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間一髪だった
「まあ、良かった良かった」
「な、なにが?コッチは貴女に殺されかけたんだけど」
「それ。生き延びてくれて良かった」
「……」
「死なれたらサブプランに移動せざる得ない。それは確率を大きく下げる」
「サブ。錬金術士をあてにしてるの?」
「そう、第1候補は貴女、白夜。次にグロリアス。最悪ペルシャかな」
「何するつもりなの」
「私の大切を愚弄したあの化け物を殺しに行く」
「できるの?私はできないって聞いたけど」
「普通ならむり。理が外れてるから。けど、囚われない力ってあるの」
「錬金術?」
「そう。流石ティアの娘だね。簡易調合も覚醒したみたいだし。これで何とかなりそう」
「ねぇ、私が簡易調合できなかったらどうするつもりだったの?」
「………………」
「ねぇ」
「魂をかけてこの場所を含む広範囲を永久凍土にする」
「……簡易調合できるようになって良かったよ」