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婚約破棄までの1週間はテンプレ三昧。私も幸せになりたい!in 異世界。  作者: 桜鶯
【ストレチア国お城編。婚約破棄で皆幸福】
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お城2日目・ヒロインを探せ!悪役令嬢は私。

えーん。気持ちよく寝ていたら、メイド服を着た人たちに取り囲まれ、裸に剥かれお風呂に突っ込まれてしまう。さらにはあらぬ所まで念入りに洗われ、スッポンポンでベッドに転がされ、全身をもみこまれ何かを塗りたくられてしまったの。いわゆるエステと言うものなのでしょうか?落ち着くと着替えに連行されぎゅうぎゅうとコルセットを締め上げられる。くっくるしい死ぬ……


「あら?胸はペタンコって話なのに、これでは逆に潰さなくてはならないじゃない。ドレスもローズピンクのに変更ね。あれならこのお胸も収まるわ。でも可愛く仕上げるのはもったいないわね。ブルーや銀糸のドレスならば、凄く艶やかになるのに」


すみません。私には状況が飲み込めません。しかも文句を言いたくとも声が出ないんです!絶対にエステ前に飲まされたレモン水が原因よね。扉の騎士さんはどうしたの?何も心配するなって言ったじゃない。ちょっと!只今周りを騎士に囲まれてドナドナ状態なんです!王子がお待ちって、会いたくもないのよ。しかも王様との謁見?聖女と婚約は決定事項?今から婚約の儀式だ?


えー!私は男で失敗なのよね?国の為に我慢しろ?沢山の民が困る?私はこの国の民ではございませんし、それ所かこの世界の人間でもないですよね?この世界の神はこんな横暴を許しているの!え?全て神の意思なの?結婚は神の意思とは違うけど、聖女の地位を守り確保する為?守らなくて結構!結局は囲い込みでしょ?なら逃げないから王子との婚約だけは勘弁してよ。自分を男だと言う奴と結婚何て出来ないし嫌です。


***


さてではどうしましょう?


誰か助けてヘルプミー。聖女だけでは駄目ですか?


はい。駄目なんですね。王様からの王子と聖女の高らかな婚約宣言の後、目前に何かが恭しく運ばれて来た。ちょっと何よそのブレスレット?勝手に腕にはめないで!婚約の証のブレスレット?互いに嵌めたら婚約成立?まさか隷属の腕輪とかじゃないんでしょうね!似たような物で王子とお揃い?嫌~!外してよ~!何これ外れない~!これで王子から半径五キロ以上は離れられない?既に婚約は国内にも国外にも通達済み。発信機付きだから諦めろ?そんな事簡単に言わないで!でも以外に範囲が広いわよね。


来週行われる国内外への聖女お披露目の為、明日から勉強を詰め込むのですか?えっ!魔法も有るの?聖女は特別な魔法も使える?特別は要らないけど魔法は良いわね。まあ確かに逃げてからの生活にも、この世界の勉強は必要でしょう。自分が何が出切るのかも知りたいわね。魔法が使えるのならばギルドに登録して冒険者も良いわよね。これでて定番よね。私は家事全般も得意だから、奥さまにはおすすめよ。優しい旦那様をみつけましょう。もちろん今目の前でふんぞり返ってる王子は論外です。ムカつくし大事な事だからもう一度復唱しましょう。


「貴方とは結婚などしたくありません。脳内お花畑のぶりっ子ちゃんを探せば良いろしいのではありませんか? 私は後程出て行かせて貰います」


あ!ようやく声が出たわ!


「まあそうすねるなよ。婚約者殿。まあまあ見れる様になったじゃないか。馬子にも衣装だな。どうせ側室も侍るんだ。その顔に胸なら結婚してヤる。早速今晩から閨に侍らせてやろう。朝まで喘がしてやるから覚悟しろ。直ぐにその生意気な口など開けなくしてやる」


拗ねてないわよ!このエロ王子め。俺様仕様で此方の話は聞きやしない。もしかしなくても私の名前さえ知らないんのではないの?それて何が婚約者殿よ!これは騒いでスルーよね。さあ乙女の涙の発動よ!泣き落しでいっちゃうわよ。


「ひっ酷い。私そんなに尻軽ではないわ。男性と手も繋いだ事もないのにいきなりそんな事無理ー! 結婚するまでそう言う事はしちゃダメだってパパに言われているんだもん! 幾ら金髪青眼のイケメン王子様でもイヤー! エッチは結婚してからなんだもん! この世界怖いよー。聖女ならばエッチしちゃダメなんじゃないの? ダメじゃないなら聖女もやだー! お家帰るー。人攫いー! 誘拐魔ー! イヤー。エロい王子は嫌いー! 王子怖いー。死んだママパパ助けてー! 元の世界に帰りたいー。こっちくるなー! 触るなエッチー! 」


大声でわめき散らし、わんわん大袈裟に泣いて見せる。自分で喋りつつ正直気持ちが悪いわね。疲れるし……もんもん言うなよと自分で突っ込みたいけど効果はてきめんみたい!王子はあまりにも驚いて腰が抜けたんじゃないの?メイドさんたちもオドオドしちゃっているし。そう言えば言葉は普通に通じているのね。俗語もバッチリみたい。これがいわゆる言語チートよね。おや?護衛の騎士が何処かに行ったわ。しめしめ。もう少し涙をサービスしちゃう?劇の練習で散々泣き真似したから得意なのよ。


「聖女様何て嫌ー!帰るー。戻してー。俺様なエロ王子怖いー! 」


「わ、悪い。確か無垢な乙女が召喚されるんだよな。お前が余りに無礼だからついキツく言ってしまった。閨は無理にとは言わん。俺に慣れたらで良い。お前も見た目によらず案外可愛げが有るんだな。対応も改めよう。無理強いはしないから取り敢えず勉強をしろ。勉強部屋までルードに案内させる。だから落ち着け! 」


えへへ。ちょろいわね。演技はね?大袈裟でクサイ位が良いのよ。さてではどうしましょう。


私にはヒロインは似合わないのよ。


ヒロインは誰?私は悪役令嬢で良くてよ。


さあさあ王子の叩き売り。ヒロインは何処にいらっしゃるのかしら?


*****


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