではkの発音をするアルファベットとしてC、K、Qの3つがありました。
その後、文章を書く場合にこれらの3つを使い分ける必要が生じました。
その中で、Qは後ろに必ず特定の母音をつけるという条件が付けられました。
しかし後になってQは次第にCに置き換えられるようになっていき、段々表記が減っていくようになりました。
そして最終的にQUの表記だけがCに置き換えられることなく生き残ったため、Qの後には必ずUが来るようになったと考えられます。
(※Qが後にCに置き換えられた単語については、具体例がなかなか見つからなかったため、割愛させていただきます。)
なお、アラビア系統の言語や中国語はこれらのことに該当していません。
ですから国名のカタール(Qatar)はQの後にUでない母音が来ています。
(なお、QatarのQはkの発音をしますが、QantasのQはkwの発音です。またQantasを正確に発音するとクォンタスに近い形になります。)
他の例
・Qingdao(中国の都市「青島」。発音はチンタオ)
・Chongqing(中国の都市「重慶」。発音はチョンチン)
・qanat(カナート。イランなどに見られる地下水路)
今回は時間をかけて一生懸命調べましたが、結局あまりたくさん書けませんでした。
でも弥富さんなら納得してくれると思い、上記のような形で返事を出しました。
自分ではあらかじめ知っていたということにしておきましたが、後日、彼女から送られてきたメールには次のように書かれていました。
この度はQの後にUが来る理由について書いていただき、ありがとうございました。
私が先日、久矢大道君と会った時に彼が言っていたのですが、先生は今回の質問に答えるために英語で書かれたウェブサイトを検索しては文章を読み、一生懸命情報を集めてくださったそうですね。
私としては嬉しかったのですが、わざわざそこまでしていただかなくても良かったのにと思い、申し訳ない気持ちにもなりました。
難しい質問をしてしまった上に、大変なことをさせてしまい、本当にごめんなさい。
個人的な見解ですが、弥富さんは何も悪いことをしたわけではないので、謝る必要はないです。
確かに私は英会話教室で時間が空いた時に、英語のウェブサイトを開いては一生懸命読んでいました。
その時に久矢君がやって来て「サキ、今何しているの?」と質問をしてきたことがありました。
そして、パソコンの画面を見て「うわっ!英文だらけじゃん。一体何を読んでいるの?」と言いながら驚いていました。
私は弥富さんからの依頼で調べごとをしていることは話しましたが、その時のエピソードを彼から打ち明けられてしまうとは予想していなかったため、メールを読んで驚きました。
とはいえ、私は全然怒ってはいないですし(皮肉で言っているわけではありません。)、久矢君に対して今回の件は笑って済ませることにしました。
Qの後にUが来る理由については、古い時代のエピソードに基づいていることもあって信頼性や決定打に欠け、なかなかアイデアがまとまりませんでした。
(最終的にWikipediaの英語をかなり参考にしました。)
それでもみなさんの参考になればと思います。
今回は以上です。それではみなさん、See you.
(あ~、しんどかった…。)