秋葉原ヲタク白書99 アキバを継ぐ者
主人公はSF作家を夢見るサラリーマン。
相棒はメイドカフェの美しきメイド長。
この2人が秋葉原で起こる事件を次々と解決するオトナの、オトナによる、オトナのためのラノベ第99話です。
今回は、メイド長の継母のオフィスが爆破され、犯人の爆弾テロリストが逮捕されるも警察署内で暗殺されます。
テロリストは、心理テストで選抜されたPSYCHO-PASSで、彼等を道具のように操る謎の組織の存在が浮上して…
お楽しみいただければ幸いです。
第1章 摩天楼の閃光
「ミユリさんの継母の命が狙われた」
「犯人は、半島から来た脱獄犯でアキバの地下に潜った。しかし、奴は単なる実行犯で黒幕は別にいる」
「その黒幕は…"時間ナチス"」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
夕方の開店まで自由に使ってねと逝われてる御屋敷にこもって、僕は考えを巡らしてる。
「殺人も平気なPSYCHO-PASSを自在に使いこなし、世界のエネルギー市場を操り、ミユリさんの継母の命をも狙う闇組織。その首謀者は…誰だろう?」
「あの、テリィ様。私に話しかけてらっしゃいます?」
「あ、あぁミユリさんw」
さっきフッといなくなった彼女が目の前にw
「テリィ様が1人で"love letter"に浸っておられたので、私、外しましたけど」←
「え?あ、いや。手紙と1連の出来事を時系列で照らし合わせてたんだ。まさか、彼女が黒幕ってコトはないって確認しようと思っただけ」
「"彼女"は、恋文に日付を入れて送って来るのですか?」
「え?あ、いや。でも、こーゆー時は便利だょな。気が利いてるょ。あはは…」
「…で、何かわかったコトは?」
「彼女が、仮に、あくまでも"仮に"で"例えば"の話だけど、彼女が僕と文通スルのが好きだとすると、部下に時空を超えた命令を出す時は、必ず僕にも手紙を出してたかもしれないなと思ったけど。でも、一連の出来事と手紙は時期が合わないンだ」
「確かですか?」
「うん。一方、彼女に倣って大事件を引き起こすコトは誰にでも出来る。最近"時間ナチスぽい"動きが活発なのは、マタハ以外の誰かが組織を引き継いだからじゃないかなと思う」
「え。その"誰か"は、何を引き継いだのでしょう?」
「"時間ナチス"の組織や人脈…かな」
「でも、サラリーマンの引き継ぎじゃあるまいし"人殺し部長"みたいなポスト、引き継ぐ人がいますか?」
「"時間ナチス"は、形ある軍隊じゃない。1945年の陥落寸前のベルリンからタイムマシンで逃げ出した連中が、現代に構築した組織だ。情報アナリストや、会社役員や、凶暴な実行犯の集合体だと思う。マタハは、その構築に携わった精鋭部隊"ヴリル空挺団"の指揮官。だけど、チョビ髭伍長の死後、パッタリ消息が途絶えてる」
「彼女がいなくなって、組織も自然消滅したのでは?」
「そうかもしれないし、そうじゃないかもしれない。"自然は真空を嫌う"と逝うのも、また真理だ」
「私の継母は、組織を継いだ"誰か"を敵に回した、と逝うコトでしょうか?」
「そして、その"誰か"の仕事の邪魔をしたンだろうな。恐らく"闇の政商"は独りで十分だと思ってる"誰か"の邪魔をしたワケだ」
「…継母は、先週上海でも殺されかけたそうです。万世橋に話すべきでしょうか?」
「そうすべきなら、モンスターママさんが、とっくに桜田門に駆け込んでる。今度の相手は、莫大な組織力と影響力を持つ組織に違いない。僕達に気づかれてないと相手が思ってるのだけが、コッチの強みだ」
「誰も信じられませんね。私の継母のコトでテリィ様を変な世界に引き込んでしまいました。ホントにごめんなさい」
「逆に、信じられるのはミユリさんだけと逝う美味しいシチュエーションだ。僕も、他の誰かを巻き込みたくないな。邪魔者は容赦なく消される世界みたいだし」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
"闇の政商"のヘッドオフィスは、アキバ駅直結の超高層タワーのペントハウスにある。
ミユリさんのモンスターママは今まさに専用エレベーターで地上へ舞い降りるトコロだ。
「私、今から北京ょ。東南アジア事業の進捗報告なら手短にお願い」
「パキスタンの案件は、契約間近で顧問料の問い合わせがありました…秘書がおりませんが?」
「全員帰したの。パキスタンは6千万以下では受けないで。マレーシアのインフラの件は?」
「見通しは良好ですが、水利権がネックで当局から横槍が入りそうです」
「私から首相に話を通しておくわ…異常なしかしら?」
アジア本部長の背後にいるセキュリティの責任者に声をかけるモンスターママ。
背広姿でひしめいてた護衛が一斉に直立不動の姿勢をとる。リーダーが答える。
「異常なし。このEVは安全です。地上もクリア。直ちにお車にお乗りください」
「最近護衛が増えたようですが…何か問題でも?」
「問題は…リゾン。クルスが関わった案件の入札価格を全て調べるよう頼んだのに、貴女から報告が無いコトよっ!」
「あ、あ、あ、朝には報告を」
「2度は頼まないから」
その言葉を断ち切るようにEVのドアが閉まり見送るリゾン本部長が冷や汗をぬぐう。
美貌の腕利き本部長が振り返ると広いフロアの向こうで作業員が浄水器のメンテ中。
「貴方、何をしてるの?作業中は警備員が同行する規則でしょ?」
次の瞬間、プスプスと逝う音がし、リゾン本部長は派手に手足を伸ばしひっくり返る。
浄水器の作業員は、さらにサイレンサー付きの拳銃で受付を射殺、高層階用EVで逃走。
余裕の大股歩きでロビーを横切ってタワーの外に出ると、路駐していたバンに乗り込む。
運転席に座り、安全ベルトを装着、ミラーを直し、エンジンをかけ…起爆ボタンを押す。
超高層タワーの最上階が吹っ飛ぶw
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
爆撃直後の廃墟みたいだw
超高層タワーの最上階だけが瓦礫の山と化し何もかも焼け焦げ、煤けた書類が宙に舞う。
何かと貸しのある新橋鮫に無理を逝って、僕は万世橋の現場検証に立ち合わせてもらうw
「もう1人はアリソ・リゾン。残業してたアジア本部長だ」
「この状況じゃ鑑識に成果を期待スルのは厳しそうだね」
「爆弾って証拠をほとんど残さないものね」
「プロの傭兵の仕業だ。警備員の心臓に38スーパー弾を2発、正確に打ち込んでいる。それも至近距離から。防犯ビデオも持ち去った。この手際の良さじゃ逮捕は困難だろう」
超高層ならではの強い風に吹き飛ばされそうになりながら、鮫の旦那の話を聞いていたら制服警官がやって来て、何事か耳打ちスル。
「神田消防がビルの躯体の調査が済むまで一応退避しろって」
「え?9.11みたい。ココがアキバのグランドゼロになっちゃうょ」
「コレ以上、証拠も出そうにないしな。制服組が聞き込みをしてるが目撃者もいない」
「夜遅くのペントハウスでの出来事じゃ無理もナイか」
「しかし、ビデオも皆無とはな」
「界隈に防犯カメラが10数台はありますょね?」
「不思議なコトに全カメラの向きをこのビルから逸してアルらしい」
「それは…誰かがお金を払ってそうさせてルンだな。自分の顧客が映らないようにしてるワケだ。もともと吸血鬼みたいな連中だから、そもそもカメラには映らなかったりして」
「商売敵の仕業かな?部下のクルスも殺されたンだろ?あ、あれ?ミユリは?さっきまでいたのに。ちょっち現場を見ていなくなったが犯人に心当たりでもアルのか?」
「モンスターママさんが無事か確認しに逝ったンじゃナイか?」
「無事だょ。関係者と連絡が取れ、確認した。無事マレーシア出張に出発したそうだ。ミユリは知らないのか?」
「あの親子は、余り話さないンだ」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
駅近ホテル"24"プレジデンシャルスイート。
「異常ありません」
「いつまで隠れなきゃならないの?全く」
「警備を増員します。数日で通常業務に戻れるかと」
「ソレまでは?」
「誰にもココを知られないよう、電話もパソコンも禁止します」
ソコヘドアをノックする音。
取り巻きの背広の男達が、一斉に拳銃を抜きドアに向けて目線で構える。
明らかに訓練を受けた動きの男が、ドアノブに手を伸ばして外部を伺う。
「銃を向けないで。母と話したいだけです」
ミユリさんの声w
継母が男に頷く。
「異常なし。ミユリお嬢様です」
「ドアを開けて。貴方達は外して頂戴」
「マレーシア出張という話で徹底したハズでしたが…」
ボディガードのリーダーが唇を噛む。
ミユリさんがツカツカと部屋に入る。
「やれやれ。なぜココがわかったの?」
「アキバでは、知りたい情報が勝手に回って来るの。2人で話せる?」
「ええ。みんな、少し外して頂戴」
ボディガードが一斉に拳銃をしまい消える。
「ママの敵の正体がわかったわ」
「誰?」
「人じゃなく組織。かなり危険ょ」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
「世の中の仕組みは、だいたい理解しているつもり。でも、ミユリの言う組織は私の想像を遥かに超えるわ」
「リアルな食物連鎖の頂点に立てば。ヲタクな想像力も鈍るでしょ?リアルがアキバでヲタクの影に怯えるって愉快カモ」
「で。その組織のヘッドは…チョビ髭伍長で、彼が亡くなった今は誰が率いているの?」
「ソレを突き止めてる。組織は数年前、ママの暗殺を図って失敗し、昨夜はママが不在になるのを承知でオフィスを爆破した。敵意は弱まってると見ているけど」
「いや。爆破は威嚇のつもりね。私の元カレの死をこれ以上調べるな、と言う最終警告だわ。おかげで、私は逃げ隠れし、部下たちも警察や遺族の対応に追われてる。でも、お陰で何処まで戦うか、自問する時間が取れたわ」
「大事な時間ね」
「脅しには屈しない」
「屈してとは逝わないけど、用心して。彼等が放つ殺し屋はPSYCHO-PASSで極悪非道な連中ょ」
「そうなの?」
「私やテリィ様を遠ざけないで。ソレより、協力させるべきだわ。ママも生きて結末を見たいでしょ?」
「じゃ、進展があれば逐一報告してくれる?」
「約束するわ」
「今回、恐らく爆弾を仕掛けたのは、私の元カレを殺した女、ハンヨね。半島で投獄中のハズが脱獄した」
「半島で?もう死んでルンじゃないの?ハンヨが未だ生きてる証拠は?」
「あったけど、爆発で吹き飛んだ。瓶に入った彼女の左親指ょ。自ら切り落とし、手枷を外して監房を抜け出したの。刑務所長がグルだろうと糾弾したら…」
「証拠の親指が送られてきたw」
「半島の寒村に外貨をバラまいて足取りを追おうとしたけど、恐らく奴には味方がいた。彼女と私を接触させたくない"誰か"がね。その人物が日本へ逃すために船に乗せた。最後はカラの石油タンカーに乗り換え、横浜から上陸してアキバの地下に潜った」
「前の元雇い主から受けた仕事を仕上げに戻ったワケ?」
「かもしれない」
「また連絡するわ。隠れてて」
「あら?私が恐れるとでも?」
「そうじゃないわ。ママが出歩けば巻き添えが出るの。死んだ部下2人で最後にしたくない?わかった?」
第2章 誰かが継いだ
その夜の御屋敷。僕は御帰宅してからズッと考えゴトをしている。ミユリさんがカウンター越しの正面についたコトも気がつかないw
「ハンヨの話、新橋鮫さんにも伝えました。継母が犯人だと思ってるコトも。テリィ様も先ず彼女を探すのかと思いましたが?」
「ハンヨは実行犯だ。ソッチは鮫の旦那に任せようょ。僕達は、彼女の雇い主を探さなきゃ。モンスターママさんの話では、ハンヨは雇い主の手引きで空のタンカーに潜んで帰国?した。少なくとも3社以上のエネルギー企業が関与してる」
「ソレで、その3社に共通スル人物っているのですか?」
「役員は、何処もゴマスリばかりで、世界的な陰謀の絵を描けるような奴はいない。みんな、年寄りか筋金入りの愚か者ばかりだ」
「でも、そのヨボヨボ役員の他に、誰かを見つけたのでしょう?」
「ヴクナって経済学の教授だ。複数の名門大学で教えてる。副業でエネルギー企業の上級アドバイザーとかもやってて、株主総会で講演もしてる。この3社が全部そうだ」
「"途上国での利潤と法律"?要するにエネルギー企業への投資を煽る応援演説をしては腹黒く儲けてる輩ですね?コレで彼と3社がつながりました」
「ソレだけじゃなくて…ヴクナ教授は、もしかしたら、殺しも厭わない犯罪者でマタハの悪の玉座を引き継いだ張本人かもしれない。教授の本の表紙写真、少し古いンだけど多くを語ってる。背景の絵がフェルメールなんだ。一見ね。でも、よく見ると贋作だ」
「ソレが何か?フェルメールの贋作なんて世の中に溢れてますょ?」
「背景として描き込まれた世界地図の中に、南北が逆転した日本が描かれてる。この地図をベースに魏志倭人伝の記述を辿ると、かの邪馬台国が現在の青森にあるコトになる、特殊な縮尺の地図だ。僕は、以前マタハに"邪馬台国青森論"を語ったコトがある。その時、彼女は盛んにフェルメールの筆遣いや光の表現の話をしていた。恐らく、このフェルメールの贋作は、マタハが描き、ヴクナ教授に送られたモノだ。彼女が率いた帝国を継ぐ鍵の代わりになるモノだ」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
「ヴクナ教授?」
「あぁSF作家とメイド長のコンビね?」
そして、彼女は心底意外そうな顔をスル。
「ずいぶんと遅かったじゃない?」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
翌日、僕とミユリさんは都内の大学にヴクナ教授を訪ねる。
彼女はショートボブのいわゆる"美し過ぎるアラフィフ"。
キャンパスに溢れる女子大生に混じり"この中に1人だけ50代が?!"のモデルやれそうw
「天気が良い時は、外の芝生で授業をする時もあるの。今日も悪くないわ」
「教えてください。いつ"時間ナチス"を受け継いだのか?」
「うーんと、いつだったかしら…」
真剣に悩むヴクナ教授w
「やや?否定しないね」
「ミユリさんに?無意味でしょ?」
「なぜ私を御存知なのかしら?」
「あのモンスターママの娘でしょ?そして、テリィたんは秋葉原1有名なヲタク」
「いや、ソレほどでも」
僕は場違いな謙遜←
「ミユリさん。貴女の継母はね、余計なコトを嗅ぎ回り過ぎるのょ」
「だから、オフィスを爆破したの?意味がわからないわ」
「ジョシ・ヴクナ。1969年生まれ。経済学と政治学で博士号を取得。今は冠講座の教授で国連途上国基金の上級顧問もしている。隠れ蓑には最適だが、タダの隠れ蓑じゃない。教職につきながら、血塗られた"時間ナチス"の舵取りをしてるんだからな」
ヴクナ教授は、全く動じる気配がない。
「今の仕事にはね。必要な条件ナンテないのょね。結局チャンスを見極める目以外は余計だわ。テリィたんは経済学部だっけ?"見えざる手"をご存知?」
「個人の利潤追求が社会に利益をもたらす比喩だ。自分が見えざる手だと逝いたいのかな?」
「ビル爆破やPSYCHO-PASSを殺し屋に仕立てあげるのが、どう社会の利益になるのか、是非貴女の講義で拝聴したいモノだわ」
「ベルリンが陥落し、カオスが残った。"時間ナチス"が築いた時空を超えた同盟関係が崩壊しかけ、内輪モメが起きた。その時、秩序を取り戻したのが…私」
「貴女の噂は聞いてないな。マタハとは、親しかったのか?」
「もちろん、知ってるわ。私も、かつては親しかった。反抗期が母と娘の仲を引き裂くまでは」
え。母と娘?
「貴女は、マタハの…ママンか?」
「そうよ。でも、テリィたんには、私は何の敵意も抱いてないコトを言っておくわ。私も配下の者達も。貴方は"聖域"なの」
「どういう意味?」
「マタハがテリィたんには危害を加えるな、と決めたから。貴女に対しても同様ょミユリさん。理由はワカラナイけど。マタハはお二人の虜でね」
何だって?僕は少なからぬショックを受けたけど、ミユリさんは一向に気にせず強気だ。
「だとしても、危険なのは貴女の方だわ。数年前に貴女が継母と始めた戦争が決着に近づいている。ビル爆破を認めるなら、継母の報復から守ってあげても良いわ。約束する」
「御親切にどうも。実に寛大な御申し出ね。考えておくわ。では、授業に行こうかしら」
僕はヴクナ教授の背中に向かって声をかける。
「自分の手を良く見て」
「え?」
「"丸見えの手"だ」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
軽い笑い声を残して歩き去ったヴクナ教授を見送り、残されたミユリさんと作戦会議だ。
「黒幕はマタハのママンだったのか」
「しかし、娘の母親って。もっと…マタハと逆の性格なのかと」
「きっと、若くして生んだ娘ナンだ。権力の座に就くためか、大恋愛だったか。関係ナイけど、実行犯のハンヨのコトは、ワザと黙ってたンだょね?」
「だって、今はまだ彼女を消されちゃ困りますから」
「そうだね。ヴクナが黒幕だと断定出来るまでは黙ってよう」
「その時は、一気に両方逮捕です」
「ヴクナのコト、万世橋にはどう説明する?」
「しません。そこら中に情報網があります。ヴクナのコトは伏せておきましょう。継母が彼女のコトを聞きつけたら、流血は免れません」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
万世橋警察署で新橋鮫と会い捜査状況を聞く。
「爆弾処理班からの報告書だ。手製の爆弾で遠隔操作で起爆。恐らく携帯からだろう。携帯の1部でも見つからないか現場を捜索中だ。うまくいけば電話番号がわかるかもな。半島から来た爆弾魔にたどり着ける」
「爆弾の主成分はアセトンと過酸化水素。液体だね」
「要するに除光液とヘアカラーでしょ?ドラッグストアでも買い揃えられるわ」
あ、ミユリさんも一緒だw
「そうか。アキバの店や薬品会社の販売記録も当たってみよう。ありがと、ミユリ」
「あの威力だと、どのくらいの量が必要なのかな?」
「ウチの処理班が言うには40から80リットルらしいょ」
「80リットル?!そんな量の液体を気づかれずに持ち込めるモノか?」
「モチロン、気づかれたさ。だから、爆発前に2人も殺してる」
「しかし、ビルの警備は厳重だからな。入り口の近くに警備員もいるし、不審物を見れば警報機を押すハズだ」
「爆弾を偽装したのかな?どうカモフラージュする?」
「方法なら色々アル」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
"エコ酸素水"のデリバリー会社を訪ねる。
「何しろウチの酸素水は売れまくってる。意識高い系の必須ドリンクだからな。あの駅直結の超高層タワーだろ?もちろんウチの顧客だ。ペントハウスにも酸素水を配達スル予定だった」
「予定?」
「あぁ。不思議なコトがあってね。配達担当者のトラックが路駐してたら消えたンだ」
「盗まれたの?」
「ソレがまた妙なんだが、ドライバーが店で食事して駐車場に戻ったら消えてたらしい。で、店の中から通報して待ってたが、警察が来た頃には元の場所に戻ってた。何しろ盗まれたモノが無いので、警察は子供のイタズラだろうと処理したンだが…ソレが液体爆弾を運んでたのか?」
「酸素水のボトルに入れてね」
「デリバリーを装えば怪しまれないでしょ」
「店の駐車場に防犯カメラはあったか?」
「警察も確認してくれたが無かった。ドライバーは、トラックを盗んだ奴に感謝してた位だ。何しろ、あの爆発に巻き込まれて死なずに済んだンだからな」
「今、車は?」
「裏にあるょ。見るかい?」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
全員でゾロゾロと駐車場に出向く。
社長?は明らかに盛り上がってるw
僕は、嫁の掃除を確認する出戻りの小姑みたいに、フロントガラスの表面を指でなぞるw
「フロントガラスに煤が付着してる。爆風を受けたに違いない」
「煤が付着してたとなると、爆発を見届けたくて、すぐ近くにいたんだろうな」
「全トラックが台車を積んでるの?」
「積んで無いのもある」
「コッチの台車はかなりくたびれてて、アッチの台車はピカピカの新品みたいね」
「ソレが…何か重要なのか?」
「コレで爆弾を運んだカモしれません。トラックを奪ってから荷台で爆弾を組み立てるより、前もって台車に縛り付けておく方が利口でしょ」
「うーん。この台車、確かに新品だな。購入は最近だろうが…売ってる店は、ソレこそ何百もありそうだ」
「でも、セール中の店は限られるぞ!」
「セール中?」
「値札シールが2枚重ねて貼ってある。最初の値札から値段を下げた証拠だ」
「その台車を値引き額で売ってた店を探せば…爆弾魔の手がかりが掴める!」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
酸素水のデリバリーステーションから引き揚げて、ミユリさんと開店前で未だ誰もいない御屋敷に御帰宅して、考えを整理してみる。
「新橋鮫からメールだわ。ハンヨが店で使ったのは、どこでも買えるギフトカードだって。スーパーマーケットで普通に買える類の」
「マイル集めで自分のカードを使う馬鹿じゃなかったかw雇い主が何枚も支給したんだろうな。でも、ギフトカードの番号は辿れるょね?」
「で、他の使用場所を突き止めたの。湯島のラブホ街が多いみたい。どれかに宿泊中カモです」
「マタハの作戦なら今頃地球の裏側なのに」
「ソレにギフトカードも渡さないでしょうね。組織の後継者は、彼女ほど優秀じゃナイのかも…何ですか?」
「初めてマタハを褒めたね」
「確かに…靴の趣味も良かったわ。コレで御満足?」
「わ!またまたモンスター…じゃなかった継母さんの御帰宅だっ!」
前回とは違うが同じ色、純白のビジネススーツ。黒服2名を従えモンスターママ御帰宅w
「警察が既にハンヨの足取りをつかんだようだけど」
「ヤハリさすがの情報網ね!今朝、テリィ様にも話をしてたトコロょ」
「ミユリ。進捗を逐一報告するって約束だったハズでしょ?」
モンスターママの語気は鋭く怒気を帯びる。
「確かに。約束を破ったわ。だって、継母はハンヨを痛めつけるだろうから」
「雇い主を教えるよう説得するだけょ」
「継母の説得って拷問じゃない!ソレは多めに見るとしても、その後どうするつもり?オフィスを爆破した爆弾魔を警告だけして解放するハズ無いわ。とにかく!殺さずに証言させるべきょ」
「何の証言?」
「え?何?」
「証言させると言ったわょね?何を?」
「だから、彼女の雇い主のコトでしょ?」
「知ってるのね?!」
「え?何を?いいえ、知らないわ!」
「嘘をつかないで、ミユリ!もし、ミユリが言うような強大な犯罪組織の黒幕なら、万世橋の手になんか負えないのよっ!」
「今までだって"時間ナチス"とは…」
「お黙り!確かに何度も頭を切り落としたカモしれないけど、その度に体を残してたじゃないの!ミユリがキチンと始末してれば、私の元カレは生きてた」
「私のせいだと逝うの?」
「"時間ナチス"を退ける度に、組織の残りのメンバーを追跡した?時空を越え、地の果てまで追った?それとも、自分の傷を舐めてただけ?また麻薬に溺れて馬鹿騒ぎ?ミユリはね。苦難に立ち向かうのが苦手なの。そのせいで、いくつの命が失われたと思う?私の手が血塗られているとか言うけど、ミユリの手はどうなの?さぁ彼女の雇い主の名前をお逝い!」
唇を噛んで耐え、ミユリさんは逝う。
「継母。その人物が裁かれる時、貴女も新聞で見ると良いわ。世間と一緒にね」
第3章 暗殺者はPSYCHO-PASS
さすがのミユリさんも凹んでるw
ココは"なぐさめ王子"の出番←
「ベルリンが陥落すれば、組織は崩壊すると踏んでた。少し単純過ぎたな。僕のミスだ」
「それ正気?」
「何が?」
「ベルリンは連合軍が占領したのょ?後は、連合国の責任でしょ?でも、そんなコトより継母の暗殺未遂です。継母は、元カレの死は私のせいだと…はい。新橋鮫さん。テリィ様も御一緒です。スピーカーにします」
ミユリさんのスマホから鮫の旦那の声w
「テリィ!爆弾魔を湯島の安宿で確保した。ハンヨって名前だけど、知ってるか?今から聴取スルけど顔貸せょ」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
万世橋の取調室。またまた僕は、ミユリさんとマジックミラー越しに息を殺して参戦だ。
「日本語ワカラナイ」
「おいおい。そーゆーお前がホームセンターの防犯ビデオじゃレジ係とヤタラ仲良く話してたじゃないか!」
「日本語ワカラナイ(ロシア語で)"最も賢い者は月に1度は自分を愚かだと言う"」
ドストエフスキーだょw
取調室にメモを入れる←
メモを見た新橋鮫がウンザリ顔でマジックミラー越しに僕を睨んでから、ハンヨに逝う。
「ロシア語でも良いから話せ。今日は通訳がいる。因みに次からキケロにしろって言ってるがw」
今度は、ハンヨがウンザリした顔をスル。
「私が爆弾魔?冗談ヨシコさん。秋葉原には見物に来た」
「おいおい。コロナで観光はロックダウン中だぞ」
「では、長期滞在を希望ね」
「モチロンそうなるさ。で、どの刑務所にスル?ご滞在がいつまでかは、アンタが何を歌うか次第だ」
「歌う?」
「お前に爆破を命じた人の名前を歌え。歌えば検事に口添えしてやる」
「良い話だ!この国で裁かれるとすればだけどね。ソッチの手札は、ホームセンターで台車を買う私の画像だけ。ソレも爆弾魔が使った台車と似てるというだけだ。明らかに起訴には不十分だ。私、夜までにココから出る」
「お前は脱獄囚だ」
「半島では。でも、ココでは違う。御存知だろうが、日本と半島に引き渡し協定は無い。私が日本で罪を犯した証拠がなければ、48時間以上、拘束は出来ない」
「お前に最後のチャンスをやってルンだがなぁ」
「"知らないことを知らないと認めるのは恥ではない"コレはキケロだ」
「わかった。これ以上は時間の無駄のようだ。だが、お前を留置場に戻す前に自殺防止策を講じるコトにする。半島の寒村で神経が参ってるからな。ベルトと靴ヒモを没収する」
「スケベ」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
新橋鮫は怒っている。
「テリィのせいで変態扱いだ。あの女が自殺するタマか?何で、あんな女のベルトと靴ひもなんか欲しがルンだ」
「靴ひもがなければ歩きづらい。でも、ソッチは単なる嫌がらせ。目当てはこのベルトだ」
「なぜ?」
「匂いを嗅いでみろ」
「いよいよ変態だな…ん?この匂いは?」
「爆弾に関する疑問が解けたょ。爆発半径から考えるに、威力を高めるための反応促進剤が添加されていたコトは間違いない」
「ウチの処理班の報告書には一言も記載がなかったがな」
「恐らく爆発で燃え尽きたンだろう。でも、コンなの海外ドラマじゃ常識だ。農薬にも使われるニトログアニジンだ。ニトログアニジンは、金属を腐食させ、ラテックス塗料に似た独特の匂いがする。バックルの状態から推測するに彼女が自ら爆弾を製造したに違いない」
「だが、推測だけじゃ起訴は出来ンぞ」
「起訴が目的じゃない。他の材料と違ってニトログアニジンが買える店は少ないンだ」
「購入先がわかれば、犯行を裏付けられるってコトか!」
「そうなれば、ハンヨは雇い主を売るカモしれない。例のギフトカードの使用履歴に浅草橋のサンドイッチ店があったょな?」
「そうなんだ。町工場しか無いエリアだ」
「界隈のホームセンターで農薬を買い、反応促進剤を抽出スルにはもってこいの場所だ」
「現地を確認しよう。テリィ来るか?」
「あ、鼻の効くミユリさんが逝くょ。ちょっちテレワークで会議が…」
慌ただしく出掛けて逝く新橋鮫に同行するミユリさんが、さりげなく僕に耳打ちをスル。
「テリィ様、何か?」
「教授に…呼び出されたょ。ハンヨの逮捕を知ったんだろう」
「ええっ?!お一人で大丈夫ですか?」
「ミユリさんのお陰で僕も"聖域"だからな。ソレに何者も手を出せない、神をも恐れヌ場所を指定してきた」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
何と浅草橋の教会だw
爆破の犠牲者の葬儀←
「無神経にもホドがアルな。いつも殺した相手の通夜に出るのか?」
「テリィたんに危害を加えないとは言ったけど、ココなら貴方も安心だろうと気を使ったまでょ。今日は参列者も多いしね」
「誰のせいだょ?」
「ミユリのママンが招いた結果だわ。仕方がなかった」
「僕達の共通の友人であるハンヨが来られず実に残念だょ。彼女は、意外に根の良い女だな。罪を悔いている。今、万世橋の仲間が償いの方法を仕込んでるトコロだ」
「確かに、彼女はテリィたんになびくカモね。半島で捕まった時、連絡を寄越して"私を助けないと喋る"とか言い出してたわ。でも、彼女のプロ根性の無さをコボしたくて呼んだワケじゃナイ」
「じゃ何の話をしたいンだょ?」
「テリィたん、貴方のコトょ。全く想定外だった。この件に進んで身を投じて来るヲタクがいるなんて。マタハは、テリィたんのコトは有能だが他方で浮気性だと話してた。そのテリィたんが、ソコまでミユリに入れ込むとはな。マタハの完全な読み違いだわ」
「アキバの御主人様とメイドの仲は、一般人にゃワカランさ」
「そうでもないわ。テリィたんは、ミユリのママンと協力関係にある上に"聖域"だそうね?もし、本気でミユリのママンを助けるつもりなら、貴方に和解を仲介してもらおうと考えてる。もうモンスターと戦うのには疲れたわ。戦ったとしても目先の勝利に終わりそうだし」
「ミユリさんのモンスターママとの休戦を仲介しろと逝うのか?」
「この状況では、ソレが最善の策だと思えて来たの」
「おいおい。ずいぶんと厚かましいな。腹を割ったついでに教えてくれ。大体からして、なぜモンスターママを殺そうとしたんだ?」
「全てビジネスょ」
「違うだろ?あの暗殺未遂は、詳細に調べたが東シナ海ガス田の利権交渉や他の謀略と違って目的が見えナイ。モンスターママを殺しても、アンタには何の得もなかったハズだ。結局、未遂に終わって虎の尾を思い切り踏んだだけだ」
「私に協力する気は無いの?」
「僕が人殺しを見逃す男だとしても、あのモンスターママは止めようがない。彼女は、あくまでアンタの死を望んでいる」
「望みはそれぞれあるわ」
「先に1線を超えたのは貴女だ。殲滅戦に和解はナイ。どちらかが投獄されるか、死ぬまで続く。僕にも、誰にも、止められない」
「…テリィたんの考えを聞きたかっただけょ。わかったわ。和解はナシね」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
僕が、教授相手に"講義"してた頃、ミユリさんは万世橋で新橋鮫と頭をヒネっている。
「新橋鮫さん、何コレ?」
「うん。外神田2丁目で警備員の失踪事件だ。2日前に元妻から申し立てがあり、週末に息子を迎えに来るハズが連絡が取れないって話だ」
「職場は…D3ホームセンター?あのサンドイッチ店の近くね?」
「300m先だ。ソレで気になった。会社側は警備員が夜勤を抜け出してサボったんだろうと思ってたが、敷地を調べたら倉庫に押し入られた形跡があった」
「現場写真に写ってる血痕は…恐らくハンヨと警備員の血ですね。警備員は、農薬を盗もうとしたハンヨと鉢合わせし、恐らく殺された。農薬が1袋消えてる。クロチアニジンは、農薬だけど爆弾には好材料です。方法さえ知っていれば、反応促進剤を抽出出来ます」
「よし。ハンヨを検事に紹介するとしよう。我が国で犯した罪の証拠が出てきたからな。おい!ハンヨを留置所から出せ!」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
ハンヨが制服警官に挟まれ、手錠&足枷姿で万世橋の廊下を移送されて逝く。ところが…
「すみません」
「重要参考人を移送中だ。君は誰だ?」
「交通課のペネベ巡査です」
ひょろ長い制服警官が立ち塞がる。
「何の用だ?」
「ハンヨですょね?」
「そうだが…」
その時ペネベはハンヨに目配せをしたらしい。
しかし、ソレが如何なる理由だったかは不明。
イキナリ…銃声!
会議室で検事と打合せ中だった新橋鮫が傍らにいるミユリさんを押し倒して覆い被さる。
「伏せろ!」
廊下の先から制服警官の声が応える。
「発砲あり!犯人被弾!」
「誰だ?」
「交通課ペネベ巡査。ハンヨを撃ってから…自殺しました!」
第4章 使い捨てのPSYCHO-PASS
新橋鮫が吠える。
「殺人が起きたんだ。署内でな。証人が殺され、署員は不審がっている。何だって銃撃が起きたンだとね。交通課の連中を集めろ。今すぐ事情聴取だ!」
「しかし、刑事!交通課の話じゃペネベ巡査は有望な奴で、悪い噂は皆無です」
「しかし、現に自分の頭を打ち抜いてる。遺書の類は残してナイか?」
「母親にメールを送ってました。でも"ごめんなさい"の一言だけです」
「…やっぱり」
「何だ、ミユリ?」
「ペネベ巡査は"テミス"を受験しており、PSYCHO-PASSと判定されてます」
「"テミス"?あ、あの"残虐性数値化テスト"のコトか?」
「今までPSYCHO-PASS判定が出た6人中1人は死に1人は拘束。万世橋のサイバー班が、残り4人をIPアドレスから特定中です」
「1人発覚です!ペネベ巡査は、母親にメールしたPCで"テミス"を受験してました!」
「継母を陥れる謀略だわ。オフィスを爆破し部下のクルスも"テミス"で見つけたPSYCHO-PASSに殺させてる…」
「しかし、クルス殺しは金目的でも、ペネベ巡査は勤務2年で苦情も懲戒処分もナイ。金をもらって自殺するほどイカれたPSYCHO-PASSだったのか?」
「確かに、お金や衝動ゆえの自殺とは思えませんね」
「脅迫されたのか?」
「彼は、PSYCHO-PASSです。きっと、何か不味い秘密を暴かれて、脅されていたのでしょう」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
銃撃事件の話を聞き駆け付けた僕は、署から出て来たミユリさんと会う。
お互いの無事を確認し、夕陽に背を押されるようにして明神通りを下る。
「今夜は、御屋敷は早目に閉めて、少しでも寝ておこう。明日から正念場になりそうだ。ヴクナの正体は、未だ万世橋には話せない。僕達が迂闊に口を開けば、アキバのヲタク仲間がPSYCHO-PASSの標的にされかねない」
「私は一言もしゃべりません」
「鮫の旦那に嘘をつくのが嫌だなぁ。あともう1人にも話すべきか、未だ迷ってる」
「私の継母ですね?しかし、継母がヴクナを消したとしても、ソレで解決はしませんょね?組織は残るワケですから」
「だが、ヴクナに匹敵する後継者はいないだろう。マタハにしたって、ヴクナ以上の後継者がいたら、そっちを選んだハズだ…あ、あれ?」
「どうしました?」
「あー。万世橋に忘れ物したょ。戻っても良いかな。付き合ってょ」
そのまま、答も聞かず、ミユリさんを路地に引っ張り込む…ん?ミユリさんはキス顔だw
「ご、ご、ごめん!また今度…で、突然驚かして悪かったけど、監視されてる気がしたンだょ」
「尾行されてますか?」
「いや。路駐のSUVに明かりがついてた。被害妄想で悪いけど、御屋敷へは、1Fのパスタ屋の裏口から入れてもらおう」
パスタ屋キッチンは気の良いインド人で楽しいイタズラを目撃したノリで通してくれる。ジェスチャーで感謝しつつ、そのまま"いつもの外階段"は使わないでEVに駆け込む。
「で、どーします?この後はペネベ巡査を調べますか?ハンヨを洗いますか?それとも…私の継母に電話をしますか?」
ミユリさんが、そう逝いながら鍵を開けて、御屋敷に足を踏み入れたら…
酸素水用のポリタンクが床に置かれ、起爆装置のランプが神経質に明滅w
御屋敷に爆弾が仕掛けられている!
おしまい(or つづく)
今回は海外ドラマでよくモチーフになる"悪の謎組織"をネタに、謎組織を継ぐ教授、彼に操られるPSYCHO-PASS達、どうやら謎組織と戦争中らしいメイド長の継母、コンビを信頼し共に謎組織を追う敏腕刑事などが登場しました。
海外ドラマで見かけるNYの都市風景を、コロナパンデミック下の秋葉原に投影し展開する本シリーズも次作で千秋楽です。
秋葉原を訪れる全ての人類が幸せになりますように。




