05.いざ町へ!
遠くの方に門が見えてきた。
そのまま歩き進め、短い列に並ぶ。
「前へ!」
の掛け声で列が進み、何やら前にいる人達が硬貨のようなものを払っていた。
私の番が来た。
「通行料500ダル」
「えっ!ダル!(どうしよう、聞いたことない通貨)」
「おい、どうした?早く出せ。」
「す、すみません。」
ダメ元で500円玉を出してみる。
「これじゃあダメですよね?」
「なんだ、これ。綺麗な硬貨だが見たことがないな。お前外国人か?」
「えっと。(どうしよう、ここが日本じゃないなら外国人になるけど、言葉通じてるし日本じゃないの?でもあんな大きな猫や虫なんて存在しないし)」
「まぁいい。今回はそれで払ってもいいが次はないからな。」
「はい!わかりました!」
門番から木札のようなものが渡された。
「次!」
なんとか入れた~よかった。
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門番視点
変ななりの女がやってきた。
後ろに大きな魔物を従えている。こいつテイマーか?まあいい。
通行料を出せと言ったのに出てきたのは見たこともないピカピカした硬貨。
(※ダル硬貨は作りが良くないので、ちょっと凸凹しています。それに硬貨が汚れているのも当たり前です。)
こいつはゴールドで出てきているのか金色に輝いている。
それに複雑な模様も描かれている。
これを売ればかなりの金になりそうだな。通行料でお釣りがどれ程来るんだ、ウッハ!
と内心、門番はウハウハでした。
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しばらく通り沿いを歩く。
前から人にぶつかられそうになったので、普通によけたら舌打ちされた。
なぜだ、げせぬ。
(※前から来た通行人はスリでした。ぶつかって気を取られている隙に盗もうとしたようですが
満員電車や人混みだらけの駅でぶつからずに進むのに慣れているので、普通に避けることができました。)
遠くからいい匂いが漂ってきた。
肉が香ばしくやける食欲をそそる匂い。
ぐぅ~っ
「うっ、お腹なった。恥ずかしい。でも今はダルとかいう硬貨の持ち合わせなんてないし。
お金もないしどうしよう。」
どうしようか考えながら歩いていると、目の前に大きな建物が。
冒険者ギルドと看板に書いてある。
「冒険者ギルドって、まんまファンタジー、、、、。
もしここが日本だったらテーマパークか、それか日本語の通じる外国か、異世界の3択になるか、、。」
乾いた笑いが漏れた。
ここがファンタジー定番のギルドなら仕事とかあるでしょ!
と思い、ひとまず入ってみることにした。
硬貨の名称、迷ってドルをもじったものにしました。