15.旅立ち
あれから数日。
「な~お♪」
今日も今日とてご機嫌なクロである。
あれからクリスタルに反射する光を時折追いかけたり、クリスタルをうっとり見たりしている。
あのあと門の衛兵や従魔連れ冒険者のライさんと従魔のハート達に見せびらかしていた。
どうやらあのクリスタルはクロ自慢の宝物になったようだ。
「クロ、そろそろ遠出の準備もできたし、ミトン町に行ってみる?
こことはまた違ったおいしいご飯があるみたいだし!」
「に~!」
クロが犬だったら尻尾をわさわさ振っているだろう興味深々な表情をしている。
「そっか~、クロも楽しみだよね!じゃあ支度して、明日出発しよっか!」
「にゃ♪」
クロが楽し気に揺れて、チャームも一緒にキラキラ揺れた。
翌朝。
「もう行っちゃうんですね、寂しいです。
でもこの職業には別れはつきものですから、元気にお見送りしますね!
今までご宿泊くださり、ありがとうございました!どうぞ、ご武運をお祈りしています!」
「ありがとうございます!またここに来たら、絶対泊まりますね!
それまでお元気で!」
外までお見送りし別れ、しばらく歩いていると大きな声が。
「また、来てくださいね~!」
元気いっぱいぶんぶん手を振って、とびきりの明るい笑顔をしていた!
「また、絶対来ますからね~!」
と私も返えした。
クロはというと優雅に尻尾を振って返事していた。
「さぁ、行こっかクロ。ここからが始まりだね!」
「に!」
1人と1匹の旅がここから始まる。




