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座ってくださいはSit down.とは言わない?

ある日、私がお茶を飲みながらくつろいでいると、私のスマートフォンに着信が入りました。

電話の相手は弥富さんでした。

私は早速電話に出て、彼女と話をしました。

弥富さんはさっきまで自身がお世話になっているオーストラリア人のフリンダース・スペンサーさんと一緒にいて、彼と色々話をしていたそうです。

その中で、彼女がフリンダースさんに「ここに椅子がありますので、おかけください。」を英語で言おうとした時のことを話してくれました。


『私、その時“Here is a chair. Please sit down.”と言ったんですが、フリンダースさんに「座ってくださいは“Please sit down.”と言うよりも、“Please have a seat.”と言った方がいいですよ。」と言われてしまったんです。』

「なるほどね。今日はそれについての質問ですか?」

『はい、そうです。学校では“Sit down.”とか“Please sit down.”と習ったはずなのに、どうして違うんですか?学校では間違ったことを教えていたんでしょうか?』

「違ってはいないし、間違いを教えているわけでもないわよ。でも、確かに日常会話では“Sit down.”とか“Please sit down.”とはあまり言わないわね。」

『えっ?そうなんですか?』

「ええ。映画でも登場人物は通常“Please have a seat.”または“Have a seat.”と言っているわよ。“Sit down.”だと何だか高圧的で、上から目線の言い方に聞こえるので、使用を避けることが多いわね。」

『それじゃ私、さっきフリンダースさんに失礼なことを言ってしまったけれど、どうしよう…。』

「心配いらないわ。日本人がやりやすい間違いについて何冊も本を出している人ですもの、失礼な意味で言ったわけではないことくらい分かるでしょう。というわけで、今回、また一ついい表現を学べたわね。弥富さん。」

『はい、そうですね。そう考えることにします。』


というわけで、普通の会話で「座ってください。」と言う時には通常

“Please have a seat.”

と言います。

“Please take a seat.”

“Please be seated.”

とも言いますよ。

なお、「座る」という表現を文章の中で使う場合は、sit downで問題ありません。


例文

・She got on a train and sat down.

(彼女は電車に乗って座った。)


なお、反対の意味である「立ってください。」は“Stand up.”や“Please stand up.”と習っていますが、これについては明確に書かれた資料をみつけることができませんでした。

そのため、この言い方でいいのか、それとももっといい表現があるのかは何とも言えません。

あらかじめご了承ください。


というわけで、前置きがずいぶん長くなりましたが、今回は“Please sit down.”が実際には“Please have a seat.”と言われているように、教科書で習った表現と、実際に使われている表現が異なるものを挙げてみたいと思います。

英語で会話をする時、きっと参考になると思いますよ。



1)分かりましたか?

よく知られている表現として“Do you understand?”があります。

映画の中でも度々耳にする表現ですが、これは誰が誰に向かって言っているかにも注目してみてください。

私の覚えている限りでは、大人が子供に対して言ったり、監督が選手に向かって言っている表現でした。

実際、“Do you understand?”は上から目線な言い方なので、友人や対等な立場の人には向いていません。

仕事場で上司が部下に言うのは間違っていませんが、何度も言われたら部下の人は次第に反感をつのらせてしまうでしょう。

相手に反感を与えないように言う場合は“Do you see?”が適した表現になります。

自分が相手の言っていることが分かった時に「分かりました。」という意味で“I see.”と言いますが、その疑問形にあたる表現になりますね。

他に、友達同士のくだけた会話だったら“Do you get it?”または単に“Get it?”という言い方があります。

また、ビジネスのように改まった場面であれば、“Does it make sense?”と言うこともできます。



2)どういう意味ですか?

よく知られている表現として“What do you mean?”があります。

これは日常会話でよく使われる表現ですし、必ずしも悪い言い方ではありませんが、多少なりとも相手を不快にさせるリスクを伴います。

この場合は主語をitに変えて“What does it mean?”にすればそのリスクを下げることができますよ。



3)した方がよい

この表現は、学校ではhad betterと習っていると思います。

例えば、「急いだ方がいいですよ。」と言いたい場合

“You had better hurry.”

という表現が真っ先に浮かびます。

でも日常の会話において、この表現を言われた人は

「急いでよ。」と解釈してしまうでしょうし、場合によっては

「急がないとまずいことになるわよ。」と解釈してしまうかもしれません。

実際、had betterはmustよりは弱い言い方ですが、shouldより強い言い方です。

このshouldは「~すべきである」と習っていますので、一見するとhad betterより強い言い方に見えますが、実際は逆です。

ですからこの際

had betterを「~すべきである」

shouldを「~した方がよい」

と、意味を逆にして覚えてしまいましょう。

というわけで、上記の「急いだ方がいいですよ。」という場合は

“You should hurry.”

と言った方が相手に正確に伝わりますよ。

(“You should be in a hurry.”という言い方もあります。)


例文

・You had better work a little more.

(君はもう少し働くべきだ。)

※場合によっては「働かないとどうなるか分かっているだろうな?」と言っているように解釈されてしまいます。同じ相手から何度も言われると、言われた方の人は段々と反感をつのらせてしまうかも知れませんよ。

・I'm leaving here. You'd better believe it.

(私はここを出ていくわ。本気よ。)

※この場合、You better believe it.のようにhadを省略することが多いです。「信じた方がいいですよ。」ではなく、「本気で言っているのよ。」というような言い方なので、乱用はしないでください。



今回は教科書と実際に使われている表現が異なることが多いものを取り上げてみました。

“What do you mean?”は必ずしも失礼というわけではないですが、できることなら相手に好感を持ってもらえるように“What does it mean?”を優先的に使うなどしてみましょう。

というわけで、今回は以上です。それでは皆さん、See you.


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