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第4話

俺はダッシュで走ったおかげか

何とかぎりぎりで学校にたどり着いた

ちょうど予鈴のチャイムがなった


俺は走り疲れたせいか自分の椅子に座るなり

机に覆いかぶさるように崩れ落ちた


「ア〜キラ〜、今日はぎりぎりだったなぁ」

俺の友達の慎吾(しんご)が歩いて来てそう言った

この前ゲーセンに誘ってきたやつだ

「なんだぁ見てたのかぁ」

俺はしんどそうに言った

「あぁバッチリとな」

「窓からかぁ?」

「い〜や後ろからだ」

「後ろっておま・・・・って遅刻したのかよ」

俺は微笑しながら言った

「あぁおかげで反省文だ」

慎吾も微笑して言った

「うちの学校って遅刻したら反省文だっけ?」

「いや何せ俺は遅刻しまくりだからな反省文も書かされるさ」

「自業自得ってやつ?」

俺と慎吾は顔を見合わせてお互いに笑った


「ん?なんだそれ?」

「何が?」

「手に付いてる黒いやつだよ」

慎吾が俺の右手を指差して言った

「?」

俺は右手の袖を上げて右腕を見てみた

「へぇ〜それタトゥ?」

そこには(ひじ)の辺りから手首の所まで

黒い龍のような模様が浮かび上がっていた

「中学生がやって良いものなのかねぇ?」

慎吾は微笑しながら言った

「ばれなきゃいいんだよ」


俺はそう言ったがこの模様には見覚えが無い

ましてや俺がタトゥなどいれるはずも無い

しかし現にこの模様は俺の右手に描かれている

慎吾に言っても多分信じないだろう

突如として俺はあの夢を思い出した


暗闇の中を歩き続ける・・・・・

(いや、そこじゃない)

俺はそう心の中で言った

光が俺を包み込んでいく・・・・

(光・・・・そうだ光だ!

確か光が俺の中に・・・・・)

そう心の中で言っているとき

扉がガラガラと音を出して開いた

このクラスの担任が入ってきた


「はい、席に着きなさい」

俺はあわてて袖を下ろした

みんながあわてて自分の席へと戻っていった

「きりぃつ」

全員が一斉に立ち上がった

「れい!」

「おはようございます」

全員が声をそろえて言った

「はい、おはよう」

「着席」

全員が椅子に腰を下ろした


「え〜と明日は・・・・・」

先生が何か言っている中俺は夢のことを考えていた

(光・・・・光が俺の中に入ってきた・・・・

あれは何だったのだろうか・・・・・

このタトゥみたいな龍の模様と何か関係があるのだろうか・・・・)

俺は心の中でそう(つぶや)いた

そんなことを考えているうちにまた扉が音を出して開いていき

先生が教室から出て行った


学校が終わり俺はまたあの交差点で信号を待っていた

信号が青に変わり俺は歩き出した

すると道路の真ん中らへんでまたあの声が聞こえてきた


「やっと・・・けた」


俺はまた同じように後ろに振り向いた

しかし昨日と同じでそこには老人の姿は無かった

ただ俺と同じように帰る学生がいるだけだった

今度は信号が変わらないうちにわたった



俺は家の扉を開け中に入った

「ただいま〜」

「おう、おかえり」

「早速だけどよこの人がお前の料理食いたいんだとさ」

そこには一人の老人がカウンターに座っていた

「いいけど・・・なんで俺?」

「いやぁなかなか話の合う人でね

お前のことを話したらぜひ食いたいんだと」

老人がにっこりと笑って俺の方に向いた

(親父と息が合うなんてどういう人だ?)

「いいですよ、親父ほどうまくはありませんが」

俺も笑って言った


とりあえず俺は簡単に作れるつまみ何かを作ってあげた

老人はそれを黙々と食べていった

声にも出さず表情にも変化が無い

俺はまずかったのかと思い少し戸惑っていた

すると老人が俺の前で始めて声を出した

「うまいのぉ・・・・もっと欲しいくらいじゃわい」

(え?)

俺はこの声に聞き覚えがあるような気がした

しかし何故か思い出せない・・・・・・


老人が全部食べ終わり席を立った

「でわ・・・また来るかの・・・」

老人はお勘定を置いてゆっくりと店を出て行った

「ありがとございやしたぁ、また来てくだせぇ」

親父がそう言うと

俺は部屋へと戻っていった

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