表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
クロと旅を。  作者: 春野蒼
9/16

09.おっ肉♪

結局お肉は持ち帰りにし、金額は800ダルになった。

ちなみにお肉はクロの食べかけ部分は入っていないので安心してほしい。


今日はクロのスピードが心持ち早い。

きっと早く食べたいんだろう。


「おかえりなさいませ~!」


「ただいま!

今日はお肉を狩ってきたんだけど、別料金で調理してもらうことってできますか?」


「お客さん、もちろんできますよ!調理代金は10ダルになります!」


10ダル支払い、大きなお肉の塊を渡す。


「もしかしてこのお肉魔牛ですか?高級肉じゃないですか!!

これは父の腕がなりますね!」


「お父さんが料理長なんですか?」


「ええ、そうです!料理の腕には自信がある父ですよ。

絶対おいしい料理を作るので安心して任せてください!」


「昨日食べた料理も本当においしかったのでお任せします。

調理法はステーキでいいと思うんですけど、、」


「ねぇクロ、牛ならステーキで食べるのが私のおすすめなんだけどそれでいい?」


「にゃ!」


「そっか。ちなみに焼き加減どうする?よく焼いたやつよりかは生に近い方がいい?」


「にゃあ」

しっぽの先端をパタパタさせて考えている様子。


「悩んでるなら、焼き加減はシェフのおすすめにする?一番おいしい焼き加減!」


「にゃっ!」

ちょっと目をキラキラさせながら返事をした。


「わかりました!焼き加減シェフのおまかせですね!

絶対においしいステーキを出すので、待っててくださいね!」


待つことしばし…


「できました!魔牛のステーキです!

おかわりが必要なら都度焼くので声をかけてくださいね!」


と熱々の鉄板に乗ったステーキをテーブルの上に置いた。

牛肉の焼ける香りってどうしてこんなにもいい匂いなんだろう?

パチパチと音を立てる鉄板。食欲をそそる肉の香ばしい匂い。もうこれだけでご飯が食べれそう。


「にゃっ!」


「はいはい、今すぐにでも食べたいよね。そんな目で見なくても大丈夫だから。

クロ。いただきます。」


とそれを合図にクロが食べ始める。

クロの皿は鉄板ではなく木の皿なので熱くない。


私も食べようとステーキにナイフを入れる。

途端にあふれ出す肉汁。ミディアムレアの焼き加減で綺麗な焼き色だ。

一口噛むと肉のうまみがじゅわっと溶け出し、噛むたびに凝縮されたうまみが溶け出す。


「あぁ、もう一口食べちゃった。おいしすぎるっ!」


二口目を食べる。肉のうまみと鼻に抜ける香ばしい香り。牛の脂身が甘い。

臭みなど全くない。食べる手が止まらない。

あっという間に一皿平らげていた。


クロは相変わらず、肉汁1滴残すことなく綺麗に皿を舐めて食べ終えていた。


「クロ、おかわりする?」


「にゃう~ん」

今まで聞いたどの鳴き声よりも甘い。それだけこのステーキが気に入ったのだろう?


「クロ、まだまだ入る?」


「にゃっ!」


「じゃあもっと焼いてもらおうか。」


「すみません、注文いいですか」


結局あの後クロが8枚。私は3枚食べた。

それでもまだ肉の塊がだいぶ残っているとのことで素材を別料金で預かってもらえないかダメもとで聞いてみることに。


結果、サービスで預かってくれることになった。

後日お礼をしよう。

そう思い、部屋に戻った。


今日もクロと壁のほんのわずかなスペースで小さくなって眠った。


翌朝。


寝返りがあまり打てなかったので体が痛い。

なんのためのベッドだろうか…。

もうダブルの部屋に移るか?いや、いっそ床で寝る?

など考えながらギルドに到着!


「あっ!この前受付してくれた人だ!」


受付してくれた女性を発見し挨拶しようとするも、何やら取り込み中のようだ。

戻ったら挨拶しようと思い、そのままギルドを出発することに。

今日は森で軽く採取したら、買い物をしよう。


その前に門による。


「あの、トールさんはいますか?」

衛兵に声をかけた。


「トールならいるからちょっと待ってくれ。」


「よお!昨日ぶりだな!」


「はい!昨日は荷車とパーツを貸してくださりありがとうございました!」


「いいって。返す手間がはぶけたんだ。こっちこそありがとさん。

ところで今日も採取?いや、討伐か?」


「今日は採取だけの予定です。」


「そうか。でもま、もし討伐するんなら荷車か魔法鞄があった方がいいと思うぞ。」


「魔法鞄ですか?」


「魔法鞄ってのは、鞄の容量以上に物が入る鞄のことだ。色んな種類があって、容量の小さいものから大きいもの。重さが軽くなるものから、時間が遅くなって腐りにくくなるもの様々ある。

まあいいものほど高いがな。」


「そうなんですね。教えていただきありがとうございます。

ちなみにその魔法鞄、どこで売っていますか?」


「ギルドにも一部売っているが、大半は魔法具店だな。

大通りの時計塔から左3ブロックにあるミラー魔道具って店がおすすめだ。」


「ありがとうございます!帰りに寄ってみます。」


「そうか。気をつけてな!」


「はい!」


帰りの魔道具店の立ち寄りが楽しみで仕方ないソラだった。

タイトルはクロの気持ち?を代弁しました(笑)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ