7話〜クレスの過去〜
アーヴァウス―――――25年前
クレス10歳
まだ怪物が現れていなかったころ――――――
「お母さ〜ん」
「なぁに?」
「これ何〜?」
「それは剣よ危ないから戻してきなさい」
「は〜い」
そう言って家へと戻っていった
「まったく、やっぱり子供ね」
「あなた〜、クレスが剣持ち出すから直しといてね〜」
「お〜う、わかった〜」
同時刻―――――別の場所
「何だあいつは!いきなり現れて!」
「ふははははは!行け!怪物ども!!」
「くっ!きりが無い!」
「焼け!殺せ!食い尽くせ!!この世を暗黒へと染め上げるのだ!!!」
「ぐわぁ!!」
「ふはははははは!!」
レイフォンド一家――――5日後
「あなた・・・・本当に行くの?」
「あぁ・・・俺も一応剣士の端くれだからな」
「そう・・・わかったわ、でもこれだけは約束して」
「何だ?」
「絶対・・・生きて帰ってくるって」
「・・・・・・・」
「お父さん・・・・どこに行くの?」
「ん?あぁ・・・・・ちょっとお仕事だよ」
そう言って頭をなでた
「じゃぁねぇ・・・帰ってきたら、どこか遊びに連れてってぇ〜」
「・・・・・あぁ約束だ、そのかわり父さんがいない間、クレスが母さんを守るんだぞ」
「うん、分かった、僕お母さんを守る」
「・・・そうか、偉いぞ」
そう言ってまた頭をなでた
「あなた・・・・・」
「じゃぁな・・・行ってくる」
「いってらっしゃ〜い」
「・・・・・」
そう言って父親は去っていった
「お母さん、僕お父さんみたいな剣士になる!」
「・・・・そうね、お父さんみたいな剣士になりなさい」
「うん!」
更に1週間後―――――
「ねぇ、お母さん」
「なぁに?」
「お父さんまだ帰ってこないの?」
「・・・・えぇ・・・きっとお仕事がんばっているのよ・・・・」
その時母の手が震えているように見えた
「そうだね、お父さんがんばってるもんね!」
「・・・えぇ、だからまだ待っててあげてね」
「うん!」
ドォォォ―――ン!!!
その時近くの森で大きな音がした
音の正体は大きな火柱だった
「クレス向こうへ行きなさい!」
そう言って草原の方へと指差した
「え・・・でも、行ってどうするの?」
「いいから!早く!そのまま行き続きなさい!!」
「どんなことがあっても走り続けない!!」
「う、うん?・・・分かった」
そう言って草原の方へと走った
ドォォォォォン!!!
ドォォォォォォォォン!!!!
音はしだいにどんどん大きくなっていく
「はぁ・・・はぁ・・・」
走り疲れたのか今はゆっくりと歩いている
「ここで何をすればいいいのかな?」
ドォォォォォォォォォン!!!!!
思わず振り向いた先には火柱に包まれた家があった
「お母さん!!!」
私は家へと駆け出そうとした
『どんなことがあっても走り続けなさい』
「!」
「・・・・・・・」
私はその言葉を思い出しまた走った
しかし後ろから大量に怪物がやってきていた
その後ろには何か巨大なものがいた
「はぁ・・はぁ・・はぁ・・・」
「何?あれ?怖いよう・・・」
「ん?なんだあの小僧は?ふん構わん!そいつも殺しておけ!」
そして何匹もの怪物が襲ってきた
「誰か〜!助けて〜!」
「ふははは!誰も気やしないよ坊や!」
「お父さん―――!!」
ザシュゥゥゥウ!!!
そう言った時怪物達が音を立てて目の前で2つに切り裂かれていった
「む?誰だ!?」
目の前には大きな大剣を持ってそれを片手で軽々と振り回す男が立っていた
「大丈夫か?少年」
その男は右手に黒い龍の紋章を宿していた
「う・・・うん・・・・」
「そうか、なら下がっていろ」
「貴様ぁ!調子に乗るなぁ!」
パチンッ!
そう言って巨大な怪物?が指を鳴らした
その時やってきた男の下から火柱が天空へと舞い上がっていった
「はははは!・・・・ん!?」
男が大剣を片手で上に上げ一気に下へと振り下ろした
すると火柱が縦に割れて掻き消した、そして無傷で男が出てきた
「な、何だ!貴様は!」
「俺か?お前なんかに名乗る義理は無いね♪」
「ふ、ふざけやがって!」
「殺れ!」
そう言った瞬間一斉に怪物が襲い掛かってきた
「ふん!・・・天空より見守りし神よ 今この場に舞い降りて 敵を滅ぼす力となれ――――ギガント レイ!!!」
そう言った瞬間、巨大な光が生み出され怪物を包み込んだ
「な、何ぃ!?」
そして更に大きくなっていき巨大な怪物も包み込んだ
しばらくして光が消えるとそこにはあの巨大な怪物だけが残っていた
「き、貴様ぁ・・・いったい・・何者だ・・・・・」
「だぁからさっきも言ったろ?もう二度は言わないぜ」
「ふふふ・・・ははははは!・・・・我を倒したところで怪物どもは消えはせん!」
「怪物がいる限り我はまたこの世へやって来ようぞ!!」
「もう、いいよ」
そう言って持っていた大剣で2つにし怪物は消えていった
フハハハハハ!
怪物の笑い声が響き渡った
「さて・・・と、怪我は無かったか?少年」
「う・・うん・・・・大丈夫」
「そうか・・・・少年にはこれをやろう」
そう言って別に持っていた剣を渡しにくれた
「いいの?」
「あぁもちろん、あとこれもやろう」
男の指から光が出てきて私の中にはいっていった
「なぁに?今の」
「ん?ちょっとしたおまじないさ」
「ふぅ〜ん」
「少年、目を閉じろ」
「こう?」
私は静かに目を閉じた
「よく聞くんだ、これからまたさっきのやつが現れたら今度は少年、君が倒す番だ」
「僕が?」
「そうだ、これから不思議なことが起こるが決して逃げちゃだめだ」
「どんな困難でも立ち向かっていけば大丈夫だ」
「うん、わかった」
「そうか、偉いぞ」
そう言って男は頭をなでた
「じゃぁな、元気でな・・・・・」
男がそう言った時小さな風が吹いた
「ん・・・・・・」
目を開けるとそこには誰もいなかった・・・・・
「と、まぁこんなところだ」
「へぇ〜そんなことが・・・・・」
「あぁこの剣はその男から貰った物だよ」
「ん〜・・・じゃぁ怪物が現れたのは25年前って事?」
「うむ・・・そういうことだな」
(しかし・・・・この龍の紋章って・・・・・)
俺は右手と左手を見ながら考えていた
グガァァァァ・・・・グガァァァァ・・・・・・ ←レイズのいびき
「ははっ・・・私達も寝るか」
「そうだね」
そして俺とクレスは静かに眠った・・・・・・
随分と長くなりましたw
本当は前編と後編に分けるつもりだったのですが
めんどくさかったので一回で書きました^^