プロローグ
「夢ってどうしたらかなえられるんだろうなぁ?」
「わからないね、昔から夢を待たない人なんだよ」
「そうかい、俺は昔追いかけていた夢から逃げられたことがあるぜ」
「その発言にはしばし語弊ががあるね、正しくは夢から自分が逃げたんじゃないのか?」
「くははは、そりゃ手厳しい、諦めなかったら夢はかなったってかぁ?」
「そんな夢見る乙女見たいなことなんて言わないさ、確定された過去と未確定な過去には大きな違いがあるだろ」
「ハハハ、そりゃ未来にはまだ希望があるなんてヒヨったことがいいたいのかぁ?」
「まさか未来と今は全く別世界だってことだよ、だから君の情けない過去なんてこれっぽちも聞きたくないってことだよ」
これは自分とあいつの一断片
散りばめられた絶対的な過去にして共有された別世界の物語。
元には戻らないし進みもしない。
世界に対して平行線な僕とあいつ、それは世界に対して生じたありえないバグであり、真実を知るためのわくちんでもあった。
あいつは、何もかもが偽物のこの世界に紛れ込んだ一つの可能性、特別であり、厄介な不確定要素でもあった。
そして自分に要りもしない可能性をちらつかせた。
「ハッ○○だ」
とあいつは言い
「××だね」
自分はそう言った
この物語は俺とあいつの平行線の物語、
言葉の世界で起こった言葉使いと力学使いのおとぎ話。