ペルシャ、ブレットVSセレスト4
「起源の魔法……『力』」
ブレットは思った。
このセレストという女は弱過ぎると。
ブレットは度重なる格上との戦いの中で、『力』の使い方を理解できつつあり、とうとう自身の親との戦いで覚醒した。
肉弾戦に置いて、どの現存する魔法使いよりも優れているブレットは拡散する一族における起源の魔法を自分一人に使えるようになり、歴代の『色の魔法使い』に匹敵していた。
この突然とも言えるレベルアップには本人も無自覚なところがある。
さらに言えば、『力』とは広義な意味で使われ、その使われ方は魔法のあり方にも直結する。
あるいは『絆』。
あるいは『思い』。
あるいは『方向性』。
ブレットはティア組として仲間を強く意識していた。
あんなのが家族だった為に、みなには黙ってたが皆の『兄』のような存在でありたいとも思っていた。
だからこそ、その絆は魔法という形で繋がれ、ソフィーの星読みの初歩的な『感の良さ』を『力』は引き出せていた。
「俺の動きはお前より早くなくても、攻撃の着地点は見切れている!」
セレストは撹乱させるように広い庭園の隅から隅へ移動しながら、ブレットの死角を狙って雷の蛇や、雷の矢を放っていたが、ブレットはその全てを拳に纏わせた闘気をぶつけ相殺している。
その度にゴオンッ!!と雷鳴が落ちた様な音が鳴り、そこに苛立ちを覚えているだけだった。
ブレットは既に動き続けるセレストの速さを見切っていた。
「……早くしないと痺れきらずぜ?錬金術士」