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第二話

壁は四面すべて石作り、部屋の中には何もない(窓すらも)、゛体技室言霊詠唱専門教室━━━つまり言霊を操作するための教室゛とはそんな部屋でありそこには、二人の生徒がいた。

 そのうちの一人、チーフの眼差しは鋭く、しかし焦点は若干ぶれており、少し緊張しているようだった。


 彼女は詠唱を始めた。


「ささやかなる炎よ、囁きを聞かせよ」


 そんな言葉と共に薄暗かった体技室を照らし出す一つの光明が何もなかった室内に゛表現゛された。


「そうそう、そんな感じ、あとは゛表現゛された光明を維持するために、現出した言語式の波動を正確に読み取って言語式を正確に組み立て続ければいいよ」


 そう彼女にアドバイスを与えたのは大将であった。大将は見本だと言い詠唱を開始した。


「祝福されし大気、それは照らす」


 彼女の光明より安定した光明が゛表現゛された。彼は続ける。


「分かってると思うけど言霊操作とは、言語によって引き起こされる事象を言語式に則って世界に表現する方法だ、だけど表現された現象はその時点で現実のアクションとなる、それをコントロールするために゛表現゛するときに発生した言語式の余剰エネルギーを使う。つまりだ、表現するときいかに言語式をシンプルに作成し、余剰エネルギーを生み出すかで、言語操作で得られる言語力、持続時間、適応範囲の強度が変わってくる。チーフ、君の言語構成は無駄が少し多いから安定しない、まあ光明なんて二、三日練習すればできるよ。」


「うーん、話長いよー、大将は何でそんなに言霊操作の時だけはまじめ君なのよー、もっと分かりやすくお願い!」


 口を尖らせ、懇願する。


「仕方ないなつまり、言霊操作は言葉で世界に直接語りかけることだ、その方法として言語式を使う、それは古文のようなものなんだ。そして、語りかけることで世界に変化を起こす。ここまではオッケー?」


「あたりまえじゃない、馬鹿にしてるの?それとも大将は馬鹿なの?」


「くっ、お前は・・・まあいいや、一人一人言語式を識別できる限界数は決まってる大抵の人は6位でよほど訓練を積んだ人でも20位が限界だ、だから一つ一つの言語式の無駄をどれだけ無くして多くの力を得られるかって言うのは結構重要な事なんだ。そんでチーフの詠唱には言語式の無駄が多い。分かった?」


「へぇーわかった分かった、やっぱ大将は説明がうまいねっ」


「補足に今までで最も多くの言語式を認識する事ができたのは『ブルーギルド』らしいよ」


「『ブルーギルド』ってあの!?三十万人大虐殺の『ブルーギルド』!?」


 彼女ほそこで大げさすぎるほどのけ反って驚いたしぐさを見せた。


「三十万人大虐殺を行ったのも彼だが魔獣を封印したのも実質的には彼だ。」


 魔獣それは11年前突如として現れた災禍、人類の半分を死滅させ、同時に平和という安定をもたらした存在。

 そしてブルーギルドは16年前に起こった『振起』によって『名』に力を持ったひとり。


「まっ、そんな事はどうでもいいわ!問題はわかったし、もう帰りましょ?あッ序でになんか食べて帰りましょうよ。」


 話が面倒くさい方へそれると危惧したようで、彼女は明るく話題を変えた。


「そうだな、昼飯は確かにおいしかったが、いかんせん、量が少なかった。どこに行くんだ?」


「ファーストフード店に行きましょうよ。」


「勘弁してくれ、ああいう店の食いもんは腐りきってる、喫茶店に行こうぜ。」


「じゃあ喫茶店にしましょう。」

 

 そんな話をしながら二人とも揃って教室の出口へ向う

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