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クロと旅を。  作者: 春野蒼
10/16

10.まるで1枚の絵葉書

「クロ、今日のお昼は町で食べるからね。お腹減ったなら狩りに行ってもいいけど、

お昼までには戻ってきてね。」


「にゃあ~あ」


大あくびをしながら返事した。

もう眠る体制に入っている。どうやら今日は狩りに行かずにここで昼寝するようだ。

数分もしないうちにすやすや眠ってしまった。

眠っている間に採取を黙々と続ける。


「だいぶ溜まったかな。にしても中腰で探しながら採取するからきっつー」


腰をトントンしながら、地面に座って一休み。

あれから3時間経ったが、クロはまだ眠ったままだ。


眠ったクロにちょっといたずらしたい気持ちが沸いてきたので、どうしようか考える。


「へぇ、これシロツメクサに似てるかも!?」


座った地面の周りが白と紫などシロツメクサに似ている花が生えている。


「よし、これにしよう!ふふっ」


ひたすら手を動かすこと15分。ちょっと不器用な白と紫色で作られた花冠が。

しずかに足音を消してクロの頭にかぶせることに成功!


「ん~~~っ!か゛わいいっ~~~!!!」


心の声がつい漏れてしまった。

スマホで写真を撮りたい!が充電がない。


陽だまりの中、シロツメクサに似ている植物の上でスピスピ寝るクロ。

つややかな黒色の毛並みの上に乗った白と紫の花冠が愛らしい。こんなにもかわいいのに!!!写真に残せないなんて、、、、、。


ひたすらにかわいいクロを眺めていると、クロが起きた。

なぜか冷たい目でこちらを見ている。


「うっ、バレた?」


クロが起き上がったので花冠が滑り落ちた。


「あー!!もうちょっと見ていたかったのに、、」


クロは行くぞとばかりにスタスタ歩き出す。

そう、もう太陽が真上に来ている。お昼だ。


「クロ、ちょっと待って!」


急いで戻る準備をし、クロの後を追う。


「ねぇクロ。この花冠、しっぽに通させて!絶対かわいいから!」


「に!」


断るとばかりに尻尾を振られた。


が、「お肉多くつけるから、一瞬だけ!お願い!!」


仕方ないとばかりに止まってくれたので、尻尾に花冠を通す。

また歩きだしたので、そのままクロを眺めた。

ゆらゆら揺れる尻尾と白と紫の花冠。やっぱりどうあがいてもかわいい×かわいいで

かわいいしか言葉がでなかった!

結局数十mも歩かないうちに尻尾でペッと花冠を払いのけてしまった。

でも、ほんのわずかな時間だったが、可愛いクロを目に焼き付けるには十分だった。


町に戻ってきた。


「クロ、何か食べたいものある?、、、、、て聞いても答えられないか。

とりあえずおいしそうなもの片っ端から試してみよっか?」


「にゃう~ん」と上機嫌なお返事が。


遠くからスープのいい匂いがする。

匂いのする方へ行くと、今度は串焼き肉の香ばしい香りが。


「ぎゅる~っ」


「うぅっ、お腹鳴った。早くなんか食べよう!」


「クロ、あそこにある串焼き食べよっか?」


早く食べたいとばかりにこちらを見つめている。


「うっ、なんてこんなにかわいい顔で見つめるの!ハートブレイクしそう」


とアホなことを言いながら串焼き屋台に近づき、注文。


「あの、串焼き10本ください!」


「毎度!串焼き10本で10ダルだよ!」


お金を渡し、品物を受け取る。


「熱いから気を付けて食べてな!」


「ありがとうございます!」


クロの分は串から外してあげる。


「クロ、熱いからちょっと冷ました方がいいかも。ちょっと待ってて。」

と手で制するも、横から顔がにゅっと伸びてきてパクっと食べ始めてしまった。


「クロ、熱くないの?大丈夫?」


「にっ!」


平気だと言わんばかりの顔でパクパク食べている。熱そうなそぶりを微塵も見せないことから

平気なようで安心した。


私も食べようと思い「いただきます。」と言い、熱々の串を頬張る。


「ん~っ、おいひい!」


串焼きの香ばしい香りが鼻に抜け、カリッと焼けた部分と噛めば肉汁が染み出し

「ん~!!」

あっという間に2串食べたところで、クロは既にあげた8串分を食べ終えていた。

読んでいただき、ありがとうございます。

今週はあまり書く時間がないので、次回更新数日遅れるかもしれません。

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