meetとseeの違い
今回はタイトルにも書いてあるとおり、meetとseeの違いについて学びます。
この2語は日本語に訳す時、どちらも「(人に)会う」という意味になります。
でも実際にはちょっとややこしい使い方をするため、いざ使おうとした時に、なかなか使い分けるのが大変です。
このことは、弥富さんも感じ取っていたようで、先日、次のようなメールが届きました。
内容は次の通りです。
咲先生、こんにちは、弥富伊予子です。
今回、私はmeetとseeという単語の使い分けについてお聞きしたいと思い、メールを送りました。
私個人としては、meetを「人に会う」、seeを「人を見かける」と訳しているのですが、それでは説明のつかない場面もありました。
そのため、私自身、この2語をどうやって訳せばいいのか混乱するようになり、先生がいつも最後に言っている“See you.”という言葉も、「また見かけましょう。」と訳すのではないかと思えてしまうようになりました。
先生、どうか正しい訳し方を教えていただけますでしょうか?
よろしくお願いします。
これを受けて、私は次のような原稿を作成しました。
弥富さん、この度はmeetとseeに関する質問ありがとうございます。
早速この2語について説明をしていくことにします。
まずはmeetから説明していきます。
この単語には大きく分けて2通りの使い方があります。
1つ目はこれまで会ったことのない人に対して“Nice to meet you.”と言うように、「初対面の人に会う」という意味で使われます。
もっと詳しく言うと、「初対面の人に会って会話をし、知り合いになる」という意味になります。
ですから、“I met him yesterday.”と言うと、「私は昨日彼にあって、会話をした(正確には、それまで面識のなかった彼に会って会話をし、知り合いになった)。」という意味になります。
なお、「医者に会う」というような場合は、知り合いになるわけではないので、meetではなく“I'm going to see a doctor.”というように、seeを使います。
もう1つは、「すでに知り合いになっている人と、時間や場所を決めて、お互いその場所に移動した上で会う」という意味で使われます。
例文
A: “When is convenient to meet each other?”
(いつ会う(正確には待ち合わせをして会う)のが便利ですか?)
B: “How about tomorrow afternoon? I'll be free from two.”
(明日の午後はどうですか?私は2時から空いていますよ。)
A: “OK. Where will we meet?”
(オーケー。どこで会いましょうか?)
B: “How about in front of the convenience store near A station?”
(A駅近くのコンビニエンスストアの前はどうですか?)
というような感じで使います。
一方のseeですが、これも大きく分けて2つの使い方があります。
1つ目は知り合いでない人に対して使う場合で、この場合は単に「見かける」という意味になります。
例えば、町で有名人を見かけた時に“I saw a famous person!”というような形で使います。
もしここで“I met a famous person!”と言うと、有名人に会って、知り合いになった(または会話を交わした)という意味になってしまい、誤解されてしまいますよ。
もう1つは、「すでに知り合いになっている人に会う」という意味で、この場合は時間や場所を考慮しておらず、ただ「会う」という部分にだけ注目しています。
例文
“Nice to see you again.”
(またお会いできてうれしいです。)←“Nice to meet you again.”とは言いません。
“I hope to see him once again….”
(彼にもう一度会いたいよ…。)
“Please let me see my son!”
(どうか私の息子に会わせて下さい!)
というような感じで使います。
上記のように、meetとseeには「まだ知り合いになっていない人」に使う場合と、「すでに知り合いになっている人」に使う場合には、意味がかなり変わってしまいます。
そのため、慣れるまでは使い分けが大変かもしれませんが、じっくりと一つずつ覚えていきましょう。
ちなみに「すでに知り合いの人に会う」という意味のseeは、映画でよく聞く表現なので、耳にする機会も多いと思いますよ。
それでは弥富さん、See you.
その後、彼女は自分で例文を作っては私にメールを送り、使い方が合っているか質問をしてきました。
間違いもありましたが、彼女の熱心さには私自身、本当にうれしくなりました。
みなさんもぜひこれらの2語を使いこなせるようになってくださいね。
今回は以上です。それではみなさん、See you.




