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本来の姿と力
「スカーレットが倒されたみたい」
「リーナー、やったんだ」
「ムッ、私達が負けたみたい」
「まあ、そうじゃない?というか、コッチは必死こいて助けに来てるのに」
「お決まりのセリフを言っていい?」
「……どうぞ」
「誰が助けてなんて言ったの?」
「…………本気か冗談かどっち?」
「冗談」
「そう……」
「あ、メイズもやられた」
「へぇ、ペルシャやるじゃない」
「ムッ」
「もう、分かったって!……ここはどこ?」
「うーん、裏世界みたいな……表世界でもあるんだけど…………?」
「よく分からないところにいるのね。帰れるのよね?」
「…………フフ」
「いや、フフじゃなくて……」
「安心して、スカーレットの魔力パスが一時的に途切れたから本来の力が使えるようになっただけ」
「世界を書き換えるなんて大精霊みたいな事できるの?」
「人間は耐えられないよ」
「……私がホムンクルスだから?」
「うん、魔力がいー感じになった?」
「分かんないのね。さっきまで貴女とは別人みたいに見えるけど」
「うん、あの醜い月の化け物の洗脳を解いたからもう大丈夫。本当に死ねばいいのにね。殺そっか」
「おっかないわ」