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不規則動詞

今日は弥富伊予子さんから受けた質問をもとに、作品を作ることにしました。

質問の内容は次の通りです。


「咲先生。以前は三人称単数のsについて解説していただきましてありがとうございます。」

「どういたしまして。お役に立てたかしら?」

「はい。でもその後、別の疑問が出てきてしまいまして、また質問したいのですが、よろしいですか?」

「いいですよ。今回はどのような質問ですか?」

「英語の動詞って、規則動詞と不規則動詞がありますよね。」

「そうよ。不規則動詞は現在の英語では大体150くらいだけれどね。」

「ええっ?そんなにあるんですか?」

「うーーん、これでも昔と比べれば減ってきた方だけれど。」

「そうなんですか?私にとっては多いです!」

「…そう言われてもねえ…。」

「ま、まあ、とにかく、それは置いといて、英語にはどうして不規則動詞なんてものがあるんでしょうか?」


というわけで、今回は不規則動詞について解説していきたいと思います。

その前に、規則動詞は英語で“regular verb”、不規則動詞は“irregular verb”と言いますので、覚えておきましょう。


現在の英語は遠い昔、ゲルマン民族が使っていたゲルマン語系の言語に分類されていました。

その言語は動詞の規則性が弱く、不規則変化が非常に多かったんです。

(ただしliveなど、規則変化するものもありました。)

その後、ラテン語など、別の言語の単語が取り入れられるようになりました。

ラテン語は動詞の規則性が非常に強く、不規則変化はわずかしか存在しない言語です。

こうして英語(正確に言えば、後に英語となるとなる言語)には次第に規則変化と不規則変化をする単語が入り混じるようになりました。

その後、この言語を使用している人達は、動詞の活用を分かりやすく整理していった結果、不規則動詞を徐々に規則動詞に変更していったわけです。

結果、不規則動詞は現在では150くらいにまで減少しました。

この動きは現在も続いていまして、quitやdreamなどの動詞で見ることができます。

これらの単語は一般には不規則変化(それぞれquit-quit-quit、dream-dreamt-dreamt)に分類されていますが、規則動詞も受け入れられるようになってきました。

(規則変化する場合、quitはtをもう一つ加えた上でedをつけます。)

(※なお、作者は英会話でdreamを意図的に規則動詞として使ったことがありましたが、講師の人に「dreamは不規則動詞ですよ。」と言われてしまいました。どうやらまだ誰もに通用するわけではないようです。)

現在、英語は世界で最も広く受け入れられている言語となってきて、ノンネイティヴスピーカーの数も増え、さらに彼らは不規則動詞を嫌う傾向があるので、今後はもっと減っていくかもしれないですね。


なお、近年動詞として使われるようになった単語もあります。

例としてはe-mail、fax、google、xeroxなどがあります。

これらは全て規則変化をするので、活用しやすいですよ。



「弥富さん、このような説明で納得していただけましたでしょうか?」

「はい、ありがとうございました。」

「では今日はこの辺で…。」

「あっ、咲先生、ちょっと待ってください!」

「何ですか?」

「実は、今もう一つ即興で疑問が浮かんだんですけど…。質問してもよろしかったでしょうか?」

「どういう質問ですか?」

「あの、動詞のgoなんですけれど、過去形ってwentですよね?」

「はい、そうですよ。」

「これって、共通しているアルファベットが全然ないじゃないですか。」

「確かにそうなりますね。」

「何故wentがgoの過去形になったんでしょうか?」

「えっとねえ…。それは私も知らないままだったので、資料を調べて、後でお知らせしますね。」



というわけで、弥富さんの要望を受けて、急きょgoとwentについても解説することにしました。


実はwentは元々wend(進む、たどる)という単語の過去形で、goとは無関係な単語だったんです。

一方のgoにはeodeという過去形こそ存在していたものの、はっきりと定着していない状態でした。

(場所によってはgoedも使われていた時期があるようです。)

そんな中、goと意味の似ているwendの過去形、wentを借りてきて使用するという行為が発生しました。

それが人々の間で受け入れられて広まっていき、ついにはwentがgoの正式な過去形になったというわけです。

一方、wendは使用頻度自体が減っていき、現在は口語ではほとんど使われず、昔の英語の文章でないと見かけなくなってしまいました。

(ちなみに、wendという単語自体は存在しており、現在は規則変化をする動詞になっています。)


他の単語から借りてきてそれが定着するという例は、goの過去形以外では、beの現在形の活用(am、is、are)と過去形(was、were)、goodとwell比較級(better)と最上級(best)で見ることができます。

ただ、このような例は非常にまれですけれどね。



私はこのようにまとめて、メールで弥富さんに文章を送信しました。

彼女からはまた感謝のメッセージが来ると思います。

このようなやりとりを繰り返しながら、彼女の英語の実力が上がっていくことを、私は楽しみにしています。


というわけで、今回は急きょ内容を追加することにはなりましたが、以上です。

それでは皆さん、See you.


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