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錬金術師ティアのつくる話  作者: 新規四季
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炎の錦糸

「おい、隙を作る。しくじるなよ」


ブレットがそう言い捨ててまたも目にも止まらぬ早さで駆けていく。


目の前の光景は現実のものなのか、夢現になっているのではないか。

そんな疑いを覚えてしまうほどには異次元の光景だった。


砂煙が上がったと思えば、その場に居たはずの雷の動物たちが放電し消えていく。


余波の光で目も開けてられない。

熱波も飛んでくる。


コレが魔法使い上位の闘いなのか。

スターゲイザーに在籍してた時の錬金術の無敵感はなんだったのか。


おままごとの域を出ることすら出来てなかった。

狭い狭い世界。


ティアはこんな化け物を従えて暴れ回ってる。


「同じ錬金術士と思いたくないね」


辺り一帯は更地と成っていた。

煌びやかな黄金はその輝きは保ちつつも、瓦礫となり物だった時の尊厳は見る影もない。


ブレットはセレストを思いっきり殴り飛ばす。


セレストはガードしようとしたが、魔法が展開されるより前に杖を砕き、その勢いのままペルシャの方へ吹っ飛んできた。


「はぁ!?隙ってコレじゃないわよね!?」

「無駄にすんなよ!」

「クソッ!無茶苦茶過ぎる!ええい!」


ペルシャは全身全霊で魔力を練り上げる。

次なんて考えない。


今、ペルシャの全てを尽くして、命をとしてでもやり遂げる。


魔石へ魔力が流れる。


それはいつしかペルシャ以外も引き寄せ始めた。

周りの黄金が粒子となって魔石に吸い込まれてゆく。


熱い。

体温も馬鹿に見たいに上がってる。


エラい、だるい。


目を開けるのもしんどい。


けど、ここで踏ん張れなきゃ……「白夜の隣に立てないだろうが!」



炎の渦がセレスト目掛けて突き進む。

この炎は燃やすのでは無い。


全てを吸収していく。


セレストの体を包み込み、魔法であり、錬金術である『炎の錦糸』の効果が発動する。


セレストの魔力を吸い取り続け金で出来た細い糸が魔力が無くなるまで縛り続ける。


動けなくなったセレストはやがて意識を失って倒れるようにして眠りについた。


「やった……?」

「おう、お疲れさん。さ、次だ」

「は?」

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