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1歩1歩が
「コッチへ来て」
大精霊メイズはふわふわと浮遊し、吹雪で少しの先もまともに見えない雪山の中を進んでいく。
(ええ〜、この吹雪のなか行くの?)
ヤバい。少しでも遅れるとその後ろ姿が見えなくなる。
慌てて膝上くらいある雪をかき分けて必死に着いていく。
1歩1歩にかなり体力を使うから息が上がる。
それに、なんでこんな吹雪の中私は寒くないんだろう。
「それはね、貴女に加護を与えたというのと、ここは現実では無いから」
声に出してもないのに、前方から答えてくれる。
「何処まで行くの!?」
暫く歩いて、足がガクガクしてる。
これじゃあ決戦前に倒れちゃうよ。そう思って叫ぶとフッと吹雪が止んだ。
見渡すと止んだのではなく、吹雪の影響のない場所に来ていた。
洞窟。