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しゃーない
熱風がその場を漂い、吹雪を1部相殺することが出来た。ポッカリ空いた円形の向こう陽炎に揺れるスカーレットにリーナーが音もなく迫る。
(おっ、風のバインドか)
リーナーは風をコントロールし、スカーレットに巻き付けた。
身動きの取れなくなったスカーレットはこれで終いだ。
吹雪が去った後、バチンッ!ゴロゴロゴロッ!!と雷鳴が轟いた。
一瞬のことで何が起きたのか分からない。
「おいっ!大丈夫……か……」
リーナーが遠くに弾き飛ばされていた。
『遠視』の魔法を使ってリーナーの様子を確認する。
部位欠損もない。上手くガードはしたみたいだ。
「……しゃあない。魔法を使うか」