〜2〜
「ねぇ真一、今日会えない?」
「ごめん、この後母さんの墓参りに行かないといけないんだ。」
「そっかぁ。話したいことがあったんだけど、また今度にするね。」
「ごめんね。時間できたら連絡するよ。」
「うん。わかった。バイバイ。」
5月12日。彼は毎月12日の日はいつもこの地にいる。
「そろそろ潮時だな。でも今回はもったほうか。」
軽度な木の階段を上り、道なりに緩やかな山道を登って行くと、ハスの花が咲き乱れる野原がある。
その下に母の遺骨が眠っている。
「今年に入って2人目だよ、母さん。人間って面白いもんだね。時間が経つと慣れてくる。痛みにも寂しさにも、死にも。だけどそれが目の前に現れたら、もがくしかない。今回の子は前の子よりも1カ月も耐えられた。だけどもうダメだ。夜になると苦痛で耐えられない。」
ただあの症状に慣れていただけだった。苦痛であることは変わりない。彼は耐えて生きてきた。この24年間を。
「やっぱり愛が糧みたい。それで負の念が死みたいなんだ。母さんのせいじゃないよ。これのおかげでカウンセラーになることを決めたんだ。あと最低で4年はかかるけどね。でもその前に次の子を探さなくちゃ。夢すら見られなくなっちゃう。」
彼には第六感あった。人間の感情が彼に流れてくる。そのせいで彼は愛を求めた。生きるために。だって誰も彼を愛さなかったら、彼は死んでしまうのだから。
「もしもし、明日香?今日この後空いてる?」
「空いてるけど、どうかしたの?」
「急に明日香に会いたくなってさ、会えないかなぁ?なんてね。」
「真一今日どうかしてるんじゃない?」
彼女はバカにした笑い方をした。
「今大学にいるから、あと一時間ぐらいしたら平気だよ。」
「わかった。近くで待ってるよ。」




