駒
「納得はしてないけど、事情は分かったわ」
腕を組んで不服そうにそう言った後に、今度はペルシャがペルシャ側で起きた事を話します。
私の仲間たちが援軍として間に合った事、メイズ、スカーレット共に倒して神父が見ている事を。
それを聞いて安堵しながら、後はこの氷の大妖精だけと、セレストを見る。
スカーレットがリーダーだと思っていた。
実際にトレジャーハンターとして活動してた時はそうだったのかもしれない。
本来の自分を隠してか、忘れてか。
セレストは多分、私達では到底敵わない実力を持っている。
次元が違う。
それでも、『錬金術』でしか出来ないことを望んだ。
それはスカーレット達を守る為に。
月の化け物を刺し違えてても討つために。
結果論に過ぎないけれど、ママの障害になる人物を倒す事が目的になっている。
そして、セレストを生み出したのはママの師匠。
恐らく未来を見ての行動。
私達は決められたレールを歩いているようなそんな気になってくる。
誰かが望んだとおりに動かされている気がする。
仮にそれが本当だとしても私にはどうも出来ない。
それは癪だ。でも、どうすることも出来ない。
無力だと実感させられる。
私も、ペルシャも『駒』なのかもしれない。
『誰』の。それが重要になりそうだと思った。