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綺麗な金の髪に、蒼い瞳。


顔立ちは整っていて、二重まぶた。


身体つきは以前の貧相なそれと違い、小柄なのは変わらないまま、女性らしく健康的に丸みを帯びている。


「なあ、聞いているのか、龍蔵!!」


前かがみとなって、小森龍蔵に詰め寄るショートボブの髪からほのかにただよってくる匂いまで、以前と違って甘やか。


……なのに…。


「なぁなぁ!」


……なのになんで…。


もみもみ。


「おっぱいと二の腕の感触同じだって言ってたけど、全然違うんだよ。」


…なんでTS前と言っていることが変わらないんだ…こいつ…。



【神々の悪戯】


3ヶ月前、全世界の男性の9割の中身まで美少女へと変わってしまった事件を人々はこう表現した。


調べても調べても、原因が何一つ出てきやしない。


被害者の血液型、細胞、性格、趣味嗜好どこにも何一つの引っ掛かりすらない。


おまけに動画が常に撮られている今の世の中で、変貌の瞬間すらどの映像にも映されていなかった。


これではもう完全にお手上げ。


もう何かしらの強力な力が働いたとしか思えなかった。




「なあ、龍蔵。なんでこんな噂広がったんかな?龍蔵は知ってるか?」


「知らん。」


「そっか〜、龍蔵も知らないか〜。」


「そんなに知りたいなら、自分で調べれば?」


「え〜、メンドイ。龍蔵が調べておいてよ。」


「…はぁ…。」


そんなふざけた話をしていた芽吹カオル。


すると、彼は思い出したと呟くなり、照れたような表情へと顔の形を変えた。


「…ところで、龍蔵。俺、実は…。」


「?」


「…恋ってやつしちゃったみたいなんだ…。」


「……へぇ…。」


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