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2.ゴブリンと救世主









「ここ...どこ......?」



僕の口からこぼれ出た言葉を木々の隙間を吹き抜ける風がかき消す。


さっきまであった傷もないし...。まさか今までの全部夢だったり!


頬を思いっきりつねると痛みがない____________な訳もなく、予想よりも強い痛みが頬に響く。



「痛っ、......ここは夢じゃないってことか。だとしても何で突然森?」



横になっていた体を起こし、木を支えに立ち上がる。


大きく伸びをすると骨の音が少しなる。


結構大きく鳴ったから長い間寝てたのかな...。


周りを見渡しても視界に入るのは木、木、木、木.......。



「ドッキリ、でもないだろうし...。まさか前にネットで見た異世界転生とか!_____________な訳ないよねぇ~~」



少し珍しくボケてみても誰も突っ込んでくれる人はいない。


こんな時涼介がいてくれたらなぁ。涼介の事だからテンション上がって僕の手を握ってこの森の中を突き進むんだろうけど...。



「......とりあえず歩こうかな。ここにいても仕方ないし」



そう呟き一歩踏み出そうとした瞬間、背後から何かが枝木を掻き分ける音がする。



「んみゃ“⁉︎⁉︎......だ、誰かいるんですか?」



振り返り、そう音のした方向へ呼びかけるも返事がない。


空耳、ではないよね?



「えっと、あの!」


「グギャギャアァァ‼︎‼︎」


「くぁwせdrftgyふじこlp⁉︎⁉︎」



緑色の肌に尖った耳、獣のような叫び声。ボロ雑巾のような薄手の布を気持ちばかりに腰に巻き付けるだけで、あまり食料が得られないのかくっきりと浮き出た肋が見えている。その手には雑に削ったと思われる棍棒が握られていた。



「う、うわああぁぁぁぁ⁉︎⁉︎」



あまりの衝撃にその場から急いで駆け出す。


だが50m走10秒オーバーの僕の足では引き離すことができず、すぐ後ろから唸り声が聞こえる。



「はぁ、はぁっうわッ‼︎‼︎」



少し飛び出た木の根に足を引っ掛け、地面に体を打ちつける。


慌てて顔を上げると、3匹のゴブリンに囲まれていた。



「あ、あぁぁっ......」


「ギャギャッ‼︎」



まさに絶体絶命。


トラックに轢かれるし、ゴブリンみたいなのに襲われるし......今日は散々すぎるよ‼︎



振り上げられる棍棒に反射で目を瞑ると、突然何か肉が断ち切られるような音が響く。


ゴブリンたちの悲鳴が続いて鼓膜を貫くが、すぐに静寂が訪れる。



な、なんだ?


恐る恐る目を開くと、そこにはプラチナブロンドのハリウッドに出てきそうなほどに顔の整った男がいた。


フードのついたローブの下には甲冑が見え隠れしており、手には血濡れの剣が握られている。そしてその血と同じ色をした切れ長の瞳が僕を鋭く捉えていた。













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