13.上機嫌
朝ごはんも食べたし険者ギルドへ向かう。
「おはようございます」
「おはようございます。今日は採取ですか?」
「今日は私は採取でクロには魔物を狩ってもらおうと思っています」
「冒険者はどんなになれた場所でも突然魔物が出てくることもあるので、油断せず気をつけてくださいね。」
「そうですね、気を付けます。
それともしよかったら、これどうぞ。」
「これ、フルールのクッキーですか!」
「そうです!色々教えてもらってお世話になったのでよかったら」
「私としては特に大したことはしてないのですが。でもせっかくなので、いただきますね。
実は私フルールのクッキー大好きなんですよね。ありがとうございます。」
「二コラさん、そうだったんですね。なら、よかったです!」
ニコニコ笑顔で受け取ってくれた。
渡せてよかった!
冒険者ギルドを後にし森へ。
「クロー。今日は思いっきり動いてもいいよ。
それでもし余裕があればでいいんだけど、魔物狩ってきてくれると嬉しいな」
「にゃあ」
言うが早いか弾丸スピードへ森の中へ消えた。
「ん~。今日も採取頑張るか!」
思いっきり伸びをし、上を向く。今日も晴れ渡って青空が綺麗だ。
よしっ!
それから2時間ほど採取を続け、一休み。
まるでピクニックに来たかのような長閑な光景に思わず、一息つく。
もうひと踏ん張り頑張りますか!
採取を続け気づけば昼近く。
ガサッと前方の茂みが揺れた。クロが戻ってきた。
「よっし、お昼にしようか。」
来る途中で買い込んだ食材で調理開始!
熱したフライパンにバターを落とし、刻んだ玉ねぎっぽい野菜を炒める。
茶色く色図いてきたら、ミンチにした肉を投入し、炒め味付け。
そこに茹でたじゃがいもを入れチーズを上からかければ、「ひき肉とじゃがいものチーズ焼き」の完成!
「クロ」
「にゃ!」
「食べよっか、いただきます」
とろ~りとしたとろけるチーズが伸びて、それと味付けしたひき肉とじゃがいもに絡んで。
「ん~!!おいひい!!」
「に!」
「えぇ!もう食べたの!?」
あっという間に平らげたクロにおかわりをよそい、再びスプーンを手に取り。
「ん~!やっぱりチーズ入れて大正解!このチーズの風味とじゃがいもとひき肉の相性が抜群!」
あっという間に平らげた昼だった。
その後採取を再開し、もうそろそろ帰るという頃。
クロはなんと大きな獲物を2匹も加えて戻ってきた!
「クロ~!すごいね!!
こんな大きな獲物を捕ってくるのも凄いのにさらに2匹まで!」
「にゃう~ん♪」
すっごくご機嫌な顔で鳴いている。
「それにしてもどうやって持って帰ろうか?魔法鞄小さめだから入らないね、、、」
「にゃ!」
「えぇ!それは無理があるんじゃっ、、、」
「クロは2匹を咥えると引きずって歩き出した。」
「クロ、そんなに無理しなくて大丈夫だよ。1匹持ち帰れるだけでも十分凄いし」
私の言葉なんか聞いちゃいないとばかりにズンズン進む。
こうなったら止めても無駄なので、手早く片付けて後を追う。
「そうなりますよね、、、」
やっぱり門の前で止められるも、今回は咥えるので死んだ魔物であることは衛兵もわかってはいる。
ひとまず理由を説明したところ、ちょっと遠い目をされたが通された。
結局ギルドで買い取りをお願いしたら、2500ダルになった。
ギルドを出たあともクロはご機嫌で歩いている。
と、ピタっと止まってこちらをちらっと振り向いた。まるで付いてこいと言わんばかりに。
「クロの行きたいところ、ちょっと気になるし。ついて行ってみるか!」
歩くことしばし。
「ここ、魔道具店だよね」
「にゃ~うん♪」
「クロ、魔道具見たかったの」
「にゃ!」
外でクロとしゃべっていると、カランカランとドアが開く。
「やあ、いらっしゃい!この間ぶりだね!」
「先日はありがとうございました!とっても助かりました。
それとフルールのクッキー、大好評でした!」
「そうか、それはよかった!さすが私の奥さん!」
「ふふっ」
店主が出てきた。
「今日は何を探しているんだい?お客さんも少ないからまた案内しよう!」
「今日は私ではなくクロなんです。クロが気になる魔道具があるみたいで。」
「そうか。今日のお客様はこちらの黒い毛艶が綺麗なチャーミングなお客様だね」
クロに目線が合うように少し屈みながら話しかける店主。
「にゃ!」
よろしくとばかりに鳴いた。
スタスタと店内を我が物顔で歩き、とあるケースの前でピタっと止まった。
「にっ!」
「これかあ、クロが気になってる魔道具!」
「あぁ、そうみたいだね」
そこにはこの間見たばかりのキラキラしたチャームが付いたお値段12000ダルの魔法鞄が。
「クロ。これは手持ちがまだまだ足りないから買えないよ、、、」
「に~っ!」
「どうやらこれが欲しいみたいだね。どうする?取り置きもできよ。」
「取り置きですか。ん~、、、。確かに今の調子で魔物を狩れば近い内に手が届きそうですけど、、、」
クロにじ~っと見られている。
「う゛っ!クロ、そんなに見つめられても、、、、」
さらにじ~っと見つめられる。
「確かにこの鞄があればクロが狩ってきた獲物も余裕で入りそうだし、この気に入ったらしいキラキラしたチャームもついてるし、、、」
「クロ。クロの狩りの頑張りにかかっているけど、大丈夫?」
「に~っ!」
大丈夫とばかりに威勢のいい返事!
クロがその気なら決まった!
「どうやら決まったようだね。3か月までなら取りおけるから、クロ君怪我には気を付けて頑張りたまえよ!」
「にっ!」
「すみません、そういうことなので、取り置きお願いします!」
「あぁ、ちゃんと取り置くから安心してくれていいよ。
いや~今まで長いこと店を開けているが、従魔君の買い物は初めてだよ!」
「ですよね、、、」
と苦笑いになりつつも、微笑ましい表情でクロを見つめる。
「クロ、明日から頑張ろっか!」
「にゃ♪」
上機嫌なクロだった。
ミラー魔道具店の店主は幾つになっても奥様LOVEです。




