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星色  作者: 一路
5/7

〜5〜

「…一、真一?」

「えっ、あっ、ごめん。」

「今日ずっとこんな調子だけど、どうかしたの?」

「ちょっと疲れててね。」

「無理しなくていいよ?」

「ごめん。」

女の部屋を出た真一は、ある場所へ向かった。

その途中彼は幼い日の出来事を想い出していた。


それは18歳の時である。彼は最愛の、そして彼を唯一生かし続けることができた存在を亡くした。

一人で生きていかなければならない孤独感。

動く気がしない。しかし、一人でいると死んでしまう。

そんな中、彼は恋をしてしまった。

いや、憧れに近い気持ちだったかもしれない。

彼女は清潔だった。

一点の曇りもなく、ただ正義を、自分を信じていた。

彼は近づくことができなっかった。

歪んだ感情。それは、人間の汚いところだけを見てきた結果だった。

だが以外にも、彼女の方から彼に興味を持ちはじめた。

それからは簡単だった。

白ほど扱いやすい色はない。

彼はその容易さ、そして一度染まったら、純白には決して戻れないことを彼は十分知っていた。

しかし、彼は自分を抑えることができなっかった。

すべて彼女にぶつけて楽になろうとした。

楽になれるはずもないのに。

それなのに彼女はその過ちさえ許してくれた。

だが、彼は気づいていた。

その日を境に、彼女が純白ではなくなっていたことを。

それは突然のことだった。

彼は彼女が変わり始めていたことに、嫌悪を感じていた。

そして彼の何気ない一言に彼女の心が離れ始めた。

するとどうだろう。

今までつき従っていた存在が、自分に興味が無くなっている。

彼は恐くなった。

一人になってしまうことが。

恐怖は脳を支配し彼の心臓を蝕んだ。

そして気づいた時には病室のベットの上だった。


「やっと目が覚めたね。」


聞こえてきた声の方を向いた。

そこには同い年くらいの、女の子がいた。

今まであったことのない人間だった。

だが昔から知っていて、心地よい感じがした。

そして彼はまた眠りについた。



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