第一話 【忘れ去られた島の護衛カブトムシ】
やっと更新です。はい。
20日近く空けましたね。はい。
狩人戦記の方も大して進んでませんね。はい。
私の単なる怠けですね。はい。反省します←本当か・・・?
まぁ、怠けもありますが、普通に難しかった、というのもあります。
世界の森林伐採について色々調べて書いたんですが、それでもいくつか間違っている部分があるかもしれません。ご指摘お願いします。
それでは、暇潰しタイムです。
深い緑で見事に染め上げられた一つの大きな山。
頂上付近にゆったりと被せられた白い雲。巨人から見れば、綿菓子。
更にその上に広がるのは、澄み切った清々しい蒼。地面と平行にどこまでもどこまでも続いていく蒼の絨毯である。
所々これまたゆぅっくり、ただ「遠く」を目指して前進する雲の姿も見える。
最近では非常に珍しくなってしまった、雄大な自然そのものであった。
世界各地で自己中心的な人間達が行う森林伐採。一年でおよそ1420万haもの緑が、地球上から失われているのだ。
当然、これは人間以外の生物にとって迷惑以外の何物でもない。
森林の減少に比例して、森を棲家としていた数百万種類の動物も生きる居場所を失い、死ぬ。つまり、減少していった。
この調子であと何百年か経てば、地球に存在する生命体は人類のみとなってしまうかもしれない。
何故人類は生きていけるのか?愚問だ。
彼等は気の遠くなるような時間を費やし、「自分達だけが」生き残る為の機械を幾つも生み出しているのだ。
これも他の生物達には関係しない?とんでもない。
人間達が生み出したその大量の機械は、殆どが有毒なガスを辺りに撒き散らす。
当然そんな危ないガスは人間が生活するテリトリーから突き放される。
そして、行き場を失った有毒ガスが行くべき場所は、言うまでも無い、人間がいない世界。
これが原因となって死んだ緑や生物も数え切れない程沢山いる。
これほどまでに自分勝手で迷惑なことこの上ない生き物は、人間の他にこの世に存在するのだろうか?
答えは否、だろう。と言うより、同じくらい自己中心的な考えを持つ生物がいたとしても、行動に移せるだけの力が無いのだ。
現在西暦5320年。元々40億haもあった森林は今となっては僅か1000万haにも満たない。
その内の200万haほどの緑がここ、沖縄の忘れ去られたような小さな一つの島にあった。
そして、今まさに、空を映して青く光る海を渡って、この島の岸に乗り上げた船があった。
それに乗っていたのは、頭の禿て、意地の悪そうな顔をした中年男性四人。
その内の一人が仲間にヒソヒソ言っていた。
「・・・まだ、こんなに大量に緑があるんだぜぇ・・・これを全部売っちまえばいくら金が入ると思うぅ・・・?」
そう言葉をかけられた他の三人はますます口を横に伸ばしていった。
「さっさと行こうぜぇ・・・」
待ちきれなくなったのか、一人が船から降り、浜辺にその太い足を乗せ、体重をかけた。
男はそのまま走ってあの広すぎる森に突入し、次から次へと木を切り取っていくつもりでいた。
―――――――――が、それは叶わなかったのである。
「うっ!?」
すぐさま走り出した男がどこか、高いところから「ゴロ・・・ゴロ・・・」という不吉な音を耳にした。
仲間達もそれに気をとられて、最初の男につられて、上を見た。
目に入ったのは、遠くからこちらを見下ろす形に曲がった崖。
そして、先端に近づくにつれて段々と細くなっていく崖の一番先には、大の大人3人分くらいの大きさの大岩があったのである。
その大岩が、ゴロ・・ゴロ・・・と少しずつ転がり、音を立てていた。
「おいっ!!ここにいると潰れるぜ!!」
「うっ!うおあああ!!」
危険を感じ取った一人が仲間に指示を出し、ここから離れようとした。
すぐさま三人は森に向かって走り出したが、一人船の木片に引っかかって動けない者がいた。
「なっ!何してんだっ!・・・・」
取り残された男の顔は見る見る青ざめていく。
崖の上の大岩が、ゴロ・・・・と、最後に一度音を立てて転がり、崖から落っこちた。
・・・・取り残された男の方に。
「うわああああああ!わ・・・・」
一瞬だった。気持ちの悪くなるような音と共に血飛沫が舞い、男の体が潰れるのは。
「な・・・わ・・・」
他の男達は今起こったことに一瞬呆然としていたが、すぐにその場から逃げ出した。
森林に踏み入ってしまったのである。これは彼等の失敗。自殺行為に等しい。
この森林は「彼」の縄張りなのだ。いたるところに自作トラップが仕掛けられている。
そんなことも知らずに、男達は悲鳴を上げながら森林を駆ける。
「・・あ・・・ああ・・・」
「ハッ・・ハッ・・・・」
丁度疲れて最後の一歩、というところで片方の男が足の裏に違和感を感じた。
グチュッ、と。ガムでも踏んだような感覚。
・・・そんな生易しいものじゃ無いが。
「・・・?」
「ッ!お前!足元!」
気付けば、もう一人も「それ」を踏んでいた。
「それ」は彼等がこれ以上森林の奥深くへと進むのを拒んでいた。
「それ」は彼等の足を完全に縛っていた。
「それ」は彼等を捕獲するための最初の罠だった。
彼等の足元には、ネバッとした白濁した液体があった。
茶色い地面を丸ごと覆い隠すように、その白い液体は森林の奥深くまでのびている。
男達は足を持ち上げようとしたが、完全にくっついている。無理だ。
片方が手を使ってでも前に進もうとしたが、四つん這いになったところで状況は悪化するばかり。
手もくっついてしまった。
「わ、わあああ!」
一番最初に絶命した仲間と同じような悲鳴を上げる。
甲高い声を発していた彼等には全く聞こえていなかったが、その時、彼等の頭上の太い枝の方で「トスッ」と小さな音がした。
それと同時に、枝にくくりつけられた大きな網が大きく開き、男達の頭を目指して落ちていった。
「っ!」
「え!?」
すでに、彼等は網檻の中でもがくことしかできない状態となっていた。
罠を仕掛けた者は、彼等をこのまま餓死させるつもりである。
事実、数ヵ月後には彼等は死んでいた。思惑通り、というわけだ。
一方、遠く離れた森林の奥地。
侵入者が捕らえられてから数分後に、「罠を仕掛けた者」は静かに樹木にくっついていた。
その細く、先が二つに分かれた舌で樹脂を舐めとりながら、彼は呟く。
「・・・相変わらず奴等は馬鹿だよな。俺等より全然でかい脳味噌持ってやがるくせに・・・」
そう言って、「罠を仕掛けた者」は空を仰いだ。
「侵入者は、いつになったら来なくなるのかね。神様よぉ、なんでこんな理不尽な世界を創ったんだよ?全世界全生命体が平等に暮らせる、生きていける世の中にしなかったのは何でだい?難しいことは何一つ知らねェけどよ。この世が「不平等」だってことくらいは知ってる。痛感してる。ま、今更こんなことほざいたってどうなる訳でも無いけど・・・いつか答えを教えろよ」
その者はそれだけ言うと、視線を下げ、数秒ぼんやりしてから樹木から飛び立った。
全身こげ茶色。背中のこげ茶が左右に開き、中の透明な羽が顕わになる。
そして羽ばたく。すると、更に羽の下の黄色い胴体が覗く。
その両端から三本ずつ、棘だらけで漆黒が生えている。
こんな弱弱しいもので体を支えられるのか疑わしいほどの足。
本当はこんな細いものにかなりの力があるのだが、外見からは想像もつかない。
顔には逞しい一本角。自身の体の三分の一くらいの長さの角が、斜め上を向いていた。
そしてそのすぐ下には二つの小さな赤い目が絶えず動いていた。
島全体に罠を張り巡らし、侵入者を奥地に踏み込ませない。
忘れ去られた島の護衛、「カブトムシ」のジャックはため息をつき、食料を探すだけの至極つまらない今日を過ごしていた。
・・・はっきり言って、あまり自信はありません。
と言うより、全然ありません。
あまり期待しないように・・・って、これは前書きに書く文章ですね(苦笑)
取り敢えず今書いたのは「次話に」ってことで。はい。そういう感じで。
特に言いたいことはありませんで。
ではでは。さよーならー。