第十話 【BRT ~バグリベリアストループス~】
諸事情により更新が遅れたことを心よりお詫び申し上げます・・・・
っていう言葉使ったの初めてかも。
諸事情については活動報告で書きますかね。
今回は・・・ズバリッ☆
――――急展開ありましぇーんwwwwwwww
ああああっ。ものを投げないでっ。空き缶とかほんと勘弁してっ。
せめてトマトをっ。ああ、うまい・・・・ああっ。ドリアンはだめっ。痛いっ。
あ、余談ですが、私の周りにはドリアンの悪臭が大好きな人が数名居ます。
異常なんでしょうね。金星人でしょうか。
暇なんで(殴)本編はいりまーしゅ。
ヴーン・・・・・ただ羽音だけが砂漠に響き渡ること30分。多分。
故郷での生活で日時計というものを知ったジャックだったが、印をつけられるような場所など現時点ではどこにも無いので、感じたままだ。
寧ろ1時間ぐらい経ってるかもしれない。
最初数分は神が何ちゃらって戯言ぬかしてたが、何故だか突然馬鹿馬鹿しくなったのでやめた。
以降は無心で。ただ飛び続けた。
燦燦と砂と自分を照りつける太陽に体力をごっそり削ぎ落とされたが何のこれしき。
まだあと3時間は粘れる・・・・・と、虚勢を張っておけば多分プライドが底力を発揮してくれる。
実際に3時間粘れるだけの体かどうかは知らんが。
「・・・?」
地平線の向こうに「形」が生まれた。
ここでようやく元密林帯は終了か。どうにも。
・・・・ありゃあ、人間の巣だな。判るさそりゃ。何せドーム状の透明なものがスッポリと鉄塊が密接するテリトリーを囲んでいるのだから。あれが人工のもので無かったら俺はこの場で首切り落としてみせる。
「取り敢えず只管高いとこ飛んでりゃ俺に危害は無ぇか・・・」
そう言って人間の巣から遠く離れた場所で上昇していく。
が、高度が上がるのに反比例するように気温は下がっていく。何なの本当。
ってか、さっき人間の野郎にやられた火傷が痛い。この分だと砂漠から離れたら飛ぶのではなく歩かなくてはならなくなりそうだ。畜生が。
俺が雲に触れるか触れないかぐらいの高さでドームに近づくと、透けて見える内部の人間共が口を動かしながら俺を指差す。仲間に何か言いつつ敵の位置を確認させてるってとこ―――あ、ヤバそ。
「くそっ!!」
俺の翅の上下運動が勢いを増す。それに伴って俺の体のスピードは上がっていく。
猛スピードと呼べるところに達したと同時に目の端で、ドームをこじ開けるようにして現れた鉄色の筒を見た。大きく開かれたその口は真っ直ぐ俺を向いていた。
「ったく!自分から罠にはまっちまったっ!!!」
途端に筒から大量の光線が飛び出し、俺が通り過ぎた場所を焦がして雲を貫いた。
同じようにまた大量に筒が現れ、光を俺に向けて放った。
「ううっ・・・!!散々だぜ・・・」
俺の翅は最高速度で働く。おかげで光線はすれすれで俺に当たらない。
が、このスピードを保つだけの体力は俺には無い。
ましてやこのドームがあと数km続いているのだから、光線の全てをかわしきるのは困難を極める。
一応ドームが俺の視界から消えればそれは奴等の「射程範囲」から外れたことになり、俺は助かる。
・・・・ここは一か八かっ!!!
「ッ!!」
火傷の体に鞭を打ち、体の向きを変える。そして一気に――――急降下っ!
ドーム目掛けて一直線に飛ぶ。それに引っ張られるようにして筒もこちらを向いた。
俺から見て一番奥の筒がこちらを向いた。よし・・・
ドームに触れる寸前、体を持ち上げ、また急上昇する。
やや動きが鈍い筒は既に光を集めて発射寸前だった。
が、射程範囲に彼はいない。いるのは重なった別の筒のみ――――
―――――――ヴヲヴャアアアアアアッッッ!!!!
凄まじい熱気と光が筒口から溢れ、その《ビーム》は射程範囲内の仲間―――即ち、別の筒を焼き焦がす。
「成功っ!!」
と言ってガッツポーズをする・・・・暇なんて無い。
前進を始めた直後にいくつかの光線が駆け抜け、ジャックの元居た場所を破壊していった。
やはりあの一発、共食いで全部が全部潰れる訳も無いか・・・結構広範囲の光線だったと思ったんだが。
「へへっ、ドーム越しに怒る人間の糞顔が見えやがる。ざまあああああ!!! 」
ジャックは吼える。野獣のように。
轟く爆音の中でもその声ははっきり響き渡る。
その声が終わった時、俺の視界にドームは無かった。逃げ切った・・・・・
「取り敢えずは安心だな・・・」
振り返ってみれば、無駄砲撃を繰り替えすまぬけどもが見えた。
何万という生命が集まって俺一人殺せねぇのかよ。だっせぇなおい。
じゃ、おさらばだ。
俺は最高速でその場を離れた・・・
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同時期、オーストラリア南部森林の中間地点に聳え立つ一軒の建物。
木材だけで荒々しく構成されるこの建物の一番上、屋上に一本の巨大な旗が立てられ、そこには大きくこう書かれている――――「BRT」。
その内部、一階の本当に「なにもない」巨大な部屋に、建物に見合わぬ小さき者達が肩を寄せ合っていた。装飾の一つでもあってもらいたいような寂しい一室に、小さき者達の一人の声が響き渡る。
「ンッゼイ!!!こちら第四オオカマキリ隊による食料調達任務完遂!!」
続いてその隣の者。
「・・・・第二オオグモ隊による敵陣地罠設置任務完遂」
またまたその隣の者。
「第六ノコギリクワガタ隊による戦場調査任務完遂。情報は二階に貼り付けた。ここでは言わぬ」
そして―――――三十匹以上の小さき者達が織り成す円の中の虫。
「ご苦労だったね・・・僕も一仕事してきたところだよ・・・勝手に抜け出して悪かったね」
言葉を紡ぐ。
「でもおかげで多大な戦力がいずれ我が軍にやってくる筈だよ。期待しててね・・・」
ウィズの口角が不気味に吊りあがった。