表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
クロと旅を。  作者: 春野蒼
16/16

16.初めての野営

今日は町までの街道をゆっくり歩き、隣の隣町を過ぎたところで日が傾いてきた。


「クロ、もうそろそろ日が落ちるから野営の準備しよっか」


「にゃ~あ」


歩くばかりで退屈だったのか、大あくびをしながら返事するクロ。


「クロ、野営の準備しちゃうから、その間森で遊んできていいよ!」


「に~っ!」


ちょっと目をキラキラさせながら返事するクロ。

返事したかと思うとあっという間にスピードを上げて狩りに行ってしまった。


「さあ、クロが帰ってくるまでにごはんでも作るか!」


テントを設営する為地面を軽く均し、その辺に落ちている手頃な大きさの石でペグを打つ。

今までアウトドアなんてこちらの世界に来るまでしたことがなかったので、店主に教わった手順通り

1つ1つゆっくり設営していく。


「ふぅ~!やっと終わった!

 日が落ちる前に設営できてよかった~!」


設営したばかりのテントの中に入り、ごろんと仰向けに寝っ転がる。

ただテントを立てただけなのに、なんだかちょっとした達成感がある。

もう少し寝っ転がっていたいと思っていると、テントの入り口に大きな影が。


「クロ、お帰り!森で遊べた?」


「に!」


満足そうな鳴き声で返事しているので、あの短時間でも十分遊べたみたい。

よかった!

起き上がり、テントから出る。

見るとテントの横に獲物が。どうやらクロが狩ってきた獲物をテントの横に置いたようだ。

見ると1.5mの鹿の魔物?だった。


「クロ、この短時間でよく狩ってきたね!これは次の町に着いたら解体してお肉にしてもらおっか?

今食べれなくてごめんね。」


「にゃ!」


クロ的には食べることより狩りに行けたことの方が満足だったみたいで、残念がってはいなかった。


「よし!ごはん作ろっか!おいしいの作るから待っててね!」


「に~い♪」


ごはんが楽しみと言わんばかりに返事した。


「あれっ?どうしよう。火がつかない」


調理をするため、火起こしの魔道具を起動したけど火がつかない。

2~3度試すもダメだ。


「にゃ!」


クロが私の前に出てきて尻尾を払い、下がってと言わんばかりに私に後ろに追いやった。


「ん?クロ、どうにかできるの」


言うや否やクロが口から小さ目な炎を出した。

その炎は火種と薪に吸い込まれるように入っていき、その一瞬後大きな炎が噴き出した。


「えぇ~!!!クロ、すごいじゃん!普通の炎じゃない、あれって魔法の炎!?

めちゃくちゃカッコいいよ!!」


私の言葉でちょっと調子が良くなったのか、宙に向かって炎を吐き出した。

青色と少しの赤色が混じった炎で周囲にキラキラとしたもの(魔法の粒子のような)が舞っていて美しかった。


「さて、これで料理ができるね!今日はこの前狩ってきた大きなウサギの魔物のお肉だよ。

クロはステーキがいい?それともシチューにする?」


「ん?両方かな?」


ちょっと苦笑しながら言うと、クロが途端ちょっとテンションが上がった。

分かりやすい反応に、かわいいなと思う。


「じゃあ少し時間はかかるけど待っててね!」


「に~♪」


どうやらお利口さんで待っていてくれるようだ。


「えぇ~っと、ステーキは焼くだけだから後回しにして。まずはシチューからだな。」


大きな塊肉を一口サイズに切り分ける。翌朝もシチューを朝ごはんにしたいので多めにカット。

それから人参もどきに玉ねぎもどきをカットして、芽キャベツっぽい野菜は甘味を出す為先に軽くロースト。


鍋にお肉を入れると油がパチパチはじけ、ジュ~っといういい音とお肉の焼ける香りがあたりに広がる。肉が軽く焼き目が付いたら野菜を入れ炒める。

水を入れ、塩とハーブで味付けしひと煮立ち。

本当はブイヨンキューブや胡椒があればよかったのだが、あいにく店にはなかった。

けど胡椒と米、しょうゆ、味噌、出汁だけはいつか絶対に見つける!


次にステーキに取り掛かる。

ハーブ類に付け込んでいたウサギ肉を熱したフライパンで焼く。

火を通しすぎると特に硬くなるので、中に火が通ったのを確認したらさっと火から下ろす。

ハーブと焼けたお肉の匂いがいい感じにマッチしていて食欲をそそる!


「クロ、できたよ!さあ、食べようか!」


「にゃう~ん♪」


食事を前にご機嫌なクロといただきますをしてご飯を食べる。


「うん、おいしい!」


横でパクパクおいしいと言わんばかりの表情で食べているクロを眺めていると、

これからも一緒にこうやってごはんを食べていけたらいいなぁと思いながらごはんを食べるソラだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ