こんなにもすがすがしい朝を憎む日が来るとは。
こんなにもすがすがしい朝を憎む日が来るとは。
一時に布団に入り、すぐ目をつぶる。
しばらく寝れずにyoutubeでお気に入りのチャンネルの動画を流し、楽しげな声を聴きながら芽をだす焦燥をごまかす。ヒーリングだとか環境音ASMRなんかを聞いて寝ようとチャレンジしたこともあったか。
動画内で声が上がればちらっと画面を覗き、そのままコメント欄を見てしまう。一本、二本、だいたいそれぐらい見れば再び画面を消し、目をつぶってみる。
まぶたの裏に映るのはあの人と喧嘩したとき、こういえばスタイリッシュでかっこよく論破できたかな、とかあの時、なんとなく気まずい感じだったときこういう話題を振っていればもっと会話が続いていたかもなんて後悔。
そうしてしばらくしていくうち、目を閉じていることがそもそもつらくなってくなり、体が無性に熱くなる。この熱さが厄介だ。こまめに寝返りをうってシーツにたまる熱をエアコンに冷やしてもらう。この熱さは体の内部から湧き出る熱だから扇風機でおなかに風を送ってみたり、氷水を飲んだりしても冷えない熱。いつ自分がそんな闘志を持ったのだろうと思わせるほどの熱。
そうなるとつぎには決まってカラスの声が聞こえ始める。カァカァと聞いてうっすら目を開けてみると目を閉じる前までは真っ黒くろすけだった天井が若干白さを取り戻し始めることに気づく。
ああ、この景色を見るたんびに遮光100%のカーテンを買おう、と決意する。
太陽は本当の姿は隠しながら、それでいて存在感を放つ光が町々の影を濃くし、空を赤く染め始め、やがて白さを取り戻す。
おそらく人類は夜と朝のはざま、町が照らされ始めるころに寝るのは不可能だ。人はなんと無力だろうか。
ひとまず寝れない後悔先立つばかりだが、この時間に寝ることは不可能なのだからお天道様がしっかり姿あらわすまでカップ麺か優雅にコーヒーでもいれて、少しすれば寝ればいい。
友達はみんなそのまま寝ずに学校に行って早退とか保健室で寝ればいいというけれど、寝ずに起き続けて活動するのは意外とつらいんだ。
いや、寝ようと無駄にした数時間をないがしろにしたくないだけなのかも
とにかく今日も学校を休もう。