4話〜青龍‐アムラス 覚醒の時〜
村を出ると来た時と同じように草原が続いていた
俺は歩きながらあの夢のことを考えていた
「どうした?」
心配そうに言ってきた
「うん・・・昨夜の夢のことでね・・・・・」
「夢?」
「あ、いや、別に気にするほどの事じゃぁないから」
「?」
「それよりクレス、次の町はどんなとこ?」
「放浪の町ケルマス、名前の通り旅人がよくたどり着く町だよ」
「結構にぎやかな場所なんだがあそこらへんの怪物は強くてね
町には門と警備する人がいるんだよ」
「そんなとこへ行くの?」
「あぁ強いと言ってもアキラなら勝てると思うよ」
(思うって・・・・・)
3時間くらい歩き続けたがまだ草原が続くばかりであった
そのうえ腹も減ってきた
「そろそろ何か食べない?」
「そうだな、では昼食を取ることにするか」
俺達は市場で買った果物と村を出る前に焼いてもらった肉を取り出して食べていった
こんな場所では火を起こせるものも無かったため仕方が無かった
昼食を食べ終わり10分くらい休憩してから町へと向かった
4時間くらい歩くといつの間にか草原を抜け森へと入っていった
森に入った途端怪物が木の陰から出てきた
ハングリーハウンドが2匹とハングリーハウンドより一回り大きい
狼みたいな獣が3匹出てきた
「気を付けろ!あの3匹は<ハンターウルフ>と言って
あの2匹よりも早くて強暴だぞ!」
そう言ってクレスは剣を構えた
「わ、わかった!」
ハングリーハウンドはそれぞれ分かれて攻撃してきた
ハンターウルフは動こうとしない
俺は横に避け剣を水平にして真横に振り切った
まだ慣れていない剣を使ったためか前足をかすめただけだった
すぐに怪物は体勢を立て直し鋭い爪を振りかざしてきた
俺は何とか剣でガードし弾き返した
「こんっちくしょう!」
俺はそう言って懇親の一撃を込めて剣を横へ振り回した
怪物はそれを避けまた鋭い爪で攻撃してきた
しかし俺は剣を水平にしながらそのまま1回転し怪物に当て2つに切り裂いた
クレスの方へ目を向けるとすでに怪物を倒しハンターウルフ1体と戦っていた
俺は怪物の心臓を突き刺した
次の瞬間ハンターウルフ2体が襲ってきた
俺はとっさにガードしたが衝撃に耐え切れず後ろへ弾き飛んだ
(2体はさすがにやばいか・・・・・)
俺は立ち上がってクレスのもとへ行こうとしたが
ハンターウルフに囲まれてしまった
1匹がすかさず攻撃してきた
ハングリーハウンドより鋭くそして素早くこちらに向かってきた
何とかガードしたがハングリーハウンドより重い攻撃だったため
俺は少し体勢を崩してしまった
その時を待ってたのか2体が鋭い爪を立ててさっきより速くこちらに向かってきた
(だめだ!よけられない!)
≪戦う意思があるのなら我の名を呼べ≫
「!」
突然どこからか声が聞こえてきたような気がした
「アムラス――――!!!」
そう言った瞬間左手の龍の紋章が青く光った
突然俺の足元に魔方陣が現れて怪物を吹き飛ばした
「!!」
クレスは驚いた表情でこちらを見ていた
頭の中に文字が次々と浮かんでくる
俺はその文字を自然と言葉に出していった
「氷帝の神よ 我が行くてを阻む者へ 裁きの雨を――――アイス レイン!」
そう唱えた瞬間どこからか無数の氷の雨がハンターウルフ2体へと飛んできた
氷の雨はまさしく雹という感じがしたがこれはまるで氷柱みたいに鋭く細かった
無数の氷の雨は怪物が避ける間もの無く全て命中した
「風の精霊よ 我が身の糧となりて この身に宿せ――――ウィンドウ ライン!」
そう唱えると突然風を纏ったかのように緑色の光りが俺の体を包み込んでいた
次の瞬間俺は一瞬でクレスのもとへ行き目にも止まらぬ速さで怪物を切り刻んでいた
それを見ていたクレスは呆然としていた
「ふぅ・・・・」
いつの間にか緑色の光りは消えており俺は疲れたのか少しふらついていた
「ありがとうアキラ、大丈夫か?」
心配そうに言ってきた
「な、なんとか・・・」
「ほれ、これを食べろ」
クレスはそう言ってヒーリングドロップを俺に食べさせた
「しかし・・・あんな呪文どこで覚えたんだ?」
「いや、何か自然に頭の中に浮かんできたんだ」
「ふむ・・・それは龍の紋章の効果かも知れんな・・・・」
「他には何か浮かんでこないかね?」
「いや今は何も・・・・でもさっきの言葉は覚えているよ」
そう俺の頭に留まっているかのようにあの呪文が忘れられない
いつの間にか体力が回復した俺は立ち上がって怪物の心臓を突き刺した
すると赤い宝石みたいなのが1つ怪物から落ちてきた
クレスの方へ向くと怪物の心臓を刺して赤い宝石を取り出していた
「これは何?」
「あぁこれか?これは火炎玉と言って火を起こす玉だよ」
「火を?」
「あぁ強い衝撃を与えると発火するんだ、旅人には必須アイテムだよ」
「へぇ〜」
そう言って俺はもう1匹の怪物の心臓を刺した
「さて、今日はここで野宿するか」
その時はもう日も落ちていた
「いいけどさ・・・・怪物に襲われない?」
「あぁこの森にいる怪物は夜になると自分の巣に戻るんだ
だから怪物は日が出ているうちしか襲ってこないんだよ」
そう言ってクレスはその辺から木の枝を探してきて
火炎玉を木の枝に投げつけた
火炎玉は発火して木の枝に燃え移った
クレスは肉と野菜を取り出し焼いていった
肉と野菜が焼けそれを食べていった
「まさか原始人みたいな事をするなんて思わなかったよ・・・・・」
俺は小声で言った
「ん?何か言ったか?」
「いや別に!それより早く食べよう!」
食べ終わってから1時間くらい経った
「さぁ明日は早いさっさと寝よう」
「そうだね」
俺とクレスは荷物を枕代わりにして静かに眠った・・・・・
さぁやっと魔法を使えました^^
これからどうなっていくのでしょうか・・・orz