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枯れた海 〜1〜  作者: 猫海
1/1

海の真実とは

プロローグ


ピーピピー

鳥のさえずりが耳に残る。

あの日は綺麗な空だった。

太陽が照る夏の日、私は海辺に散歩に行った。

ふと、海に目をやると海はなかった。


〜海の底〜


「おかあさーーーん!おかあさーーーん!」

泣きながら大地は呼ぶ。

私は小学5年生の坂村茜。弟の大地は小学2年生。

大地はもう泣きすぎて鼻が赤くなっている。

ここは、寒い学校の体育館の中。

ここはとても大きい体育館だから、多くの人がいる。

多くの人がいる中、私たちは叫ぶ。

「どこなのーー?」

私は泣きたい気持ちをグッと抑えながら叫ぶ。

私が泣いたら、大地も泣いてしまう、そう思いながら。


私は今日、散歩に行っていた。


10:52

海辺を歩く。気持ちいいそよ風が髪をなびかせる。

ふと、海の方を見た。海はなかった。

驚いて、じっと見ていたら、地平線の方から、水が押し寄せるのが見えた。

なんだ。引潮だったのか、と思った。

その時ホッとした自分が馬鹿だった、、、。

押し寄せる波は普通じゃなかった。

これに気づけなかった。

波が押し寄せて、海が水で埋まっていくその姿は確かに綺麗だった。

それに見惚れていた。


11:06


ゴゴゴゴゴゴ・・・

なんの音だろう?私は思った。

その瞬間、ガガガガという音と同時に、大きな揺れが私の足元を襲った。

びっくりした私は動けなくなった。

ここは海辺、動かなければ、津波が来るかもしれない。

動け!動け!動けー!

私は心の中で叫んだ。

揺れは止んだ。その瞬間、後ろからタッタッタッと後ろから、走ってくるような音が聞こえた。

私は誰かの胸の中にいた。暖かかった。

どうしたのだろう。私は、知らぬ間に寝ていたようだ。

体育館の中の寒さで起きた。

目の前には泣いている大地がいた。

「よかったー!」大地は叫ぶ。

大地に聞くと、どうやら、まだお母さんとは会ってないらしい。

2人で、お母さんを探す。

「おかあさーーん!」

その時、奥の方で、人混みに押されながらも、ジャンプして手を振っている白い服の女性が見えた。

目を凝らして見ると、お母さんだった。

大地は、泣き喚く。よかったー、と。

その夜は、泣きつかれたのか、大地はぐっすりと寝ていた。

だが、私は全く眠れなかった。

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