間違えやすい表現(3)
今回も間違えやすい表現についていくつか挙げてみたいと思います。
(実は、久矢君と弥富さんから少し苦情が来てしまいましたが、彼らにはごめんなさいと謝っておきました。)
1)retire
日本語では何かを途中でやめる時に「リタイヤする」という表現をよく使います。
一方、retireを英英辞典で調べた場合、次のように書かれています。
“to leave your job and stop working, usually because you reached a certain age”
(通常、ある年齢に達したことを理由に、仕事から離れたり働くのをやめること)
ここに書いてあるとおり、英語のretireは年齢を原因に物事をやめる場合に使う単語です。
仕事から離れたり、やめたりする時に、年齢が関係しない場合は“quit”や“leave”を使うことになります。
例文
・He finally decided to retire from a professional soccer player.
(彼はついに(年齢を理由に)プロサッカー選手からの引退を決意した。)
・Are you really going to leave the job next month?
(君は本当に来月この仕事をやめるの?)(←年齢が理由ではない)
2)また後で
レッスンを終えて生徒さんが教室を出ていく時、私は時々“See you again.”と言うのを耳にすることがあります。
その時は私も笑顔で“See you.”と言って、相手が出ていくのを見ていることが多いのです。
でも、“See you again.”はこれからいつ会えるか分からない人、もしくはもう当分の間会えない人に言う言葉です。
毎週や毎月など、定期的に会っている場合は“See you.”や“See you later.”が適切な表現になります。
また来週会う予定であれば“See you next week.”という言い方もありますよ。
もっとも、相手から“See you again.”と言われても、私には定期的に英会話教室に来てくれることは分かっていますけれどね。
ついでに「よい週末を」、「よい休暇を」と言う場合であればそれぞれ“Have a nice weekend.”、“Have a nice holiday.”と言うこともできます。
相手からこう言われた場合に、こちらからは“Thanks. You, too.”と言えば、気分よくさよならができますよ。
3)私とあなた
「あなたと私」、「私とあなた」。日本語ではどちらの順番でも意味はきちんと伝わります。
一方、英語ではどうでしょうか?
“You and I”とはよく聞くけれど、“I and you”と聞いたことはないのではないでしょうか?
実際、“I and you”とは言うことはありません。
英語では、主語が複数あって、その中にIが含まれる場合は、必ずそれを最後に言うように決められています。
だから、Iを先に持ってきてしまうと、ネイティヴスピーカーにはとても不自然に聞こえてしまいますよ。
もちろん、You以外にも、HeやSheの場合も同じです。
これまで3話にわたって、間違えやすい表現を挙げてきました。
その間、久矢君と弥富さんには我慢をさせてしまいましたが、次回から再び久矢君→弥富さんの順番で登場となります。
それではみなさん、See you.