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1.5話
ジャックを連れていった男たちが村長たちの元へ戻ってきた。
「行ったか……」
「道具や水は持たせたんで、生活はできるでしょう。彼に生きる気があるんなら」
提供してくれた道具屋の男にジャックの母は礼を言った。
「村長さん、これで良かったんでしょうか。あんなでまかせで旅に出させて」
「まあ、魔王退治は少々無理があったかもしれんの」
村長はポリポリと顎下を掻いて先ほどのジャックの様子を思い出した。
「この旅で成長してくれればいいんじゃがのお」
ジャックの母たちが帰り、村長は椅子に腰かけた。
「あなた、大変よ!」
奥から慌てた様子の村長の妻がやって来て、手に持った剣を見せる。
「渡すほうを間違えてるわ……」
小ぶりな剣を見た村長は目を丸くした。
「……あちゃー」




