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序章『はじまり』
(1940年〜1945年)
東京大空襲というものを知っているだろうか。大東亜戦争末期、日本は都市部を連合軍に狙われて、度重なる空襲を受けた。当時日本の首都であった東京(現在の東都)も例外でなく、1945年3月1日に空襲を受けた。被害は甚大で、東京一帯が焼け野原となる悲惨なものだった。
しかし、そんな表面的な悲惨さなどまだ序ノ口で、最も悲惨なのは家や家族を失った者たちであった。心に大きな傷を負ったという一言で済ませられるほど簡単ではなく、その心は実に複雑で、一生癒えることのない深傷を負ったのだった。
焼き出された一人に、当時四歳の少年がいた。彼の家族は、この大東亜戦争の関連で彼以外の全員が亡くなった。この空襲でも母と妹を失った。
孤児となった彼は、隣の家に住んでいた家族に引き取られた。大所帯だったその家族は、子供が一人増えようが関係ないという寛大な心をしていた。その家には彼と同い年の少年がいて、二人は近所ということもあって、かねてより一緒に遊ぶ仲であった。それもあってか、その家の者は全員その孤児となった少年を拒むことは無かった。それよりむしろ、いつも仲良くしてくれてありがとうという礼を為す程でまであった。
そしてその五ヶ月後、日本の敗北で戦争が終わり日本は米英中ソに分割統治されたのである。




