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03:【追放サイド】死刑宣告!?

【勇者レオン・サイド】


「こ、こんなハズでは…………」


 俺は勇者レオン・ゴールドメイン。

 神聖なる『光の聖剣』に選ばれた勇者だ。


 俺の力は人類最強。

 俺なら魔王に勝てる……そのハズだったのに。


「勇者よ、なんだこのザマは!?!?」


「も、申し訳ございません国王陛下!! 魔王の力は我々の想像以上でした……!!」


 俺たちは魔王に挑み、そして破れた……。


 魔王は圧倒的だった。

 俺の聖剣すらも通用しなかった。


 俺の迅速な判断ですぐに逃走したから、なんとか死者はでなかった。

 パーティのリーダーが俺じゃなかったら全滅していただろう。


 さすが俺だ。


 ……だが仲間たちは重症。

 こうして国王に報告しに来れたのも俺だけだった……。


「ぐぬぬ……!! 勇者でも勝てないとなれば……もう人類は終わりだ!」


 国王は顔を真っ青にして嘆く。


 気持ちはわかるが、嘆いていても世界は救えない!


「待ってください! 今回はアシエの裏切りによって万全の状態ではなかった! 仲間を集め直し、私は再び魔王に挑みます! 次こそは魔王を討つ! そのためにご協力を!!」


「そ、そうなのか……? うむ、分かった! お前を信じよう、勇者よ!! 勇者が負けるハズがないからな! 我々は協力を惜しまないぞ!!」


「ありがとうございます!! 必ずや魔王を討伐してみせます!!」


 ふぅ、危なかった。

 勇者パーティは国から莫大な協力金を得ている。


 失望されて打ち切られていたらヤバかった。


 この金でもっと強い仲間を探し、今度こそ魔王を倒そう。


 アシエのように足を引っ張るヤツはダメだ。


「勇者レオンよ。今、なんと?」


 立ち去ろうとしていると、王女様が声をかけてきた。


 その声があまりにも冷たかったので、少しだけ背筋が震えた。


 勇者である俺をビビらせるなんて、やはり王女だ。

 ただものではない。


「か、必ずや魔王を……」


「ちがいます。もっと前です。誰がアナタたちを裏切ったと?」


「ア、アシエです! アシエ・ノプテル! 男でありながら勇者パーティを弄んで魔王討伐の旅を邪魔した悪役令嬢です! ヤツがいなければ我々はもっと万全の状態で……」


 俺の言葉を聞くと、王女は呆れたようにため息をついた。


「はぁ…………お父様、この者は嘘をついています」


「はぁ!? なんだと!?!?」


 唐突な王女のセリフに、思わず声を荒げてしまった。


「し、失礼しました! ……ですが、どういうことですか!? 私は全て真実を話しています!!」


 俺だけを支えると言ったあの聖母のように細くしなやかな指先で他の仲間を助けていた!


 俺だけを見ると言ったあの大地のような母性を宿したブラウンの瞳で他の仲間を見ていた!


 アシエはとんだアバズレ男だったのだ!


 あいつの言動は全て、まぎれもなく俺への裏切りだった!!


「ここへ戻る途中、偶然ですが私はアシエに助けられました。ドラゴンを倒し、一晩で遠く離れた村から私をここへ連れてきてくれた。アシエこそが私が知る限り歴史上でも最高の魔術師です! そしてアシエは仲間を裏切るような人ではありません!!」


「それは……アシエに騙されているのです! あいつはそういう男です! 人の心を惑わす悪役令嬢なのですから!」


「勇者よ、それは私の目がフシ穴だと……男に簡単に騙されるような尻軽ビッチだと、アナタはそう言っているのですか?」


「なっ!?!?!?」


「尻軽ビッチ!?!? シャルルちゃん!? どこでそんな言葉おぼえたの!?!? パパ心配なんですけど!?!?!?」


「うるさいですお父様!! 今の問題はこのレオンでしょう!!」


「う、うむ! それはそうだ……どうなんだレオン! お前は今、我が最愛にして最高の娘シャルルを侮辱したのか!?」


 俺を見る国王の目がエサを前にした猛獣のようにギラリと光る。


 このままでは不敬罪で斬首でもされそうなくらいの殺意を感じる。


「い、いえ! とんでもございません!!」


 そもそもそこまで言ってない!!


「レオンよ、本当はアシエを追放しなければ魔王を倒せたのではないですか?」


「そんなバカな! 逆です! 最初からアシエがいなければ我々の結束はより強くなり魔王に勝てたのです!」


 そう言ってもシャルル王女はなぜか納得しない。


 勇者の言葉を信じないのか、この女は!?


「やはり今のアナタの言葉は信用できない……お父様! 私の指揮のもと、新たな勇者パーティを結成することを進言します!」


「ふむ……確かに、一度魔王に敗れたレオンでは頼りないのも事実。それにシャルルの話が本当なら、アシエこそが我々とって本当に必要な人材だ。ドラゴンを一人で倒すなど、たとえ勇者でも無理だろう?」


「そ、そんなことは……!! ドラゴンくらい……」


「ならばその実力を見せてみなさい! 勇者レオンよ、シャルル・オルレアンの名において、そなたに単独でのドラゴン狩りを命じます!」


「なるほど、さすがシャルルちゃん! それは名案だ!」


「え? えええええええええええええええええええええええええええええええ!?!?!?」


 何を言ってるんだこのバカ親子は!?


 そんなもの、死刑宣告と同じだろうが!?!?


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