3話〜合わない朝食〜
俺はまた夢の中で目を開けた
正直厭きてきた
しかしそこは荒れ果てた荒野ではなく
あたりが黒一色しかないあの暗闇の世界だった
俺はまた歩くのかと思って一歩踏み出した
すると足元にいきなり巨大な魔方陣のようなものが描かれていった
魔方陣は青白く光っており全て描き終わると
一匹の龍が魔方陣の中にいきなり現れた
今度は黒い龍ではなく青い龍だった
「汝は戦う意思があるか」
「???」
青い龍はいきなりそう言ってきた
「我が汝に力を与えよう」
「ん?力ならもうもらったけど?」
「戦う意思があるのなら我の名を呼べ・・・」
龍は無視して言った
「お〜い、聞いてますか〜?」
「その時に相応しい力を与えよう・・・」
「・・・・・」
俺はあきらめて黙っていた
「我の名は・・・アムラス!」
そう青い龍が言ったとたんいきなり龍が光りだした
俺は眩しさのあまり反射的に目を強く閉じた
恐る恐る目を開けた
そこは泊まっている宿の天井だった
どうやら現実で目を覚ましたらしい
いやここも現実と呼ぶのはどうかと思うが今は現実だと思うより他はない
俺はベットから起き上がって軽く背伸びをした
「ん〜・・・・」
窓から太陽の光が射し込んでいた
まだ眠たかったが顔を洗って眠気を落とした
クレスのベットの方を見てみると
そこにはクレスの姿はなかった
外に出てみると暖かな太陽の日差しと青い空が迎え入れてくれた
「やぁ、起きてたのか」
声のした方へ向くとクレスが袋を持ってこちらに来ていた
「おはよう、それは何?」
「ん、これか?これはヒーリングドロップと言っていわゆる回復薬だよ」
「回復薬?」
「あぁ前にも言った通り怪物は死んでもまた現れるんだ
しかしこちらはやられたらそれで終わりだろう?
そこで魔法師たちが集まって瞬時に傷を癒す薬を作ったんだ
これはその軽量版みたいな物で材料さえあれば誰でも作れる物なんだよ」
「へぇ〜」
そんなものがこの世にあるのかと思いながらも妙に納得していた
「さて、朝食でも取って出発しようか」
クレスはそう言い宿の中へと入っていった
俺も後を続いて宿へと戻った
出てきた朝食は何の魚か分からない魚の塩焼き
いろんな具が入ったスープ、グリーンサラダ、パンが1つだった
これ程までに合わないような朝食があるのだろうか
俺とクレスはそう思いつつも平気で食べ進めていった
昨日の夕食は野菜炒めと出汁のきいたスープ、ステーキだった
このステーキは怪物の肉なのだそうだ
そんなもの食べて大丈夫なのかと思ったが意外にうまかった
しかし今回は微妙な味だった
魚の方はあまり塩がきいておらず味が薄かった
スープは材料の個々の味はうまいのに沢山入っているせいであまりうまくなかった
パンとサラダだけがうまかった
「さてと・・・そろそろ出発するか」
俺とクレスは宿代を払って外へ出ていった
ここの宿代は一人400ルースだから二人で800ルースだった
手持ちの残金は残り2600ルースだった
「あぁそうだアキラの服も買わないとな」
「俺の?」
「あぁそうだ、次の場所まで結構かかるからなその間に怪物も襲ってくるだろう
そうなると服もボロボロになるかもしれないからね」
そう言ってクレスはこの村の服屋へと歩いていった
「いらっしゃ〜い」
「どんなものをお探しですか?」
地味なのしかないかと思ったがいろいろ揃っていた
「アキラの服だから自分で選んでくれ」
「ん〜・・・・これかな」
俺は生地が薄いが丈夫そうな赤と黒の色が入った服を選んだ
「それだと600ルースになります」
俺とクレスはお金を渡して服を持って店を出た
残り2000ルースになった
俺とクレスは身支度を済ませた
「さて次は町へ向かうぞ」
「その町の名前は?」
「放浪の町ケルマスだ」
次回は戦闘シーンなども書いていきます^^