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街をぶらついてみる

 さて、食事のあと、少しだけ街をぶらつく。


 まずは市場だ。

 この街の市場は常設だそうだ。

 それだけ、物の流通が盛んということだ。


 日本でも◯日市とかが全国中にある。

 例えば四日市だと、

 4日、14日、24日に市場が開く定期市だった。

 昔は毎日市場を開いても品物がないし、

 買う人も少ない。

 だから、定期市にせざるを得ない。

 常設市場があるということは、大変なことなんだ。


 街の市場ではたいていの店の規模が小さな屋台だ。

 数十もの屋台が通りに並んでいる。

 路上に品物を並べている人もいる。


 台湾の夜市のような露店街も併設されている。

 主に食べ物屋台が並んでいるんだ。

 街では自炊できるスペースや道具のない人が多い。

 だから、外食産業が活発なんだという。


 もちろん、激安だ。

 20p程度から食べることができ、

 百pもあれば食べきれない量になる。

 1pは日本円で10円程度の価値だけど、

 それを加味しても安い。



 市場は小規模店舗ばかりが目につくが、

 スーパーマーケットもある。

 ローリーさんたち有力商人の店だ。


 こちらは肉・魚介類・野菜といった

 保存のききにくいもの、

 あるいは遠方の高級食材が並んでいる。


 ローリーさんによると、

 小規模店舗とのバッティングに気を付けている、

 とのことだ。



 この市場では村の野草茶の販売をしている。

 まずはそこに向かう。


「あら、ラグ様にアキラ様、どうなさいました?」


 さっそく、アニタから声がかかる。


「市場調査にね」


 店の周りには椅子やテーブルが並べられ、

 カフェテラスのようになっていた。

 席は満席で、次々とお客さんがやってくる。


「毎日、これ飲まんとおれんようになったわ」


「薬師ギルドに負けないで」


 薬師ギルドの横暴はみんな知っているようだ。

 現状では無視一択だが、今後どうなるか。


「なかなか美味しいやん」


 ラグはアニタたちに勧められた食べ物を注文した。

 焼肉の串にかぶりついている。

 僕も肉まんのようなものを買って食べたけど、

 案外美味しい。

 食事事情はけっこう進んでいるようだ。


 でも、湖畔村の料理は正直まずかった。

 『商人』『農民』のいない典型的な村だという。

 いい食材を買えないからだ。

 まあ、貧乏なんだ。


 そういう村から脱出したい人はたくさんいる。

 みんな街に向かうわけだけど、

 街に入るには資格証がいる。

 資格証を手にいれるのは村人にはけっこう難しい。

 だって、資格証は高い。


 通常は年始に税金を納める。

 1万pほどだ。

 ※1pは日本円で10円くらい。

 そうして資格証をリニューアルしてもらう。


 短期滞在者用のものでも2千pする。

 その程度のお金を村人は払えなかった。

 現金収入のあてが少なかったんだ。

 今でも自給自足のような生活をしているからね。


 だから、街の周囲にはスラムができやすいし、

 街の中にも資格証の期限切れの人たちが

 スラムを形成しているという。



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