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グロリアスの闘い方
「まあ、捨てた名だ。気にすんな。アンタ、リーナーだな?」
「そうです。ティアさんは貴方を読んだのですね」
「はぁ?娘の方だよ。ブレットに━━━━━━━」
「ごちゃごちゃと、舐めるなよ」
スカーレットは直線的な炎の魔法をリーナーとグロリアスの間に目掛けて放つ。
「あっつ……。おちおち会話も出来ねーな」
「今は殺し合いの最中でしょ」
「しらねーよ」
スカーレットが目に魔力を貯めるのを感知したリーナーがグロリアスへ注意を促そうとすると、グロリアスは手で制した。
その顔は黙ってろと言ってるみたいだった。
グロリアスは弧を描いて何かを投げた。
それは黒い鉄球の様だった。
ティアさんの道具?
そう思ったも、圧倒的な爆発は起きない。
代わりに球体が割れ、蜘蛛の巣の様なものがスカーレットの頭上に展開した。
スカーレットが攻撃目標を咄嗟にグロリアスから蜘蛛の巣へ変え、蜘蛛の巣は燃え盛る。
「視認で発動……ね。厄介な」