第五話 【旅立ち 羽音と共に始動する物語】
眠いっす・・・現在、午前4時。小学生から徹夜ってアリなんでしょうか・・・。
あ、でも皆様がこれを見てらっしゃるのは18時なんですよね・・・。
予約掲載、便利です。三話分が一日分で(ry
それでは、本編です。
まぁジャッ君が島から離れるだけですから。
面白い訳ありませんよ。はい。
期待とかしたら失望がヤバいですからね。忠告ですよ。
それでは、恒例となった暇潰しタイムです。
「じゃぁ、そういうことで。本部で会おう。待ってるよ」
「ああ。さっさと行っちまえ」
「ん?今何か言った?」
「いや、別に」
そんなやりとりの後、ウィズはこの島に来た時と同じ岸から島を離れていった。
あっという間だった。彼がこの島に居たのは僅か5時間にも満たない。
そんな時間の中でジャックの人生そのものを根底から揺るがすような話を持ちかけ、同意させたのだ。
もはや恐ろしいとしか言い様が無い。何か運命的なものを感じる。
そして、今彼等の間でこれからの話が一通り終わったところだ。
ウィズは一刻も早く本部に帰らなければいけないらしい。
そりゃぁそうだろう。リーダーがいなくては戦争なんて丸っきりできない。
そもそも彼が単独で、「彼自身」がこの島にわざわざやって来たということから驚きなのだ。
そして、ジャックには「島ともお別れだし、準備もある程度必要でしょ?それに、飛ぶのも見た感じ僕の方が速そうだから」と言い残し、独りさっさと行ってしまった。
不覚にも最後のかけあいで本音が出た。
あれのせいで奴の俺に対する印象が変わって、戦場ではスパルタになったりとか・・・?
うぅ、怖い。あまり想像しないのが身体的にも精神的にも負担をかけずに済む。
「本部はオーストラリア南部・・・つったか。遠いな。途中、いくつか国を通らなきゃいけない。まぁ当たり前だけどな。食料の確保も行く先々でしないと一週間で野垂れ死にだろう。それはそうと、持ち物はどうする?一応あっちでの罠用に粘着性抜群の液体と器状の葉っぱ、ネジまがいの物、紐は持ってくとしておいて、これだと食料が入るか・・・?いや、兎に角・・・」
早速準備、であった。
他にやらなければならないことなんて微塵も無いからにして。
当然のように孤独な島で独り旅立ちの準備を始めるジャック。
不意に、彼の頭にウィズが言った言葉が浮かんだ。
『島ともお別れ』
ああ、余計なこと言いやがって。なんか引っかかっちまったじゃねぇか。
感情的になって物事に適切な判断を下せなくなるのはお断り。いつだって彼は自分の感情は表に出さずに行動してきた。というより、感情を出す機会が無かった。
が、ここで初めて何か特別な感情が自分の中にあったことに気づいた。
何年ほどかは忘れたが、物心つくようになってから独りでずっと滞在していたこの島だ。
これは、「愛着」というものだろうか。名残惜しい。そんな言葉まで頭に現れてきた。
ついには「離れたくない」まで。
「ああ!?離れたくない訳ねぇだろうが!ただの居場所、住処だろうがよ!何考えてんだ俺は・・・」
思わず自分に苛立って独り叫んでしまった。
周りに誰も居ないことは熟知していたが、何故か恥ずかしくなって顔を赤らめた。
そんな自分にも更に苛立ちながら、ジャックは巣立ちの準備を続けていくのであった・・・。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
そして、一晩かけて(色々あって)、ジャックの巣立ち準備は朝日と共に完全に整った。
自作の「紐100%リュックサック」を足に絡みつけ、落とさないようにして、引きずる形で移動する。
背中に背負ったとすれば飛ぶ時に邪魔で仕方ないだろう。そう思っての手段であった。
真一文字にギュッと結ばれた口が、これから「旅立つ」ということの重大さをよく理解していることを表している。
自然と(?)足取りも重くなり、最後にしっかり踏みしめておいてやろうと言わんばかりに一歩一歩力強く進む。
自分がこれから向かう先は、戦場。
常に命を賭け続ける場所。恐らく、自分はそこで死ぬ。
遅かれ早かれ、自分は戦場で人間に殺されて一生を終える。
そんな予感がしていた。が、何もできずに犬死するつもりなどさらさら無い。
最低10万人の人間を排除してから、自分も地獄に落ちる。これがノルマだ。
戦場の勇者を目指すとか、そんな栄光を求める訳じゃない。
自分の憎しみ、怒りに身を任せるだけ。
人間を一人も鎮めることができなかったのであれば、所詮自分が持つ憎しみや怒りはその程度のものだったということになる。
「闘う」。これは、「快楽」だ。自分が負けるにせよ勝つにせよ、「快楽」だ。
幼稚な言葉だが、『気分がすっきりする』。勿論、負けたときも。自分が死んだ時も。
寧ろ、負けた時の方が色々満足かもしれないが。
多分、自分が死んで地獄に落ちたら、こう思うだろう。
「嗚呼、疲れた。めんどくさかったなぁ」
自分が「絶対に何もできない状況」に立たされれば、必然と憎しみや怒りは消え、完全に無感情となる。
それこそが、快楽。快楽の真髄だ。何も感じないこと。
最終的に辿り着くものは、生命体なら皆同じだろう。いずれ「死」が来る生命ならば。
自殺志願者は、人生がめんどくさくなって、完全に開放される「快楽」を求めて、自分から命を絶つ。
しかし、ジャックはこう思う。
「自分から死ねば、それはギブアップを意味する。《生》に負けたことを、白旗を死神に向かって振ったことを、全てに《敗北》したことを意味し、自分でもそれを認めたことになる」、と。
つまり簡単に言ってしまえば、自殺志願者は弱虫だ。生に降伏した弱者だ。
そんな奴にはなってたまるか。自分は「生」に負けない。
死神には、自分から歩み寄ってきてもらう。こちらから向こうに行ったりしない。
これから行く世界では、ジャックの考えが丸ごと現実となる。
頭の中でしか起こりえなかったことが実際に起こる、果ての世界だ。
「で、こんなこと考えてるとこの戦争の発端を忘れる輩が出てくんだよな」
そう言って苦笑した時、彼の視界にあったのは海と空の蒼だけだった。
海岸の一番先。島の尻尾に暫し立ち尽くし、覚悟を決めたように一気に飛び立った。
そして、振り返る。島に。そして、叫ぶ。島に。
「世話んなった!!ありがとよぉ!!!」
その声はあの火山に木霊し、跳ね返って聞こえてきた。
それが自分の声では無く、島そのものからの声に思えた。
『自然を守ってくれて、ありがとう』そんな意味だと感じ取った。
「・・・」
そして、我ながら臭い台詞と行動だと思い、思いっきり感情的になったことに苦笑した。
俺ってこんな奴じゃない筈なんだがな・・・ま、いいか。
行ってくるぜ。島よ。俺の世界よ。日常よ。もう帰ってこれねえよ。
てめぇの自然はてめぇで守りやがれ。人間なんかに屈する程甘い地形じゃなかったぜ、お前。
頑張れよ。俺も、頑張ってくるから。
そして、彼は最後に島を一面し、青に挟まれた世界を猛スピードで飛んでいった。
どうでした?自分なりに頑張ってみました。
島との別れ。と共に、ジャックの「死」に対する思いも書いてみました。
我ながら拙い文章です・・・orz
で、特に言いたいことは(ry
さようなら