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離島へ行こう3日目・お仕置き案件。

さっ寒い。何だか肌寒いわ。あ……昨晩はスクール水着を脱いで、慌ててスマポンで適当に着替えたから?もしかしてスケスケ夜着にでも着替えたの?シスルってば随分色々登録してくれたのよね。便利だけど夜着とか下着をあんなに登録しなくても良いのに……


「リョウ?そろそろ起きてください。おはよう。愛していますよ」


うーん。ムニャムニャ。誰?皆が戻って来たの? お願いだからもう少し寝かせて。昨晩ライドに意地悪されて寝れなかっのよ。ぐぅ……


「昨晩の事を意地悪だと言うのですか? あれはお仕置きです。反省したのではないのですか? リョウ? 起きないのならば、朝食前に貴女をご馳走さましますよ」


チュッ。チュー。


ブッ、ブハァッ!ちょっと何よ!苦しいわよ!


「おはよう。リョウ。愛していますよ」


「…………」


不躾な朝の挨拶の声で覚醒し、目を開くとライドとバッチリと目があう。しかし自分の今の状況がイマイチ良く理解できず、バクバクと鳴る心臓を抑えて状況を判断する。私もしかしてすっぽんぽんなの?ううん。大丈夫よ。ブラとショーツはつけているわ。まさかスマポンで勝負下着しか着なかったの?しかも何故私は横向きに寝ているの?私は何時も仰向け寝のはずなのよ。


それよりもよ!何故目前に誰かの胸板なの?誰ってもちろんライドよね?しかもライドは何も着ていないし!パンツ位はきなさい!私は全く身動きができず、足までしっかりと抱きつかれ抱えられている。


状態が全く解りません……


***


旋毛に気配を感じる……首の下の固い感覚は腕枕をされているの?恐る恐る反り返り頭上を見上げる。


「おはよう。起きましたね。それは残念です。しかしまだまだ反省が足りなかった様ですね。この様な無防備な格好で寝たばかりが、この状態を朝まで気付かずとは……私の忍耐を褒めて貰いたい位です。これでは何事も進展なく帰ったならば、私が不能扱いされそうですよ。帰宅までにはご褒美下さいね。愛しています」


ライドの馬鹿ー!全く朝っぱらからディープなキスをしないでよ。しかも胸まで揉んだわよ!これ以上のご褒美ってなんなの?恐ろしくて考えたくありません。


ライドはなぜ一緒の布団で寝ているの!


「リョウはまだ寝とるのか? そろそろ起きねば、今日は何も出来なくなるぞ。同衾した様だが最後まではされとらんのだろ? 奴はその点かなり耐えとる。リョウも反省せい。因みにベッドはこれ一つしかなかった。同衾を責めるなよ。その格好のリョウを食わぬとは大した奴だ。ほら早く着替えろ」


はいはい着替えますよ。しかしタルバのギャップには中々慣れないわ。モノクは皆より年上の割には幼い感じ。中々奥が深いわよね。


勝手に布団に入ってきたライドは許せないけど、我慢したライドが偉いとかいわれそう。怒る私が狭量だと皆に責められそうだわ。


ここで騒いだらやぶ蛇になりそうだから……我慢するしかないわよね。


***


小屋の外に出るとタルバとライドが待っていた。あれ皆は?キョロキョロすると波打ち際にレインとラスとモノクがいるのが見える。モノクが私に気付き走ってくる。聖獣姿になり胸に飛び込んで来た。


「リョウおはよう! 疲れは取れた? 昨日はリョウがダウンしちゃったから、先にコテージを見てきたんだよ。凄く綺麗だよ。楽しみだね! 」


「モノクおはよう。昨日は寝ちゃってごめんね。温泉に入ったから疲れは取れたわ。今日は大丈夫よ」


海辺にシートをしいて、おばちゃまたちが持たせてくれたお弁当を皆で食べる。食べながらラスが離島とダンジョンの説明をしてくれた。


離島はここから沖合いに二十キロ程先に浮かんでいる。完全な無人島で周囲が歩いて回れる程の島とのこと。以前は貴族の保養地であり、宿泊用水上コテージが五棟有る。他に食堂用のキッチン付きコテージが一棟。浴場用コテージが一棟。宴会用コテージが一棟。これら全部で八棟が連なっている。但し現在は貴族が手放し所有者がいない状態。国預かりとなっている為に完全無人島ではあるが、宿泊時には物資の転送魔方陣が使える。不足な品はそこで取り寄せ出来き、食べ物も城の食堂から転送可能とのこと。


ダンジョンは無人島から更に沖合い二キロほど先のの島に有る。此方は島と言うよりダンジョンそのもの。海底に有ったダンジョンが隆起し、入り口が外界に晒された。この島は我国の領土では有るが、ダンジョンを攻略しに入る分には制限はない。入り口で各国共通のギルドカードを照会すれば、誰でも潜る事が出来る。


「それならばダンジョンの中では、他の国の冒険者に会う事も有るの? 」


「わざわざことうにまで潜りに来る物好きは少ないそうです。但し深部の魔物が海系で、ドロップ品が珊瑚や真珠等で少し特殊なのです。それ狙いで潜る帝国人が多少いるみたいですね。昨日はダンジョンには誰もいませんでした。しかし今朝方、砂浜に木材の破片がかなり打ち上げられてたんです。舟の残骸かと周囲を探しましたが、人は確認できませんでした」


「レインたちはダンジョンも見てきたのね。所で帝国って何処に有るの? 」


「我が国とは国境を接していません。シスル王子の国を挟んだ向こう側の国です。シスル王子の国とは多少国交が有りますが、我が国とは全く有りません。閉鎖的な国で鎖国状態なのです。海に面していない為、珊瑚や真珠が貴重だそうです。リョウは勝手にちょこまかしないで下さいね。また妙なフラグを立てたらへし折りますよ」


妙なフラグは困るけれど、恋愛のフラグは歓迎よね?素敵な恋愛のフラグまでへし折られたら困るわよ。ライド恐い……


今日はこれから無人島に飛び、ダンジョンには明日から潜る予定。ダンジョンは五階層まで有り、予定では一日に一階層程を攻略。ダンジョン内では最後のボス部屋をクリアしないと転移は使えない。つまり一度入ったなら、クリアまで潜りっぱなしになるわけ。クリアまでは最短五日の予定よ。


「ライドはここのダンジョンには、以前に潜った事が有るの? 」


「はい。少し前に騎士団で潜りました。無茶わしすぎて戻って来れなかった帝国人の人命救助です。最後のボスの海竜は手強いですが他は単純です。兎に角出てくる魔物を倒すのみです。ドロップ品は運ですからね。後は隠し部屋の宝箱ですかね。リョウは鑑定のランクが高いので、出来れば常時鑑定をしていて下さい。隠し部屋に思わぬお宝が有るかもしれませんよ」


ふーん。ダンジョンのテンプレ通りで、魔物はやはり倒すと消えるタイプなのね。血生臭くならないから助かるわ。お宝は何だかスマポンの二の舞になりそうで嫌ね。ボスは海竜。つまりはドラゴンでしょ?まあ今回はライドに格好良い所を見せて貰いましょう。


「ライドが守ってくれるのよね? 格好良いんでしょ? 私頼りにしちゃうわ。宜しくね」


「今回はリョウが冒険者としての経験を積む為に来たのです。勿論守りますが戦いはリョウがメインですよ。リョウの嫌がるいやんな魔物もいますから、気を付けて下さいね」


いやんな魔物って何?まさか……


「出てきてからのお楽しみです。ニヤリ」


腹黒め……


「リョウはライドとかなり打ち解けましたね。やはり同衾が効いたのでしょう。宿泊コテージは五つですので、今晩も若いお二人で一部屋どうぞ。仲良くして下さい。さあそろそろ飛びますよ。ライドはリョウを抱っこして下さい。リョウは私と手を繋いで下さいね」


ちょっと!私が抱っこされる必要はありません!それに一部屋は拒否します!何て騒いでいたらコテージに着いていました。さあ夕飯まではフリータイムよ!バンバン泳ぐわよ!良し!誰もいないわね。今の内にスマポンよ!


「際どいビキニをセットアップ。覗いちゃいやーん」


うわっと。これはホンとに際どいわよ。布地少なすぎでこれだけで泳ぐには勇気要るわ。絶対にムリムリ。てな訳で上にダボTシャツを着て準備は万端よ。さあ泳ぐわよ!


凄ーい。コテージの下にはカラフルなお魚さんがいっぱい。少しも先はドロップオフだわ。珊瑚に熱帯魚がキラキラキレイ。あ!ライドとモノクがいた!何で皆は泳がないの?ダンジョンが近いから、この辺の海には魔物はいないそうよ。


「おーい! 気持ちが良いわよ! 泳がないのー」


返事がありませんね?まあ一人でも楽しみます。あ!向こうにに岩場が有るわね。何か大物が潜んでいるかも。岩場の周囲をくーるくる。あ!大タコを発見!さあ息を止めて一気に行くわよ!


「…………」


捕まえたわっ!さあ短剣出てきて!出現した短剣に魔力を流し長剣にし大タコに止めを刺す。取り敢えず一度岩場に上がりましょう。私はタコを岩場に放り投げ、短剣をしまいヨイショで岩場をよじ登る。投げたタコは何処?あ!有ったわよ!タコに向かって歩き出すと、直後に何かに足下を掬われた。膝カックンして膝を付いた所で何かで口を塞がれる。何?まさかタコが生きていたの?流石にタコに甚振られるのは嫌よ。ズルズル引き摺られる感覚と何かが体を撫でる様な感覚。私は眠くて意識を手離した。


これってまたお仕置き案件なの?タコ?タコが悪いの?タコなら逃がしてあげるから許してー!まさか海でもいやんな生物が?タコに纏わりつかれるのは勘弁して!あ……もうダメ……逃がすもなにも、すでにタコにはトドメを刺してしまったわ……


神様……これは私が悪いのでしょうか?私は何もしていません。タコを捕まえただけ。そう夢落ちよ!きっと滑って転んで頭を打ったの。だからもう一度寝ましょう。お休みなさい……


*****


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