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1,猫耳勇者ユウ(女)・召喚

そこはまるで何もない空間だった。

そこに優はあ然として立っていた。

「なんだ・・・?ここ・・・・。」


「おはこんばんちわ~。」

突然やたら元気な女の声で呼びかけられたのである。

振り返るとそこに少女が立っていた。


「・・・・・キミは?」

「イファルテア世界管轄の神です。」

「は?」

「私の管理する世界はちょっと危機がありまして、勇者召喚の儀が発動されました。

そこであなたに白羽の矢が立ったのです。」

「勇者召喚の儀って・・・・ラノベとかのネタ?」

「はい。」

異世界召喚ネタが流行ってるのは知っていた。

それに関して前から突っ込みたい件もある。

「前から思ったんだけど、異世界人任せって無責任過ぎないか?」

危機なら自分らだけで解決しろよと。

「それにも実は理由があるのです。それらの問題は高度化すぎてその世界の人間には解決出来ません。」

「・・・・・3次元人がより高次元の事象を認識出来ないようなもの?」

「あなたはなかなか理解が早いですね♪さすが勇者♪」

神を自称する存在Z(仮)はそういった。

「存在Zとは失礼ですね。元ネタが分かりますから止めてください。」

彼女はちらっと優が心の片隅で思ったことに突っ込んできた。

なんか相当イヤなようだ。そういう顔をしていた。

「あんな無能・無責任・好戦的な混沌神と一緒にしないで。」

神はコホンと咳払いをすると。

「地球とその世界はどちらが上とか言う区別はありません。科学技術や文明度で言えば、間違いなく地球が上ですが。」

「・・・もしかして地球の問題は地球人には解決出来ない・・・・・。異世界人には解決出来ると?」

「正解です。それからラノベでの異世界召喚も実際にあったことなのですよ。

召喚された本人の記憶の残滓で書かれてるのです。だから存在Z(あのクソ爺)も存在します。」

笑顔のなかにもどす黒い何かがある印象を受けた。

何か存在Zとの間に確執があるらしい。

「あなたには世話になりますので特典を付けます。」

そういいながらまだ付けていた猫耳をとって2人の間の空間に浮かせる。

その猫耳は光り始めやがて普通の状態に戻った。

「どうぞ。付けてください。」

言われたままにその猫耳を付けると、不可思議なことにヘッドマウントディスプレイのように視界にいろいろな表示がされてきた。

「なんだ?これ?」

「特典『グローバルアイ』です。利用の仕方はヘルプがありますので学習してください。」

「ほうほう。」

「他の特典もヘルプにありますから確認してください。」

その表示は意識に合わせて表示していくらしい。

便利なものである。

見ると『圧縮学習』という項目がある。

「圧縮学習とは?」

「むりやり頭に入れます。時間短縮にはなりますが。ここでしていっても良いですよ。」

圧縮学習の項目をタップすると膨大な知識が流れ込んできた。

「うおっ!?」

「まあ、ちょっと具合が悪くなりますけどね。」

「ちょ・・・それを早く・・・・。」

流石の優もすさまじい具合の悪さにへたり込んだ。

「・・・・ちなみに気分が悪い最大の理由は性転換ですからね。」

さらっととんでもないことを聞いた気がした。

「なに・・・・?」

「それでは良い異世界勇者派遣をお楽しみください。チャオソレッラ(ごきげんようお姉様)!」

その神は消えて行った。

「ま・・・待て!」

その時、視界が変わった。


エレフィルス帝国はその世界では結構長い1000年以上の歴史をもつ大国である。

大陸の西南部に位置し、広大な制海権を持つ海洋国家である。

豊富な水産資源を持ち、海洋航路を古くから支配し、潤沢な豊かさをその国に与えていた。

結果、周辺諸国との戦争も制し、いわゆる膨脹主義を以て敗戦国を併呑、属国化することによって支配地を拡大してきた歴史を持つのである。

・・・・100年ほど前、その情勢は大きく変わった。

人族に虐待されてきた獣人族、長耳族が魔族と同盟をむすんだ。

ここに人族と魔族、獣人族、長耳族による100年戦争が勃発したのだった。

この劣勢を挽回するため、帝国をはじめとする人族連合国軍は勇者召喚の儀を実行したのである。


帝都の神殿で勇者召喚の儀が成されていた。

魔法陣の中に現れたのは獣の耳を持っていた。

「なぜこの神聖な儀に獣人が!?」

「殺せ!」

一騎当千な騎士が剣を抜いてその少女のような獣人に斬りかかるが、どこからともなく取り出した日本刀でその剣撃を受け止めていた。


「まるで4次元ポケットだな。・・・・・何をする。」


彼女はそう言いながら殺気をまとわせ剣呑な視線をその騎士に向けていた。

「殺そうとしたんだ。殺される覚悟はあるんだろうな?」

そう言いながら一瞬で騎士との間合いに飛び込み、日本刀の柄を騎士のクビにぶち当てる。

あまりの早さに反応できず騎士は気を失った。

「くっころ・・!」と言ったところでその太った神官はぶん殴られ護衛の平士を巻き込みながら壁まで突っ込んでいった。

「・・・・ふむ。」猫耳の少女は剣を持ったまま猫耳機能を作動させた。

防御はフルオート。魔法は全属性フルパワーである。

視界の横にこの国のことについて表示されている。

「おのれ!」騎士たちが大勢で襲いかかってきたがシールドによって阻まれる。

「エレフィルス帝国・・・・・、まるでどこかの中華思想のような国だな。・・・それにしても、モフモフを大虐殺するとは許しがたいな。」

優は柴犬を飼っている。

だからモフモフは正義なのである。


勇者召喚の儀に参加していた王族をはじめ神官や貴族は真っ青になっていた。

無防備状態で虚空を見ているにも関わらず、あらゆる攻撃がこの獣人女には届かないのだ。

「お・・・お前はいったいなんなのだ。」

王族らしい男が怯えた声で聞いてきた。

猫耳機能によりこの男のデータが表示される。

「タカナシユウ。この世界の神によって召喚された勇者だよ。ベレティス・ヘルテ・エレフィルス殿下?」

猫耳女は正確に王子のフルネームを言い当てた。

「な、なんだと・・・?」

「地球も他所様のことを言えるようなレベルじゃないが、少なくともお前の国には加勢したくないな。皇太子殿下。」

そう言いながら右手を天井に向けた。

途端に天井が吹き飛ばされる。

「ああ神殿が!!」

「面白い物を見せてやる。」

ユウはさくっと回りの壁を破壊し、360度パノラマにする。

そして海上の島に右手を向けた。

『島での生体反応は確認出来ません。オールグリーン』と猫耳は表示している。

イメージはビッグバ●アタックである。

右手から光の弾丸が発射されその島に着弾すると大爆発を起こした。

「な!!」

まるで核爆発が起こったようにキノコ雲が湧き上がった。


勇者を召喚したつもりが国家さえ滅ぼしかねない天災級の獣人女だったのだ。

本当は猫耳付けてるだけの人族なのだがそれに気がつけなかったのだが。

帝国の重鎮たちは意気消沈していた。

あの野蛮な獣人の要求は滅ぼされたくなければ、全ての種族の奴隷を解放せよというものだった。

とても受け入れられる物ではなかった。

良くも悪くも経済に組み込まれていたのだ。

「殺すしかないですな。」

「どうやってだ?」王子がいらだちを隠せず怒鳴った。

「もう一度勇者召喚の儀を行うのです。召喚の儀を使って勇者、聖女を召喚し、あの悪魔ユウにぶつけます。」

「確かに我が騎士には被害が及ばないが・・・・。よかろう。やってみせよ。」

「は。」

その判断は結果的に彼らの国を滅ぼすことになるのだった。

その悪魔と新しく召喚した勇者と聖女によって。

彼らは想像も付かなかったのだ。

その3人が武人であり宿敵ともであることを。

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