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ただの道具
アーカイブを見終わって一息ついているとセレストが近寄ってくる。
「どうですか?なにか分かりましたか?出来そうですか?」
「い、いっぺんに喋らないで。方法は分かりました」
「それは!流石私が見込んだだけはありますね!」
ドヤ顔をするセレストと、その生まれを知ってしまった私とで温度差は生じる。
あなたの生みの親の直系になるんですよね、私。
そういうのも含め、一旦見てきたものを全て説明する。
「あの創世術士が私を……。なんて事……」
「ショックなんですか?凄いことじゃないですか」
「分かってないのね。私の視界も触覚も聴覚も全て創世術士の物なんですよ。私は、私では無かった。ただの道具ということなんですよ」
「……そんな」