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終末世界でもう一度 ゾンビウイルスで世界は終わりましたが、転生した私は『収納スキル』でスローライフを目指します  作者: 柿の種
第6章

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Episode4 - 改造完了してみよう


「つっかれたぁー!」

「お疲れ様でした。……評判の方はどうでした?」

「問題無さそうだからこのまま運用決定かな」

「それは良かったです。それにしても……」


 そうして4週間後。居住エリア改造計画が一段落した。

 その結果を確かめる為にと、私は白星を連れて居住エリアへと赴いていたのだが……もうあそこは山の中の隠れ里の様な場所ではなくなってしまったのかもしれない。


「えぇっと、柊先輩が今回の計画で作ったのが……不用品のリサイクルルート、電力等のエネルギー関係の供給強化と効率化、水源及びそれに伴った水道設備の設置と……食糧関係も何かしてましたよね?」

「畑と家畜小屋の拡張よぉ……ドローンと人手を使って2重に管理出来るようにして、今まで以上に広範囲に、品質も高く生育が出来るように改良してたわ……私はお姉さんがやってる事があんまり理解出来なかったけれど」

「まぁ人が増えたら食糧の生産量とかも増やさないといけないからね」


 私がA.S.SとO.S.Bを用いて行った居住エリアの改造は多岐に渡る。というか、少し興が乗ってしまった結果……元々住人達に話していた内容から大きく逸脱して実行された部分も多い。

 まずまずとして、元々は私の拠点近くに設置されている水力発電機から直接電力を供給するだけだったのに対し……それだけでは将来的に不安だ、と言う事で。急遽、同じ水力発電機をもう1つポイントによって交換、それ以外に数台の小型風力発電機も設置する事で余裕を持たせた。

……O.S.Bでエネルギー配給ルートの効率化もしてあるし……余剰電力はドローンの稼働数を増減させれば何とでも調整出来るしね。

 それ以外にも、今までは居住エリアから近くの水源に水を汲みに行ったり、私が月に何度か綺麗な水を提供していたのだが……どうせならと、山に流れる川から直接居住エリアへと水を汲み上げる仕組みを作り上げてみた。

 浄水施設を途中で噛ませる事で、不純物なども排除して。凡そ、社会崩壊前の水道とほぼ同じ代物を各住居へ設置する事が出来ている。勿論、お湯も簡単に出す事が可能だ。

 だが、それら2つよりも時間が掛かったのが……食糧関係の設備だった。


「いやぁ、腰が壊れるかと思ったよ。本当に」

「私も途中、参加していましたが……中々に大変な作業でしたね……土起こし」


 以前までの居住エリアでは、草薙の異能もあってか野菜がメインで生産されていた。

 家畜も居るには居るが、その成長速度よりも異能さえ使っていればすぐにでも収穫が可能な野菜に重きを置いたのだろう。しかしながら、草薙の異能の効果範囲はそこまで広くはなく、巨大な畑を作る事は出来なかった。

 だが、その問題はドローンの導入と、各種変換機によって作られた生育剤によって解消される。

……草薙さんが管理するのは、品種改良とかの時間が掛かる畑。それ以外はドローンと、他の住人達が管理する事で、収穫量を増やしつつ、質を同時に高める為の作業を出来る様にした訳だね。

 畑の数が増え、それ以外にも草薙の異能を使う事で野菜だけではなく、生育に時間の掛かる果樹等も取り扱い始める事に成功した。

 家畜に関しても、生育剤が使える為にこれまで以上に大量に飼育する事が可能となっている。


「今じゃもうほぼ別の街みたいになってるわよねぇ、居住エリア」

「余裕がある時に景観とかも弄ってたからね。人も増えたから、それぞれがそれぞれの店とかも作ってたし……もううちの拠点よりも便利なんじゃないの?あそこ」

「まぁここは便利というか、生活の為の場所ですし……」


 元々は私の拠点から他の住人達を離して生活してもらう為に作った場所だったのだが……もう既にそれなりに大きくなってしまった。

 その上で私があちらに移住するか、と言われればまだ答えはノーだ。

……変に人が多い場所で生活すると、白星ちゃん以外にも他の異能の事を知られそうだしね。

 良い場所を作れたとは思うし、社会崩壊前の下手な村等よりは絶対に便利には出来たはずだ。

 A.S.SやO.S.Bは私にしか無い特権ではあるが、それ以外……ポイント交換等は他の住人にも使える様にしているのだ。今後、拡張したいと考えた時には彼ら彼女らが勝手に出来るだろう。


「ま、ここから私達は生活基盤の充実ってよりは、あの人達に戦闘能力を付けてもらうって方向にシフトしよう」

「あぁ……本当に私はサバイバル技術を教えるだけでいいの?少なからず戦えるわよ?」

「白星ちゃんの戦い方は異能の特徴に依存してるからね。それよりは君が1人で生活してた時に考えてた事や実践した事、失敗した事なんかを教えた方が良い気がするんだよ」

「なぁるほどねぇ……」


 改造計画が終わった上で、私達がやる事は1つ。

 生活水準が上がっていく彼らに、1人でも護る力を付けさせる事だ。

……まだちゃんと目を通せた訳じゃないけど……それでも十分な人数揃ったもんだよ。

 一応、会議の中で言っていた様に、志願してきた者のみに対象を絞る事で徴兵のような強制力を持たせないようにと配慮はしたのだが……ふたを開けてみれば、集まったのは居住エリアに住む約半数。

 草薙や音鳴を始めとした古参メンバーに加え、ある程度身体を動かす事が出来る男衆。

 それ以外にも、戦闘に使えるであろう異能を持った女性や中学生程度の子なんかも参加しようとしているのには驚いた。


「五十嵐には戦闘技術の基礎を教えてもらおうかな。私は我流が過ぎるし……白星ちゃんと同じ様に異能依存の戦い方をしてるからさ」

「分かりました。柊先輩は?」

「私はその上で、格上との戦い方を教えるつもり。実際に戦ってみて、どうすればいいのかとか……下手に立ち向かわない事なんかを教えよっかなって」

「「……」」

「ん?どしたの2人とも」


 と、何やら私の言葉に微妙そうな表情を浮かべる2人に首を傾げつつ。

 私は改めて、集まったメンバーの顔をA.S.Sによって表示させながら、そのプロフィールを確認していく。

 元々知っているメンバーに関しては流し見程度ではあるが、ここ最近増えた面々に関してはしっかり目を通しておかねばいけない理由があるのだ。

……私自身、今自分がどんな異能を持ってるのか理解し切れてないからね。増えすぎだよ人。

 住人が増えると言う事は、それに比例して私の持つ異能も増えていく。

 この前なんて、突然手から軽く電撃が発生して焦ったものだ。誰にも目撃されてはいないのが幸いだったが。


「まだまだ忙しくなりそうだよ、本当に」

「……そう言う割に、ちっとも嫌そうじゃあないわよ?お姉さん」

「あぁ、昔から柊先輩はこうなんですよ。ゆっくりするのも好きなんですが、仕事なんかで忙しくしてる時も好きみたいで」

「へぇ……ワーカーホリック的な?」

「もう久しく聞いてなかったなぁ、その単語」


 とは言え今は、大きな計画が片付いた後だ。

 ゆっくりと身体を休めて、明日以降もまた頑張る為の余力を溜めていこう。

 あわよくば、


「早めに、私が楽できるように皆も頑張ってくれると、嬉しいなぁ」


 小さな願いを呟きながら。

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