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01:悪役令嬢(♂)は追放される

新作です。

応援よろしくお願いします!


「アシエ・ノプテル、君を俺たち勇者パーティから追放する!」


 俺はアシエ。

 勇者パーティのサポート役を務める魔術師だ。


 そして急にパーティから追放宣言された。


「……え? 勇者さま、急に何を言ってるのですか!?」


 俺は困惑した。


 なぜなら今、俺たちは討伐目標である人類の敵、魔王の根城の目の前にいるのだから!


「俺たちは今から魔王を倒しに行くところですよ!?」


「そんなこと知るか! 今はそれどころじゃない!!」


「人類の危機を『そんなこと』って言っちゃった!?!? 勇者さま、どうしちゃったのですか!?」


 目の前の男は『勇者』ことレオン・ゴールドメイン。

 太陽のように美しい黄金の髪と、海のように深く澄んだ碧色の瞳。


 悔しいがイケメンだ。


 そしてこのイケメンは魔王を倒す事ができる唯一の神器『光の聖剣』に選ばれた。


 まさに勇者と呼ぶにふさわしく、人類の希望でもある男だ。


「聡明で判断力に優れた人類最強の勇者さまがどうしてしまったのです!?!?」


「バボンズに聞いたぞ! 彼の傷を『ヒール』で直したらしいな!?」


「え? はぁ、そうですけど。昨夜の戦闘で大ケガを負っていたので……」


 バボンズは大盾の巨人。

 勇者パーティの盾とも言える役割で俺たちを守ってくれる。


 だからケガも多くて、いつも俺が癒しの魔術で回復している。


 援護や回復がサポート役の仕事だ。

 それくらいこの勇者も知ってるだろうに。


「なぜだ!?!?!?」


「サポート役だからですけど!?!?」


 レオンは苦虫を嚙み潰した……というより口の中に苦虫が大量発生したかのように泣きながらえずいている。


 勇者がしていい顔じゃないな!?


「き、きむっ、君は!! あの日、『私はこの魔術で勇者さまを支える大地となります』って言った!! あの夕焼けの海辺で!! 僕だけをサポートするって言ったじゃないかあああああああ!!!!!」


 たしかに俺はパーティ加入の仲間に選ばれた時にそんな事を言った。


 でも、それはもちろん他の仲間と一緒にパーティ全体を支えるって意味で……


「それだけじゃない!! ギルバートの槍も君が魔術で修復したんだろう!?!?!」


 ギルバートは『聖槍』に選ばれた槍使いだ。

 勇者にも並ぶ勇敢な戦士であり、パーティの右腕でもある。


 無口で無表情だけどいざという時には頼りになるナイスガイだ。


 そんなギルバードの槍が壊れていたら勇者パーティの戦力が半減してしまうと言っても良いだろう。


 もちろんそんなのすぐ直すに決まっている!


「何人もの男をたぶらかして!! 君はなんてヤツなんだ!!」


「いや、何を言ってるんですか? パーティ全員をサポートするのが俺の役割で……」


「あぁ、まるで吟遊詩人たちの詩にでてくる悪役令嬢のようだ! 君には失望した! もう君との婚約は破棄させてもらう!!」


 こいつ人の話きかねぇな!?!?


「というか婚約した覚えなんてないんですけど!?」


 ナニをさりげなく捏造してやがるんだこの残念イケメンは!?


「と言うかそもそも俺、男なんですけど!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?」


「知ってるに決まってるだろうがあああああああああああああああああああ!!!! 性別も血液型も生年月日も星座も利き腕も実家の住所も知ってるわああああああああああああああ!!!!!!」


「いや知り過ぎだろ怖いよ!?!?!?」


「はぁ……はぁ……とにかく!! 君みたいな悪役令嬢にパーティでの居場所なんてない! ここから出て行け!!!!!!」


「だから男だって言ってんだろ!?!?」


 ぜんぜん分かってねぇな!?


「というか、俺のサポートがないとお前は――」


「うるさい! 君がいなくても俺は勇者だ! 魔王なんて余裕で倒す! そもそも君なんて、最初から俺が気に入ったから仲間にしてあげていただけのお飾りなんだよ!!」


「は、はぁ!? 俺の魔術の実力を認めてくれたからじゃ……」


「身の程をしれ、スラムの子が!!」


「それは関係ないだろ!?」


「だまれ!! そもそも勇者パーティは女人禁制だから女みたいな顔のヤツが一人くらい欲しかったただけなんだよ!!」


「はぁあああああ!? そんな理由で俺を仲間にしたのか!?!? このサル野郎!!!!!!」


「うるさいうるさいうるさい!!!! とにかく君はこのパーティにふさわしくないんだよ!! 大人しくスラムに帰って物乞いでもしていろ!!」


 勇者のセリフはあまりに聞き捨てならないセリフだった。

 忍耐力はあるほうだと思っていた俺だが、さすがに我慢の限界だ。


「もうあったま来た!! 勇者さまとて許せん!! 勝手にしやがれ!!!!!!」


「あぁ、そうさせてもらうさ!」


「あとで泣いて謝ってももうこのパーティには戻らないからな!?」


「バーカ言うな!! 魔王を倒してこの勇者パーティは解散するんだ!! 君の戻ってくる場所なんてない!! そして魔王を倒した英雄たちの名前にも君の名前は残らない!!!!」


「あっそ! せいぜい人類の平和のためにがんばれよ!!」


「君は自分の幸せを考えるんだな!!」


 こんな子供のケンカのような言い合いが最後だった。


 こうして俺は勇者パーティから追放されたのだ。


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