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錬金術ティア・白夜・シャドール
「さぁ、気を取り直してボス戦と行こうか?」
ブレットが今一度魔力を解放する。
体には幾つもの魔力回路が赤く迸る。
ブレットは『力』を解放した。
音苦しいほどの魔力の圧を感じて、怯みそうになる。けど、この圧は味方だ。
私を倒れそうになった時に必ず支えてくれると信じてる。
「うん、いこう。錬金術ティア・白夜・シャドール。月の化け物、お前を倒して速く日常に戻るんです!」
「よく言ったわ。それでこそ私の友達よ」
「ペルシャ……」
月の化け物の纏う雰囲気が変わる。
ブレットの魔力の圧を押し返すような、凍える様な冷たい魔力。
「仲良しごっことは笑わせる。目先のものしか見えぬ愚者どもよ、ここで終わらせてくれる」