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グロリアスの杖
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!」
「何だ何だ何だ!!」
パリンと何か割れたような音がしたと思うと、スカーレットが右目を抑えてうずくまる。
獣の様な咆哮を上げてグロリアスを見据えるスカーレットは、獣の様だった。
だらんと腕が下がり、前傾姿勢。
開いた口からヨダレがダラダラと垂れている。
グロリアスは魔法の杖を顕現させる。
ただしそれは棒状では無く、拳銃の形をしていた。
殺意の塊、恐怖の具現化。
人を最も簡単に殺すことの出来る形状だ。
「まあ、銃弾は魔力の塊だけどな」