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その女、教育係?

アルカナ王国。土地がよく肥え、海も近くにあるため漁業が盛んで人がよく集まる。城下町になると、商売人の姿もたくさんおり大変な賑わいを見せていた。


大国であるアルカナ王国は、そんな土地柄もあるために近隣諸国から狙われていた時代もあった。しかし、何年も前から平和協定を結んでいるお陰で平和が続いている。


そんなアルカナ王国は、今困った問題を抱えていた。その会議が城の会議室で行われている。



「・・・・今月に入って何人目だ?」


「五人目です、陛下」



宰相の言葉に、国王は深いため息を吐き出した。会議室の長いテーブルに座る大臣達も、困ったように顔を見合わせている。



「困ったものだ・・・・誰かいい方法はないか?」



国王が言うも、大臣達は誰も口を開かない。国王も強くは聞くことなく、変わりに再びため息をつく。


だが、壁側に立っていたローブ姿の男が頭を下げた。



「陛下、発言をしても宜しいでしょうか?」


「許す、申せ」



男は頭を上げた。



「実は一人、最適な人間を知っております」


「なに?」



男の言葉に、国王は顔を男に向けた。驚いているようにみえる。



「私と同じ魔法学院出身の人間です。身元は保証します」


「その者は・・・・・・大丈夫なのか?」



男は国王に笑顔で頷く。



「はい、彼女ならきっと・・・」













アルカナ国内にある領土。その領主の屋敷の庭にある女がいた。

漆黒のロングヘアーに金色の瞳、中性的な顔は整っていてスレンダーな美しい女だ。


女は座って空を仰ぎ見ていた。澄んだ青い空は、吸い込まれてしまうほど美しい。

座っている女に、水色のドレスを着た少女が走りよって来た。



「ルナー!宿題出来たよ!」



女ーールナは空から少女に視線を移し、ニッコリと微笑んで見せた。



「よし、じゃあ今日はここまで。お母様の所にいってらっしゃい」


「やったー!」



少女から文字の書かれた紙を受けとりそういい放つ。少女は嬉しそうに屋敷の中へとかけていった。


ルナは立ち上がると、大きく伸びをする。大きなアクビをしてから、もう一人近付いてくる人影に気付いた。



「エメリアさん」


「ルナ様、授業お疲れ様です」



ニッコリと微笑む侍女長のエメリアに、ルナは苦笑いを浮かべた。



「エメリアさん、私はただの

・・・

教育係ですから様付けはやめてください」


「いいえ、あなた様のお陰でリリア様は変わりました。敬意をもって、私はあなたを様付けで呼びます」



自分の主が走っていった方を見ながら、エメリアは嬉しそうにそう言う。ルナもエメリアと同じ方を見ながら、困ったように眉尻を下げた。



「困ったな。私は仕事をしただけなんですが・・・・・・リリア様が変わったのも本人の力ですしね」


「でもルナ様の手助けがあったからです。あのままでは、どうなっていたことか」


「手助けですか・・・・・・私は毎日魔法の攻防戦を繰り広げていただけな気がします。屋敷も壊しかけましたし・・・・・・」


「あれには私達もヒヤヒヤしました」


「申し訳ない」



ルナとエメリアは顔を見合わせ、そしてクスクスと笑いあった。

和やかな雰囲気、数ヵ月前はギスギスした関係だったと誰が信じるだろうか。



「まぁそれも、今月で終わりですが」



ルナがそう言うと、エメリアは途端に寂しそうな顔をした。



「そうでしたね・・・・・・」


「やだなエメリアさん、そんな顔しないでください。呼んでくれれば、いつでもリリア様の説教をしに来ますよ」


「フフッ、それは心強いです」



笑っていたエメリアはあることを思いだし、慌ててスカートのポケットから白い封筒を取り出した。



「忘れるところでした。ルナ様に手紙が届いていましたよ」


「手紙?」



エメリアから手紙を受けとり、差出人を見たルナは眉間にシワを寄せた。

明らかに嫌そうな顔をしながら、ルナは封筒を開き手紙を読み始める。


しばらく何かを考えているような顔をしていたルナは、手紙から顔をあげるとため息をついた。

そんなルナの様子に、エメリアは首を傾げる。



「どうなさいました?」


「あー・・・いえ、昔の友人からなんですが・・・・・・」



ポリポリと頭をかいた後、再び空を仰ぎ見る。空は相変わらず青いまま。



「厄介な仕事寄越して来やがって・・・・アノヤロー・・・・」



苦々しく、ルナは呟くのだった。



低音です。初めての投稿です。至らない部分もありますが、よろしくお願いします。


思ったよりも短かった・・・・

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