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Lords od destrunction  作者: 珠玉の一品
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円卓



 ここはカミュの居城、イクアノクシャルの一角にある円卓の間。

 席は全部で九つ。ナインスシンフォニーと呼ぶ会議で使用されるこの部屋は、最奥の席を中央に時計回りで四席、反時計回りに四席の計九席が円卓を囲んでいる。

 中央の席にはパリニルヴァーナが、そして時計回りに地獄道、修羅道、畜生道と続き、反時計回りに竜人道、餓鬼道、外道が続く。

 

 時計回りの三番目、畜生道の席に座るのはトリコロールの華麗なドレスに身を包むベンヌ・オシリス。傍らには赤いドレスで両肩を露出させたシピュレが控える。


 反時計回りの三番目、外道の席に座るのは、黒を基調としたゴシックロリータの衣装にスレンダーなその身を包み、首元の大きなリボンで可愛らしさを強調する少女、身長は百五十五cm、見た目年齢が十六歳のサリアだ。

 ベンヌと同じロードマスターである彼女は、ピンクの髪をロングに伸ばし、涼し気な目を深紅に染めている。

 そして彼女もベンヌと同様、将来多くの男性を魅了して止まないであろう愛らしい顔をしている。だがベンヌと決定的に違うのは彼女には成長という名の希望が無いことだ。

 その傍らに立つのは、帯以外が紫に透けるシースルーの和服が艶めかしい、黒髪をレイアーヘアーに纏めた女性。瞳を青、金の二十輪郭に光らせた身長百五十cmの、見た目年齢が二十歳のカルラだ。


 円卓には紅茶が二つ。カップからは湯気とともに香しい気品が漂っている。


「アスラが此処に向かっているそうなのよ」


 金の縁取りが華やかな白いカップを置き、ベンヌがおもむろに語り掛ける。

 続けて、その正面に座るサリアがカップを取り、香りを楽しみながら喉を潤した。


「何処からの情報なのじゃ?」


「カミュ様のお側に控えるラウフェイからなのよ」


「かみゅさま……?」


 カップを置いたサリアが訝し気に尋ねる。


「あ、そうかしら? お前は知らないのよ」


 口元を魔鉱の扇子で隠すベンヌが、悪戯を思いついた子供のような目でサリアを見下す。


「カミュ様を知らないとは、お前も不敬者なのよ」


 ラゴとの遣り取りを思い出したベンヌ。勝ち誇った顔で訴えを視線に乗せる。

 だがサリアの顔には焦りがない。涼し気な深紅の瞳でベンヌを見据えながら静かに問い返した。


「お前”も”? まるでこの城に不敬者が居たような物言いなのじゃ」


「……」


 内角を的確に抉るサリアの指摘に口を噤むベンヌ。そこで黙ると不敬者が誰か直ぐにバレるのだが、気付けていても躱しきれないカウンターもあるのだ。


「ルシファー様がお名前を変えられた。それいくらい知らないでどうするのじゃ?」


「な、何故知っているのよ!? 誰に聞いたのかしら!?」


 誰に聞いたと言われれば「目の前に居る阿呆」としか答えようのないサリアが、その美しい顔に失笑を浮かべる。

 不敬者とは誰かに仕える立場の者であり、それがサリアを指しているのであれば当然仕えるお方は一人しか居ない。

 自然に帰結するはずなのだが目の前の幼女は気付けていない。傍らに立つシピュレの盛大な落胆ぶりは知らせない方が良いだろう。せめてもの情けだ。


「まぁいい。ところでアスラは何しに帰ってくるのじゃ? カミュ様もお連れせずに……」


 サリアにとってアスラの帰還など正直どうでも良いこと。重要なのは主君の無事と、主君の帰還が何時になるか。欲を言えばハチミツのように甘くてしっとりとした優しさを、物理的に満遍なく主君よりこの身へ注いで頂ければ言うことはないのだが。

 だから主君を置いて単身で帰還するアスラへの、不信感を拭えないのも仕方ないことだった。


「カミュ様のご意向を伝えるためかしら。よくは知らないのよ」


「ご意向……? 何かご命令が?」


「さあ? わらわにわかるわけないかしら」


 思考を放棄したベンヌが、再びカップを口元に戻す。世に言うところの投げっぱなしジャーマンだ。


「貴様に期待した我が阿呆じゃった……」


「おや? 今頃気付いたかしら? お前の阿呆は生まれつきなのよ」


「あ゛ぁ!?」


 脱力感満載のサリアだったが、その心外な一言で眼前の阿呆を睨む。だが緊張感の抜けたベンヌには通じない。幼女は涼しい顔でソーサーにカップを戻す。


「何を大声出しているかしら? これだから阿呆は困り者なのよ」


「……もういい。貴様のような毛も生え揃わぬガキ、話すだけで頭が痛くなるのじゃ」


「は? そんなものレストエスだって生えていないかしら」


 サリアの嫌味がベンヌの心に突き刺さらない。ワザとなのか天然なのかは一目瞭然だが、どうにかして凹ませてやりたいと思うのが乙女心だ。


「まったく……頭も胸も足らぬお子様が、口だけは達者なのじゃ」


「はぁ!? 胸が足らぬのはお前もなのよ!」


「ふふん! どう見ても我の方が大きいのじゃ!」


 目糞鼻糞とは正にこのこと。貧乳にすら届かぬ平胸と僅かに膨らんだ胸では、おっぱい星人から見て大差ないどころか興味がないレベルである。

 だが彼女達にとってはプライド的な死活問題なのだ。下らないプライドを守るため、二人は立ち上がって下らない口論を続ける。


「死にぞこないはこれ以上成長しないかしら? わらわはまだ成長中なのよ!」


「フンッ! 成長するのに何千年かかるのじゃ? それに成長して大きくなる保証が何処にある!? カミュ様に待って貰えれば良いがの!!」


 肉体的に成長が止まったサリアを、精神的に成長の止まったベンヌが指摘すると、成長に時間の掛かるベンヌを、生命の輪廻から外れたサリアが彼女の将来性について遺伝子に準拠した正論で返す。

 可哀そうなのは傍らに控えるシピュレとカルラ。彼女達は視線に想いを乗せる。下らない、頼むからもう止めて欲しい……と。だがエキサイトした二人では気付くことなど出来るはずもない。


「カミュ様が乳好きとは限らないかしら! 幼年好きならわらわが一番なのよ!」


「はぁ……何の冗談じゃ? 貴様を好きになるような危篤な物好きなど、バディス以外に居ないのじゃ!」


 カミュではなく、バディスのドストライクに御座すベンヌが妄想を語りだした。だが妄想するだけなら個人の自由である。

 それに続くサリアの的確過ぎる指摘。バディスが精神的に危篤な状態であることは、もう誰にも否定が出来ないだろう。


「バディスなど死んでも要らないかしら! お前こそカメオウとイチャイチャしてるのがお似合いなのよ!」


「あ゛ぁ!? 何故カメオウなのじゃ!? 寝言は寝てから言うのじゃ!!」


 ベンヌの形振り構わぬカウンターが猫パンチの如く炸裂する。だが意外にも見た目年齢が十六歳と十四歳で、結構お似合いだったりすることは気付けていない。


(けい)等は何を大声で叫んでいるのだ? 少々煩いぞ?」


「ア、アスタロト様!」


 二人の下らない言い合いに割って入った物好きを確認して、シピュレが声を荒げながら深く一礼する。

 カルラは無言で目を見開き、シピュレに続いて慌てて一礼した。


 現れた女性はアスタロト。無駄な装飾が一切ない簡素で奇麗な頭を帽子で隠し、赤い瞳に六芒星が刻まれた優し気な目で二人を見守っている。色白のシミ一つないその面影は三十前後の理想のお姉さんを彷彿させ、鮮やかに浮かぶ唇は白い肌とは対照的に血で塗らしたような艶やかさだ。彼女こそパーラミターの地獄道を纏めるロードマスター、全身黒ずくめのローブに身を纏う漆黒の美女。

 身長百七十cmの魅力的な体を包む黒のローブは肩当てと前垂れに覆われ、肩口から前垂れにかけた前面と袖口、そしてローブの裾には金の刺繍が華麗に施されている。見た目年齢の近さもあり心身ともにカミュの好みに一番近い彼女ではあるが、惜しむらくは髪の毛が一本も無いこと。そんなリーチ&流局のような残酷な現実を、彼女は知る由もなかった。


「アスタロト! 煩いのはこの阿呆だけかしら!」


「あ゛!? 阿呆はお前なのじゃ! アスタロトからも言ってやれ!」


「二人とも先ずは座るが良い。シピュレ、彼女らに紅茶のお替りと、拙にも紅茶をくれないか?」


「承知しました」


 アスタロトに促され、渋々と席に着く二人。下らない茶番劇の最前列からの離脱を喜ぶシピュレが、笑みを湛えた一礼とともに足早に部屋を出ていく。

 そんなシピュレを横目に、アスタロトは自分の席に、中央から時計回りの一番目の席に座る。


「ベンヌ様、サリア様、お久しぶりです」


 アスタロトに付き従う女性が二人に一礼した。

 彼女は五人とは少々異なる外観をしている。紫に輝く瞳は愛らしい顔を引き立たせ、見た目年齢十八歳が瑞々しさを奏でる。だがウェーブロングの黒髪から覗くのは山羊の角そのものであり、背中から生えているのは蝙蝠らしき一対の羽。更には下半身、可愛いお尻から生えているのは悪魔が持つような尻尾。カミュの持つ知識で例えるなら、彼女は小悪魔(インプ)そのものであった。

 レースの黒いローブに身長百六十cmを包み込み、前合わせの部分を下まで大きく開けた彼女の名はネビロス。その下には光沢のある黒のハイレグを着用し、足元は腿まで達する黒いロングブーツをあしらうネクロマンサーだ。


「お前も健勝そうで何より」


「貴様もアスタロトにこき使われて大変なのじゃ」


 二人の日常的な挨拶に、ネビロスは無言の一礼で答える。

 そのまま無言を貫くネビロス。だが彼女は決して機嫌を悪くしたのではない。アスタロトの部下は揃いも揃って皆が無口なのだ。

 ロードマスター達から見ても、どうやって意思疎通しているのかわからないほどに。


「こき使っていたことは否定が出来ぬな」


 二人の暴言に苦笑で答えるアスタロト。まあこんな挨拶は日常茶飯事、いちいち咎めていてはストレスの原因になりかねない。


「ところでアスタロト、暫く見かけなかったのよ。何をしてたかしら?」


「ん? あぁ、少々バアル・ゼブルを手伝っていたのだ。つい先日やっと終わったわ」


「バアル・ゼブルを? 何をやっておったのじゃ?」


「さぁ……な。拙にもよくわからんのだ。ル……いや、カミュ様のお考えなのだが、拙では理解が及ばぬわ」


 アスタロトの表情に苦笑が浮かぶ。先ほど二人に向けた苦笑とは、まったく違う種類の深い笑みが。


「それはそうなのよ。わらわ達にわかったら、苦労はないかしら」


「いや、貴様がわからぬだけなのじゃ。我を一緒にするでない」


「はぁ? じゃあ答えてみれば良いかしら?」


 自分よりも遥か高みにある主君の考えなどサリアにわかる筈もない。言葉に詰まったサリアが更に厳しくベンヌを睨んだ。


「二人とも止すのだ。丁度シピュレが戻って来たわ」


 幼年二人を窘めるアスタロト。ポジションが完全にお母さん……いや、保母さんである。

 アスタロト、サリア、ベンヌの順にお茶を配ったシピュレが、既に空になっていた二人のカップをトレーに置き、また奥へと戻っていった。

 淹れたての紅茶が三人の前で香しい湯気を立てる。この香りを楽しむと少しだけ心が晴れた気がするのは、三人だけの気のせいではないだろう。


「ところで先ほどは何を言い争っていたのだ? 拙が聞いてやるわ」


「ん? そういえば何だったのじゃ?」


「……あ、カミュ様の好みなのよ!」


 あぁ!とサリアの顔に電気が灯る。「カミュ様の好み……?」と溢すアスタロトを他所に、二人が終わりも可能性もない議論に花を咲かせる。


「だから、カミュ様の好みが貧乳の可能性を捨てきれなと言っているかしら」


「まぁそれも一理あるのじゃ。二理はないがな!」


「そうなのよ! 二理はないけど、一理はあるかしら!」


「うむ。であればカミュ様にお会いした時にでも確かめるべきなのじゃ!」


「……いや、それはないわ」


 二人の下らない議論に耳を傾けていたアスタロトが、常識的な鋭いツッコミを入れる。

 目を見開いてアスタロトを凝視する二人が、その明確な否定に子犬の様に噛みつく。


「な、何を言うのよアスタロト! じゃあ、誰がカミュ様の好みかしら!?」


 紅茶を一口含み、ソーサーへカップを戻すアスタロト。


「普通に考えて、アスラかレストエスじゃないか?」


「アスタロトも容姿は良い方なのじゃ。何故自分ではないと思うのじゃ?」


「拙がか!? 流石にそれはないわ……」


 完全に悪辣な事故に巻き込まれたアスタロトだが、悲しいかな彼女も女性である。気付かぬうちに阿呆二人の恋愛トークに引きずられていた。


「何故そう思うかしら? 乳と顔以外は、アスラやレストエスに勝っているはずなのよ……あ、毛も」


「……毛の話はいい。だが女性的な魅力であれば、二人に遠く及ばぬと拙は思うぞ?」


 紅茶を一口啜ったサリアが、ソーサーへカップを戻す。


「貴様はカミュ様のご寵愛をいらぬと言うのか? アスタロトは不敬なのじゃ!」


「い、いや! そんなことは言っておらんぞ!? 拙如きがカミュ様からご寵愛を頂くなど……畏れ多いわ」


 サリアの危険な邪推を即座に否定したアスタロトが、否定が肯定になることをはたと気付いて頬を染める。


「ならアスタロトも立候補してみれば良いかしら?」


「そうしたいのは山々なのだが、袖にされたら……立ち直れぬ」


「何を腑抜けたことをぬかしているのじゃ? 貴様もロードマスターであろう?」


「そうは言っても……拙では勇気を振り絞れぬわ」


「アスタロトが頑張らなかったせいで、ゴリラとビッチが見初められたらどうするかしら? あの二人が幸せになるなんて癪なのよ」


 紅茶を一口ズズったベンヌが、ソーサーへカップを戻しながら毒を吐く。


「だが拙など……烏滸がましいにも程があろう。それに……」


「面倒臭いほど頑ななのじゃ。もうアスタロトが見初められて、慌てふためく姿が見たいのじゃ!」


「そうなのよ! みっともなくアタフタする滑稽な姿が見たいかしら?」


 アスタロトの煮え切らない態度に二人が怒りを露わにする。これほど愛して止まない主君の寵愛を、目の前の純情ハゲが欲しているようにまったく見えないのだ。

 だがアスタロトだけは冷静に見据える。幼女と少女の話の趣旨が、思いっきり捻じ曲がっていることを。


「……いや、それは(けい)らの願望が変わってないか?」


「「!?」」


「カミュ様のご寵愛を欲しているのは(けい)らであろう? それでは(けい)らがご寵愛を頂けぬぞ?」


「「ぐぬぬ……」」




 幼年コンビの呻きを他所に、アスタロトが一息つく。

 自分はどうしても主君にお会いして聞かなければならない。主君は以前のままなのか、それともあの調査結果で何か変わられたのか。

 だが未だにバアル・ゼブルは帰ってこない。彼が戻ればおおよその事情を聞けるのだが、調査内容は極秘であり彼以外に相談できる相手が居ないのだ。


 艶やかな唇から溜息を一つついたその時、アスタロトの赤い瞳に入口で待つ壮年の男性が映り込んだ。


「ケレスではないか。如何したのだ?」


「ご歓談中に申し訳ございません、アスタロト様」


 見た目は四十歳くらいだろう。黒の詰襟に白い手袋をはめた白髪の男性が、黒い瞳の鷹の目でアスタロトに一礼する。


「実は使用人が食む食糧の在庫なのですが、現在心許ない量となっております。早めの補充を頂ければと思いまして、お願いに上がりました」


「そうか、それは心配を掛けたな。すまぬ」


「い、いえ! 滅相もございません!」


 必死に取り繕うケレスを横目にアスタロトは費やした日数を振り返る。昼夜を問わず暗い城内で調査に明け暮れていたのだ。時間の感覚が麻痺するのも仕方のないこと、アスタロトはそう自分に言い訳する。

 そんなアスタロトの横でまだ身を竦ませるケレス。だが誰も彼を責めることは出来ない。彼らは城内の日常を支えるためだけに作られた者達であり、戦闘力がないどころか狩りすらも満足に出来ないのだ。

 そんな彼らの食糧に気を配れなかった自分を窘めつつも、主君の命が如何に困難なものであったかを思い出し、アスタロトは悲哀の目をケレスと自分に向けた。


「サリア。すまぬがネビロスと一緒に食糧を集めて来てくれぬか?」


「わかったのじゃ。それで、何を狩ってくれば良いのじゃ?」


「乙級(百メートル)のドラゴンを十匹程度で良いわ」


「それだけ?」


 サリアがアスタロトの一言に小首を傾げる。たったそれだけでは、狩りというより散歩に近いのだ。


「あぁ、それだけで構わぬ。それでベンヌ、(けい)のところでクラーケンか巨大魚でも獲ってくれぬか?」


「構わないかしら。後でラミアとミズガルズに言っておくのよ」


「あぁ、助かるわ」


 本当はイリアと彼の配下の仕事なのだが、訳あって今居る場所から離れることが出来ない。

 アスタロトがサリアとベンヌに微笑みかけるが、二人は照れたようにそっぽを向く。

 そんなところも可愛らしいとアスタロトが微笑みを二割増した後、此処に来た目的を伝えた。


「ベンヌ、後で私の部屋へ来てくれるか? エーリューズニルも一緒にだ」


「一緒に? まぁ構わないのよ」


「ではまた後ほど。拙はここで失礼するわ」


 アスタロトが振り向き、颯爽と部屋を後にする。幼年二人から見ても見惚れるほどの姿勢の良さだ。

 暫く入口を見つめるサリア。彼女が視線を戻しカップを手に取った瞬間、傍らに立つカルラがこの部屋に来て初めて口を開いた。


「サリア様、一つよろしいでしょうか?」


「ん? なんじゃ? 言ってみよ」


「はい、先ほどのアスタロト様への質問ですが……」


 サリアがはてと小首を傾げる。主君の好み以外、彼女への質問があっただろうか?


「聞くべきは、アスラ様の帰還理由ではなかったでしょうか?」




「「……あ」」


 そして、円卓の間に無味乾燥な静粛が訪れる。






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